それは、ドイツテレビのハーノ記者が「フクシマの嘘」という衝撃的な番組を制作し、欧州で驚きをもって迎えられても変わる気配はない。
日本の大手メディアも、相も変わらず、現実を直視させないように、自分たちの誤報につながるような都合の悪い情報を遮断し続けている。
福島のゴルフ場が直面するジレンマ
日本ゴルフ協会が果たすべき役割は――
それはゴルフ場も同様だ。実際のガイガーカウンターの数値は無視され、東電などが発表した都合の良いデータを根拠に、汚染を隠しながら営業を続けることを余儀なくされているゴルフ場が少なくないのだ。
だが、そうでもしなければ今度はゴルフ場がつぶれてしまう。そのジレンマの中、たとえば二本松ゴルフ倶楽部で予定されていた福島オープンゴルフの予選会が、放射線量の高さを理由にキャンセルになったことなどを知ると、同業者の口はますます堅くなるのだ。
今年に入ってからは、福島のいくつかのゴルフ場の芝から約100ベクレルものストロンチウムも検出されはじめている。
大きな問題は、この期に及んで日本ゴルフ協会(JGA)などが団結せず、ゴルフ界の未来のために動こうとしないことだ。
本来ならば、こうしたゴルフ文化の危機だからこそ、政府に働きかけるなど、ゴルフ界の先頭に立ってJGAなどが果たす役割があるのではないか。
JGAは、今年4月に公益財団法人になったが、そうした活動が活発化したという話は聞かない。
安西孝之会長を筆頭に、戸張捷氏や川田太三氏など、ゴルフ界の重鎮たちが理事に名を連ねているが、彼らがそうしたコメントを発表したとは一切聞かない。