新幹線脱線:乗客缶詰め6時間 「脱線」放送は1時間後

毎日新聞 2013年03月02日 23時36分(最終更新 03月03日 00時31分)

脱線した秋田新幹線から降りて代行バスに向かう乗客に頭を下げるJR社員ら=秋田県大仙市で2013年3月2日午後10時21分、田原翔一撮影
脱線した秋田新幹線から降りて代行バスに向かう乗客に頭を下げるJR社員ら=秋田県大仙市で2013年3月2日午後10時21分、田原翔一撮影

 北国を駆け抜け、風雪に強いはずの秋田新幹線が2日、猛烈な吹雪の中で立ち往生した。秋田県大仙市のJR奥羽線を走行中に脱線した「こまち」25号。幸い乗客約130人にけがはなかったが、現場は一時「吹雪で前が見えず、息もできない状態」だったという。記録的な豪雪の中、乗客たちは午後10時過ぎにバスに乗り換えるまで、車内で救助を待ち続けた。

 脱線したのは午後4時5分ごろ。東京から観光に来たという自営業の男性(38)は「ガガッ」という音を聞いた。その後、間もなく「異音がしたため、確認のため停車します」「雪に乗り上げました」などの車内放送が響いた。こまちは当時、時速20キロに減速して運転しており、止まるまで異常に気づかない乗客も多かったが、車体が一瞬浮いたように感じた乗客もいた。

 4両目に乗っていた東京都在住の男性会社員(27)は、音や揺れを感じることはなく、脱線はインターネットの報道で知ったという。秋田市の男性会社員(75)によると、車内放送で「脱線した」というアナウンスがあったのは、事故から1時間以上たってからで「対応が遅い」と憤りを感じた。乗務員が飲料水と乾パンを配ったが、長時間の拘束にいらだつ乗客もいた。

 乗客らが大型バス3台などへの乗り換えを始めたのは、脱線から約6時間経過した午後10時5分ごろ。

 60代女性は「車両の中は暖房が利いていた。座っているだけだったので、疲れた」とぐったりした様子。神奈川県秦野市から家族4人で法事に来た男性会社員(61)は「もっと早く手を打ってほしかった。対応が遅すぎる」と言い、妻(61)も「もっと明るいうちに判断してほしかった」と話した。秋田県内の友人に会う予定だったという神奈川県の葭谷秀哉さん(46)も「長い間閉じ込められ、おなかがすいたよ」とうんざりしたように話した。【田原翔一、水戸健一、仲田力行、池田一生】

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