国会図書館データベース:ユニーク例いっぱい! 利用者の質問、館員が調査 全国579館参加、10万件登録 /東京
毎日新聞 2013年02月26日 地方版
◇くいだおれ太郎の弟どこに?/江戸にふんどしレンタル業?
「大阪の飲食店のキャラクター『くいだおれ太郎』の弟『くいだおれ次郎』と、いとこはどこに展示されているのか」−−。図書館員が実際に利用者から受けた質問と調べた結果を集めたウェブサイト「レファレンス協同データベース」(http://crd.ndl.go.jp/reference/)に、こんなユニークな事例が登録されている。サイトを運営する国立国会図書館(千代田区)は「図書館の調査能力の高さも知ってほしい」とデータベースの活用をPRしている。
データベースは類似の調べものが効率的にできるよう、05年12月から一般公開が始まった。全国の図書館579館が参加し、館員が日々受け付ける利用者の実際の質問と回答の事例を集めて公開。昨年12月末には登録件数が10万件を超えた。
データベースにはインターネットからアクセスし、キーワードを入力して知りたい内容を検索できる。哲学、社会科学など分野別の一覧もある。図書館員はさまざまな資料や事典を駆使し、くいだおれ人形の質問では、企業に電話で問い合わせまでして調べた結果が掲載されている。
思わず人に教えたくなるユニークな質問が多く、「江戸時代にふんどしのレンタル業があったというが本当か」「くらげの水分を利用して化粧品開発できるか」といった「珍問」も。図書館員の間で「利用者の質問が一番面白い」と話題になっているという。
レファ協を管理する国会図書館関西館図書館協力課の佐藤久美子さん(39)は「図書館員は調べるプロ。答えが分かった時に利用者が喜んでくれるのが一番うれしい。調べものがある時は相談してみて」と話している。【稲田佳代】
〔都内版〕