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「生徒にお金を支払う学校」を作りたい

2013/03/03


今年の春から多摩大学で非常勤講師をやることもあり、教育について考えています。


生徒:教師=消費者:サービス提供者

方々でも語られていることですが、特に大学教育において、生徒が「消費者」化されてしまっている現状があると思います。

内田樹氏の書籍より引用。

前にある大学で「先生、現代思想を勉強するとどんないいことがあるのですか?」って訊かれたことがあります。見ず知らずの学生のくせに、僕に100%の説明責任があると思っているんですよ。

自分は腕組みして「商品説明聴いてやるよ」という態度なんです。「お前の説明が納得いったら現代思想勉強してやるけど、説明がつまんなかったり、オレにわかんない言葉とか使ってたら、勉強しないぜ」というわけです。ほんとに、そういう風に教師に訊くのが学生にとっての権利だと思っている。

ぼく自身しばしば大学でゲスト講義をしますが、なんというか、やるせなさを感じることもあったりします(基本的には、みなさんすばらしい受講態度ですが…)。


思うに、生徒が教師(学校)にお金を払ってしまっている時点で、関係性が崩れてしまうのでしょう。

これは、「消費社会化によって生徒が傲慢になってしまった」という単純な構造でありません。生徒からお金をもらっている以上、学校側も「サービス」の拡大を望み、教師もサービス精神を発揮してしまいます。こうした上下から掛かる圧力で、教育現場が市場化されていることを忘れてはいけません。


たとえばぼくが月謝10万円の「ライター塾」をやってしまえば、生徒よりも何より、教師であるぼくの側がサービス精神を旺盛に発揮してしまうでしょう。

生徒にサービスをするのは悪いことではないのですが、ぼくの方に高度なコントロール能力がなければ、生徒の自発的な学びを阻害してしまう恐れがあります。ぼくがサービスすればするほど、受講生は「この人は”全部”教えてくれる」という態度になってしまうわけですね。そんなことはできるわけはないのに。

で、十分な学びが得られなかったら「10万も払ったのに何も得られなかった!」とぼくが非難されると。それは微妙に「教育」をはき違えているような気がしてなりません。


教えたい側がお金を支払う学校

教えるというのは、教師側に大きなメリットがある行為です。

ぼくの場合でいえば、「ブロガー講座」を開き、生徒を育てることで、自分の考えも深まりますし、何より「門弟」たちが輩出されます。月日が経ち、門弟が活躍するようになれば、少なからずぼくにも恩恵が与えられるでしょう(「俺が育てた恩を忘れたか!」なんて師匠にはなりたくないですが)。

また、キレイゴトをいえば、せっかく知識と経験があるので、これを生かしてライティングや編集の能力を持った人材を世の中に増やしたいとも願っています。

再び内田樹氏。

やはり学校というのはまずは「教えたい」という人間がいて始まるものでしょうということでした。「習いたい」というニーズがあって、「それじゃあ学校を作りましょう」という順序で学校は作るものじゃない。まず教える人が出てきて、学校は始まる。すべての教育機関の起点にあるのは「教えたい」という強い意志だと思います。

そうなると、ぼくは「教える側がお金を払う学校」というのも、あっていいと思うのですね。先生が生徒にお金を払えば、生徒:先生=消費者:サービス提供者という図式も崩すことができますし。先生にはそれを行うだけのメリットがあります。


と、思ったら、同じことを考えている人はいるものです。村上隆氏「芸術闘争論」より。

評論家の竹熊健太郎さんは、京都精華大学でマンガを教えてらっしゃいますが、竹熊さんは、お金をあげる学校をやろうと思っている、といわれています。それはウォルト・ディズニーが創業してすぐに作り出した学校と同じだと言います。

給料をあげてその中で運営していく。今もピクサー・アニメーション・スタジオなんかにもありますよね。ピクサー・アカデミー。会社内に学校がある。それはぼくはありだと思います。

竹熊健太郎氏のサイトなどを調べてみましたが、まだ企画は動いていない様子。

となれば、一足早く実験です。「ノマド礼賛派は、誰かの「師匠」になるべきだ」でも書きましたが、まずは月5万円程度支払って、生徒をひとり獲得しようと思います。

石橋を叩いて渡る派なので、まずは小さくスタートです。メリットが大きいようなら、維持・拡大していきます。先日ある学生さんから連絡をいただいたので、現在面接?を調整しています。「ihayato.academy」なんて名前にしようかな。


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