職場として見た「競艇場」


06年4月5日、丸亀競艇場を視察。経営改善が強く望まれており、この4月、外部からの職員採用や組織機構を改革して改善チームもできたばかり。競艇場のトップである事業部長も新任となりました。
また、従事員の方や関連事業者さん、そして競艇ファンの方々からも、「中身をもっと見てみろ」の声しきり。
経営改善と職場改善、その両面から何かアドバイスできればと思い、今回競艇場内部の津々浦々まで、拝見させていただきました。
お仕事編
朝の出勤風景。きょうは開催初日です。
競艇事業で働く人は、市職員36名、発売従事員314名のほか競走会職員、アルバイトなど現在412名。そのほかに売店、警備などたくさんの人が働いています。(ボートピアを含む。)
出勤時刻はそれぞれの部署で異なります。前売りブースは7時着任など。
開催日は年間で、本場開催が180日、場外110日です。ピーク時に比べ従事員を減らしていますが、ローテーションを組んで「仕事日」をやりくりし、最低限の勤務日数は確保するよう努めています。
事務所です。さきほど朝礼が終わり、それぞれ持ち場についたところ。
丸亀競艇場は昭和27年に設置。以来累計で1千億円以上の繰り入れをし、市の財政を潤わしてくれました。全国には24の競艇場がありますが、いずれも収益は下降。特に地方の競艇場の経営は厳しく、丸亀も平成16年度に赤字を記録しました。
売り上げ比較では、ダントツの住之江、続く尼崎、平和島、戸田など都市部の競艇場とは比較になりませんが、17年の発売日数の比較では全国6位で、懸命な売り上げ努力をしています。
今秋、SG競走が予定されており、今年は黒字が見込めます。
スタートに向け、調整に余念がない整備場。
知る人ぞ知る、コミック「モンキーターン」に描かれたそのまんまの舞台で感激。選手たちのモーターやプロペラを見つめる真剣なまなざし、闘志ムンムンの緊迫したムード。そして何より、あいさつをしてくれる選手たちのさわやかさと礼儀正しさが印象的でした。
05年度全国競艇事業の売上額は9700億円に対し、中央競馬は2兆9千億、競輪8800億、地方競馬3600億、オートレースは1100億円(概数です)。
水上の格闘技、と言われますが、競艇事業そのものも、地上の格闘技の時代に入りました。
岸辺には水面から掃除した藻や浮遊物が集められていました。プロペラに巻きついてレースを左右するほか、場合によっては事故の原因となります。
丸亀の競艇場は海面とつながっています。海にゴミを捨てないようにしましょう。
券売機を後ろ側から見たところ。
券売機と払い戻し機はよく似た格好をしていますが、上に貼られたシールの色(黄色と赤色)で識別できます。トラブルが発生するとアラームが鳴り、係員が飛んでいきます。
〆切間際のトラブルでは、急きょ手売りの窓口に回ってもらったりしています。またシステムエンジニアが各売り場に常駐し、トラブルに備えています。
丸亀競艇場の売上額は05年決算で250億円、1日平均では1億4千万円です。ビッグレースの有無が売上額に大きく作用するので、前年度との比較は難しいのです。
開門時刻。ゲートをくぐるお客さんを笑顔でお出迎え。
「おはようございます」「いらっしゃいませ」と大きな声で深々と一礼。
ここでこわばった顔でムッツリされたら、お客さんだって券を買う気が萎えますよね。よろしくお願いします。
私の好みで言うと、着ぐるみのスマイル君なんか登場してもいいんじゃないでしょうか。
お客さんの券の買い方もいろいろで、ネットや電話のほか、出勤前に場外の券売機を使う方、「やっぱりレースを見ないと」という方など。せっかくの本場来客の皆さんに温かく。
すべての機能を制御する計算センター。第一レーススタートも間近となり、緊迫したムードでした。
ここからは場内のあらゆる場所がモニターされており、またレースの進行がすべて管理されています。
本場のほか、ボートピアや、全国の競艇場ともオンライン。こうした機器にトラブルが発生しても大変ですので、メンテナンスの専門員が常駐しています。
選手はもちろん、レースのゆくえに注目するお客さんも大変?ですが、こうしてレースを支えるスタッフも気の抜けない仕事をしています。
計算センターの一画に設けられた放送室。
場内に流れる放送は、レースプログラムに組み込まれた機械じかけの音声や実況室からのもののほか、この放送室からも行われます。
午前10時、各部署の主任が集まっての主任会議。
その日の来場状況、出勤状況により、人員の配置変更も行われるそうです。人員減でスタッフのやりくりも大変。ムダのないよう綿密に配置が検討されています。
ここは南ゲートをくぐってすぐの位置にある運賃払い戻し所。
それにしても全国いくつかの競艇場を見ましたが、どことも、迷路みたいにできているのはどうしてでしょう。ぐるぐる案内されて、窓越しに外を見てようやく、ここがどこなのかわかるのです。
無料送迎バスも今年から高知便を廃止するなど、倹約につぐ倹約。ある競艇場を視察したとき、担当者が「だって、遊びに行くのに送迎付き、という場所なんてないでしょう」と強気の発言をされていたのを思い出しますが、削減するのもなかなか大変です。
写真中央のピンクの人は、この部署の新人。特訓中でした。
払い戻しの上限は2000円です。
競艇場北側にある遊園地。今日は平日でもあり、まだこの時刻にはお客さんの姿はありませんでした。
以前、市民からここを競艇がない日も市民に使えるようにしてほしいとの要望をいただいたことがありました。しかし設備を見るとただの芝生広場のようなものではなく、管理者も必要のようですし、現在のような構造では、それはムリ、とのことでした。
競艇場内にはこのほか、ゲームコーナーや靴を脱いでくつろげる男女別の部屋も準備されています。
手売りの券売機に向かう従事員の光景。ここは最大規模の第5投票所。ピーク時には50人のスタッフで対応します。
レースは刻々と秒刻みで進行して行きます。窓口のブラインドを開ける瞬間から、緊張が走ります。
券売ブースごとに毎日お金のまちがいはチェックするわけで、1円でも合わないと大変です。そこは銀行と同じだとのことでした。スピード、正確さ、そしてスマイルが要求されます。
締切り時刻が終わるとブラインドを下ろし、つかの間の休憩時間があります。
また、一日のレースを終えた後、全員でフロアの清掃もします。
指定席を管理するブース。
この前の通路を通って、お客さんは指定席に入場します。お客さん側には、空き席が一覧できるランプが並んでいます。
レースがよく見える席をお客さんはよくご存知で、人気の席もあるそうです。
ちなみに指定席はA席1000円、178席、B席500円、503席、S席1000円、93席が準備されています。禁煙席もあります。
指定席収入は年間7600万円(04年度決算)。皆さんふるってご利用ください。
審判をする部屋にやってきました。ここは競走会のスタッフの仕事場です。
あわただしいムードです。しかし皆さん、私のようなジャマ者にも礼儀正しく親切に応対してくださいました。それでも次のレースのアナウンスがあると、にわかに「仕事の顔」になっていました。
それもそのはず。ここはレースの中央。一瞬のミスも許されませんからね。
操作卓の奥のほうが、実況放送席です。
審判席から水面を臨んだところ。
正確を期し、窓にラインが張られていました。
同じく審判席。スタート正常、の確認から着順の判定まで、データが画面上にも正確に表示されます。
ここは明日の番組を編成する部屋。
今日のレース結果を見ながら、刻々と明日の組み合わせが決められていきます。その作業は、電子機器のそろった各部屋とは異なり、どこかアナログ的。マージャンの牌(パイ)みたいなものを四角の枠に埋めていくんです。
それがすぐさま、明日の競艇新聞に載せられていきます。ここは人間の知能と経験がモノを言う仕事場です。
最後に訪問したのは執行本部の部屋。
レースが順調に行われているときは平穏なムード。トラブルがあればここからさまざまな指令が飛ぶのでしょう。
事業部長さんらともここでしばし懇談。競艇部門はこのたびの人事異動で初経験とのことですが、「ともかく職員の現場の声を聴く」と意気盛ん。経営改善に向けて、その手腕に大いに期待しています。
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南ゲートを入ってすぐ右手にある、笹川良一氏の像。
同じく南ゲートを入って左側を見ると、「福徳亀」と刻まれた石碑があります。縁起かつぎなのでしょうか?
競艇を楽しむ前に、ポイントサービスコーナーにお立ち寄りください。ポイントがたまると、グッズがもらえます。
お帰りの際はおみやげも買ってください。
こんなおもしろいものもあります。
場内には5箇所の食堂・喫茶があるほか、このようにお弁当、おすし、その他いろいろあります。
一昨年からビール、酒もあります。
薬屋さんもあります。
ひときわおいしそうだったテンプラのコーナー。
常滑では常滑焼きの展示販売もやっているとか。
丸亀も何かやったらどうでしょう?
ご存知丸亀競艇のマスコットスマイルくん。
スマイルくんの横にいたのは、鳴門競艇のマスコット、
なるちゃんです。
名前を確認するために、今、鳴門競艇に電話しました(笑)
同じく反対側にいたのは、常滑競艇のマスコット、
とこタンです。
これは知っていました。
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