バンクーバー冬季五輪で8位入賞
鈴木明子さんが母校・東北福祉大で講演
平成18年度卒業生で2月のバンクーバー冬季五輪フィギュアスケート女子に8位入賞を飾った鈴木明子さん(邦和スポーツランド)が5月26日、五輪後、初めて本学を訪れ、音楽堂けやきホールで凱旋報告会を行った。
表現力豊かな演技で感動を与えただけに、出席者は「人間基礎論」の受講生に限らず、一般学生を含め約800人が詰めかけた。
初めに演技を収めたDVDが約13分間流され、あらためて感激シーンがよみがえった。フィギュアスケート部の柴田幸男部長から紹介され、盛大な拍手の中、登場。
講演のテーマは「夢を掴むまで」で、「スケートより緊張している」と話したが、落ち着いた口調で五輪本番までの軌跡を振り返った。
「一年次に摂食障害に陥り、3カ月で15キロやせ、160センチの身長で32キロにまで落ちた。スケートどころか日常生活もできなかったが、家族とも相談し、もう一度戻ると決意。コーチができると言ってくれ、ゼロからの出発になった」と再起にかけた。
努力のかいがあって四年次のユニバーシアードで優勝を飾ったが、当時、日本の選手層は厚く、代表になることは難しかった。しかし、練習を重ね多くの試合に出場し、ついに五輪切符を手にした。以後、練習はより激しさを増し、これ以上はやりたくないと思う自分に対し「なんてぜいたくなんだ、と気づいた。幸せと感じ、乗り越えようと思った」と気持ちを入れ替えた。その姿勢が本番の大舞台で生かされた。
だからこそ「五輪までの時間が何ものにも代え難い財産になった。つらかったこともすべてバンクーバーにつながった」と言わしめた。
今後の人生に話が及ぶと「芯が強く、しなやかで柔軟な人になりたい。25歳の自分がどこまで成長していけるかを楽しみにしている」と笑みを浮かべた。
耳を傾ける後輩学生には「つまずくことがあっても何か意味があるのではないか、そこで気づくことがあるのではないか。人とのつながりを大切に自分の夢に向かって進んでほしい」と、自らの経験に照らして、思いやりたっぷりに語った。
フィギュアスケート部の一年生・鈴木真梨さんから花束が贈られると、ホールに割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
講演後、学長室を訪れ、萩野浩基学長にあいさつ。学長から感謝と激励とことばが贈られた。
なお、鈴木さんは2日前、日本スケート連盟から浅田真央さんらと共に来季の特別強化選手に指定された。
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