すばる望遠鏡:惑星誕生の様子、初の観測 さそり座付近
毎日新聞 2013年02月09日 10時25分(最終更新 02月09日 23時08分)
総合研究大学院大学(神奈川)などの研究チームが、恒星の周囲のちりが集まって地球や火星のように岩石でできた惑星が生まれる様子を、世界で初めて観測したと発表した。太陽系の惑星誕生の謎を解明する手がかりになる成果という。
チームは、すばる望遠鏡(米ハワイ島)を使い、地球から約470光年離れているさそり座の恒星「J1604」を観測した。
恒星の周りをちりが円盤状に回る様子を赤外線カメラで撮影し、画像を解析したところ、誕生しつつある惑星の重力でちりが引き寄せられて「腕」のような形になって集まっていく様子をとらえた。地球の数百倍の質量を持つ惑星ができていく様子という。
観測した恒星は約370万年前に誕生したばかり。質量は太陽と同じ程度のため、同大の真山聡助教(天文学)は「太陽系の惑星が誕生したメカニズムの解明につながる可能性がある」と分析している。【鳥井真平】