ニュースランキング

'13/3/2

スギ新種、成長速度2倍で花粉半減 国が増産支援


 林野庁は2日、従来のスギに比べ、成長速度が約2倍で花粉は半減させた新品種「エリートツリー」の普及に取り組む方針を決めた。栽培農家や民間企業の支援措置を盛り込んだ間伐促進特別措置法改正案を今国会に提出する。安価な輸入品に対抗できる優良木材を増産するとともに、花粉症対策につなげる狙いがある。

 新品種は、性質が優れたスギを人工交配することで、森林総合研究所(茨城県つくば市)が開発した。苗木を植えてから10年後の平均樹高は8・3メートルと、従来品種の1・9倍の速さで成長。幹の直径も平均で2・4倍に達する。

 花粉症対策のため、花粉の少ない木を選んで掛け合わせ、雄花からの飛散量を50%以上減らすことにも成功した。

 支援措置は、種から栽培したり、接ぎ木用の「穂木」を育てたりする農家や企業が対象。ビニールハウスや散水器具の設置費を国が無利子で貸し付け、返済は5年間猶予する。さらに12年間の長期返済も可能にする。

 林野庁は、ヒノキやカラマツでも同様に成長スピードを速めた新品種を開発中。ただ樹木の品種改良の先進国である米国や北欧に比べ立ち遅れており、林野庁は「海外の林業と競争するため国内でも早急に開発、増産態勢を確立する必要がある」としている。




HomeTopBackNextLast