冬型の気圧配置に伴い寒気が九州地方を覆った14日、五島市三井楽町渕ノ元の海岸で「波の花」が見られた。雲仙市の妙見岳(1333メートル)山頂付近では今季初の霧氷が観測され、県内は冬景色に染まった。
五島市の14日日中の最高気温は13・6度で、平年より4・9度低く12月中旬並みとなった。同市の自然環境啓発施設「鐙瀬(あぶんせ)ビジターセンター」によると、波の花は、水温が下がり波が激しくなると、プランクトンを含む海水が荒波にもまれて泡になる現象。渕ノ元の海岸では強風にあおられた白い泡が、雪のようにひらひらと舞った。
妙見岳の霧氷の初観測は雲仙ロープウェイ事務所によると、昨年より3週間、例年より10日ほど早いという。この日午前8時の同ロープウェイ妙見駅付近の気温は氷点下1度。夫婦で同岳山頂の妙見神社付近を訪れた山口県防府市の内田美津子さん(70)は「半世紀ぶりに見ましたが、きれいで感激しました」と話した。
=2012/11/15付 西日本新聞朝刊=