新幹線脱線:暴風雪の秋田で 乗客130人は無事

毎日新聞 2013年03月02日 19時13分(最終更新 03月03日 01時49分)

猛吹雪の中、脱線し停止した秋田新幹線。一番右の車両が脱線した先頭車両とみられる=秋田県大仙市で2013年3月2日午後7時29分、田原翔一撮影
猛吹雪の中、脱線し停止した秋田新幹線。一番右の車両が脱線した先頭車両とみられる=秋田県大仙市で2013年3月2日午後7時29分、田原翔一撮影

 2日午後4時5分ごろ、秋田県大仙市神宮寺のJR奥羽線神宮寺−刈和野駅間で、東京発秋田行き秋田新幹線こまち25号(6両編成)が脱線したと乗務員からJR秋田支社に連絡があった。車体は転覆しておらず、乗客約130人にけがはないが、2人が嘔吐(おうと)など気分の不調を訴え、病院に搬送された。同新幹線の脱線は在来線区間を含めて初めて。事故を受け国土交通省運輸安全委員会の鉄道事故調査官2人が3日未明、現地に到着し、事故原因の調査に乗り出した。

 同支社によると、車両の下から「ドン」と音がしたため、運転士がブレーキをかけて停車。外に出て確認したところ、現場付近には雪が積もり、先頭車両の進行方向右側の1軸目と2軸目の車輪が内側に脱線していた。左側の車輪の状況は不明。事故発生の6分前に在来線の奥羽線が現場を通過した際、異常はなかったという。同新幹線は盛岡−秋田駅間で上下線12本の運転を見合わせた。3日に再開できるかは未定。

 同支社によると、現場一帯の除雪は2月25日夜から26日朝にかけて実施。それ以降は走行できないような積雪は確認されず、除雪を行っていなかった。運行制限は最大瞬間風速20メートル以上で徐行、同25メートル以上で運転停止になるが、JRの風速計で基準超えはなかった。積雪についての基準はないという。脱線事故は在来線の直線区間で起き、当時は時速20キロに減速して運行していた。

 乗客の救出は猛吹雪のため難航し、秋田支社に設置された現地対策本部は、乗客に水と乾パンを配った。秋田駅に移送するためのバス3台に乗り換えるため、乗客が新幹線を降り始めたのは午後10時5分ごろ。乗客は先頭車両から外に出て、徒歩で約100メートル離れたバスに向かった。秋田駅には同11時40分ごろに到着した。同駅と反対方向に向かう乗客にはタクシーも用意された。

 2日は発達した低気圧が北海道を通過した影響で冬型の気圧配置が強まり、北日本で大荒れの天候だった。気象庁によると、最大瞬間風速は秋田市で26.0メートル、大仙市で23.0メートルを記録。秋田県ではこの日7地点で3月としては過去最大の瞬間風速になった。同日午後5時現在の積雪は、秋田市で平年比の5倍近い47センチ、大仙市に近い秋田市・大正寺で同2倍超の93センチとなっている。【小林洋子、田原翔一、池田一生】

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