ンマハラセー復活 沖縄市で70年ぶり

70年ぶりに復活した「ウマハラセー」。走る美しさと早さを競った=2日午後2時15分、沖縄市・沖縄こどもの国

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当時の衣装や馬具を再現したンマハラセー=2日午後2時10分、沖縄市・沖縄こどもの国

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2013年3月3日 10時14分
(21時間9分前に更新)

 戦前、県内各地で行われていた伝統的な「ンマハラセー」(競馬)が2日、沖縄市の沖縄こどもの国で70年ぶりに復活した。園内広場を馬場に見立てた競馬には、同園で飼育される在来馬のヨナグニウマやサイシュウバ、県内乗馬愛好家の愛馬など18頭が出場。足並みの美しさなどを競う伝統的な競馬を数百人が楽しんだ。10日も開催される。

独特走法 優雅さ競う
復活したンマハラセー

 70年ぶりに復活したンマハラセー。国指定伝統工芸品「知花花織」を使った乗馬着や袴(はかま)、鞍(くら)の装飾なども復活、観客の視線を集めた。

 ンマハラセーは現代の競馬とは異なり、右前脚と右後脚、左前脚と左後脚を同時に動かす「側対歩」と呼ばれる独特の走法で、優雅さを競う。琉球王朝時代に始まり、県内各地のンマバ(馬場)で行われ、アブシバレー(虫払い)などの祭事で最大の娯楽行事だった。しかし、軍馬の生産のため、在来馬が去勢されるなど戦時色が強くなる中、1943年を最後に途絶えていた。戦前の馬場は直線約200メートルだったが、今回は往復100メートルの特設会場で実施。在来馬やポニーなど出馬18頭の中には、観客の多さに驚き、興奮する馬も。優雅な走りを見せた馬にはゴールのたびに大きな拍手が送られた。

 飼育員の山本暁さん(28)は昨年11月から側対歩を練習。「70年ぶりの復活で当時を知るお年寄りが喜んでいた」と、伝統競馬の復活が馬の魅力を伝えるきっかけになったと喜んだ。

 うるま市の照屋寛得さん(93)は戦前、友人らと県内各地を回ったという大の「ンマハラセー」好き。「当時は馬が貴重な労働力で生活の一部だった。若い人たちが、復活させてくれて感動している」と昔を懐かしんだ。

 沖縄こどもの国の比嘉源和園長は成功を喜び、「当時の姿をより再現できるように努力していきたい」と決意する。

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