ローマ法王:600年ぶり 28日での「生前退位」表明

毎日新聞 2013年02月12日 11時11分(最終更新 02月12日 12時36分)

バチカンで開かれた枢機卿会議で退位を表明したローマ法王ベネディクト16世(右端)=2013年2月11日、ロイター
バチカンで開かれた枢機卿会議で退位を表明したローマ法王ベネディクト16世(右端)=2013年2月11日、ロイター

 【ローマ福島良典】世界約12億人のキリスト教カトリック信徒の頂点に立つ第265代ローマ法王ベネディクト16世(85)が11日、高齢を理由に2月28日午後8時(日本時間3月1日午前4時)で退位すると表明した。法王は伝統的に終身在位制で、バチカン(ローマ法王庁)関係者によると、生前退位は中世以来約600年ぶり。次期法王は法王選挙会議(コンクラーベ)で3月末までに選出される見通しで、それまで法王の座は空位。ベネディクト16世の在位期間は8年弱となる。

 法王は11日、バチカンで開かれた枢機卿会議で「高齢のため、私の体力は法王職の遂行にふさわしくないと確信するに至った」とラテン語で表明した。さらに「変化が早い現代、教会統治には心身両面の強さが必要だが、ここ数カ月で体力が衰えた」と述べた。

 法王は昨年末のクリスマス前後に疲れた様子を見せ、消息筋によると、バチカンの庭で倒れたところを目撃された。イタリアのANSA通信はバチカン機関紙編集長の話として、法王は数カ月前に退位を決断していたと伝えた。

 法王は2010年11月に出版されたインタビュー集「世界の光:ローマ法王と教会、そして時代のしるし」の中で「法王が体力的、精神的、心理的に重要な務めを果たせないと自覚した場合、辞任する権利、時には義務がある」と述べていた。

 ベネディクト16世は前法王ヨハネ・パウロ2世の死去(当時84歳)に伴うコンクラーベで05年4月19日、78歳の高齢で第265代法王に選出され即位。生命や家族の価値観を重視する保守的な立場を取り、同性愛者同士の結婚を認めない姿勢を貫いた。元執事による秘密文書漏えい事件や、神父らによる児童性的虐待などカトリック教会を巡るスキャンダルへの対応にも追われた。

 対外的には在任中にトルコ、レバノンを訪問し、アラビア語を謁見(えっけん)式の公用語に採用するなどイスラム世界との関係改善を心がけた。また、「規制なき金融資本主義」への批判を強める一方、昨年12月、インターネット上で短文を発信する投稿サービス・ツイッターで「つぶやき」を始めたばかりだった。

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