景気動向指数:9カ月ぶり改善 「谷」から拡大の可能性
毎日新聞 2013年02月07日 19時44分(最終更新 02月07日 20時00分)
内閣府が7日発表した昨年12月の景気動向指数(05年=100)は、景気の現状を示す一致指数が前月比2.5ポイント上昇の92.7となり、9カ月ぶりに改善した。昨年11月の衆院解散以降の円安や、海外経済の一部持ち直しで輸出環境が改善し、生産関連の指標が幅広く上昇した。景気は昨年3月ごろに最も良い「山」を迎えた後に後退期に入ったが、昨年11〜12月ごろに最も悪い「谷」を経て拡大(回復)期に転じた可能性が高くなった。
一致指数の上昇幅は、統計が始まった85年以降、3番目の大きさ。内閣府は12月の基調判断を「悪化を示している」に据え置いたが、1月の一致指数が1ポイント以上上昇すれば、景気後退の動きが下げ止まっている可能性が高いことを示す「下げ止まり」に基調判断を変更する方針。
昨年12月の一致指数では、自動車や家電などの耐久消費財出荷指数が8カ月ぶりに上昇したほか、鉱工業生産指数や大口電力使用量、中小企業出荷指数など11項目のうち8項目が上昇を示した。小売業と卸売業の商業販売額は低下したが、内閣府は「昨年11月の寒さで冬物衣料品が前倒しで売れたため、その反動減が12月に起きた可能性がある」と分析している。
一致指数が大幅上昇した背景には、昨年11月の衆院解散後、「大胆な金融緩和」を目指す安倍政権誕生への期待感で円安・株高が進行したことがある。市場環境の改善で、企業の生産や投資への姿勢が好転した。また、景気が減速していた中国は、政府主導の社会資本整備などによって持ち直しつつあるほか、米国経済も緩やかに回復している。
12月の景気動向指数のうち、半年ほど先の景気動向を示す先行指数は前月比1.4ポイント上昇の93.4、足元の景気に遅れて動く遅行指数は同0.1ポイント上昇の86.3だった。一致指数も合わせた三つの指数がすべて上昇したのは9カ月ぶり。
内閣府は「今後は海外経済が悪化するリスクはあるものの、今年1月に決定した緊急経済対策の執行による景気への効果も期待できる」と話している。【久田宏】
【ことば】景気動向指数