永瀬正敏、進まない復興にいら立ち、行政への怒りを語る
- 映画.com
- 2013年03月02日16時20分
「リング」などのJホラーの旗手・中田秀夫監督によるドキュメンタリー映画「3.11後を生きる」の公開を記念し3月2日、中田監督と劇中に登場する岩手・山田町でタラ漁師をする五十嵐康裕氏、今回の取材を基に中田監督が作った短編映画で主演を務めた永瀬正敏が舞台挨拶に立った。
東日本大震災で家族5人を失った五十嵐さんをはじめ、震災後も生きていかねばならない人々の姿を描いた本作。中田監督は、本作の後に五十嵐さんを主人公のモデルに、宗教をテーマにした海外のオムニバス作品の一編「四苦八苦」を完成させた。
「震災後の日本から海外に向けて発信を」とテレビ局の依頼を受け、震災が発生して間もない5月に取材を開始した中田監督。小川紳介、佐藤真ら映像作家の先輩の名を挙げ、「存命していたら確実に現地に入ってドキュメンタリーを撮ってたと思う」と本作への強い思いを口にした。五十嵐さんに会った当初「つらい、悲しい、大変でしょうってことならオレはやらねえ」と言われたそうで「いまこれからをどうやって生きようとしているのかを聞きたいと伝え、『(船に)同乗させてください!』とお願いしました」と振り返る。
永瀬は、オファーがあった当初「果たして映画を作るのがいいことなのか?」と悩んだという。「前から『何かしなきゃ』と思っていたけど何をしていいか分からず、でも行動しないことがダメなことだと思っていた。そんな時に大槌町の青年からメールをもらい、『僕にできることがあれば』と返したら『映画にどんどん出てください。またこの街に映画館を作るので、そうしたら持ってきてください』と言われ、前に行く力をもらいました」と振り返る。撮影で被災地に入ったが、「目の前の光景が信じられなかった。レンタカーのナビは『300メートル先のコンビニを…』と言うけど、何もなかった」と明かした。
現在、山田町には仮設の商店街が1年から1年半限定で建てられているが、五十嵐さんは「建物は行政が作ってくれるけど、中(内装)は自分でやらないといけない。それで1年半で元が取れるのか? 何でこんなやり方をするのか不思議です」と語る。永瀬も仮設住宅の住民から家賃を取ろうとする行政の動きや、建築基準法の規定で復興が進まない現状に触れ「『え?』と思いました。日本には素晴らしい技術も建築家もいるし、街ごとに建築家に任せるといった方法を取ればいいのに」と遅々として進まない復興の現状への怒りをあらわにしていた。
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永瀬は、オファーがあった当初「果たして映画を作るのがいいことなのか?」と悩んだという。「前から『何かしなきゃ』と思っていたけど何をしていいか分からず、でも行動しないことがダメなことだと思っていた。そんな時に大槌町の青年からメールをもらい、『僕にできることがあれば』と返したら『映画にどんどん出てください。またこの街に映画館を作るので、そうしたら持ってきてください』と言われ、前に行く力をもらいました」と振り返る。撮影で被災地に入ったが、「目の前の光景が信じられなかった。レンタカーのナビは『300メートル先のコンビニを…』と言うけど、何もなかった」と明かした。
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