RAYMON『姉は僕に逆らえない』
イラストの原画は作画監督の門脇聡さんのも勿論好きですが、個人的には小林麻美さんと野田康行さんの方が好きですなぁ。あと、個人的に貴子先輩と秋葉君の掛け合いがちょっとあるのが嬉しいです。
さて本日は、RAYMON先生の『姉は僕に逆らえない』(富士美出版)のへたレビューです。成人マーク付きの前単行本『アネトリウス』(コアマガジン)のへたレビューもよろしければご参照下さい。今もそうですが、当時は駆け出しのレビュアーだったので文章の質が大変低くて赤面モノですが。
艶っぽいお姉さんとのラブラブエッチな短編群と狂気の愛に染まる二人の少女を描く中編作が楽しめる作品集です。
収録作は、イジメグループのリーダーである少女から歪んだ嗜虐愛を注がれるメガネ少女を描く中編「淫虐愛」全4話+中編とクロスオーバーする短編「彼女は僕に逆らえない」、および短編3作+描き下ろしフルカラー掌編「姉は僕らに逆らえない」(4P)。各作品の登場人物がコミカルに動き回るおまけ4コマ(2P)も楽しいです。
フルカラー掌編を除いて1話・作当りのページ数は18~24P(平均21P弱)とコミック桃姫らしい標準的なボリューム。方向性を問わずにスムーズなシナリオ展開とボリューミィなエロシーンが魅力であり、適度な読み応えが味わえます。
【軽妙な読み心地のコミカル系となかなかヘビィなダーク系】
タイトル中に“姉”とある通り、上述の中編作と主人公が妹と恋人の両手に華な短編「絶てぬ想い」を除けば姉×弟モノがメイン。
短編「最初の夜」と「彼女は僕に逆らえない」はそれぞれシリアス・ダーク寄りですが、基本はラブストーリーモノであり、姉弟の信頼関係がしっかり表現されている分、読み心地は良好。
どの作品においても登場人物の立場が逆転する構成が認められ、エロとシナリオの主導権を持つ人物が話の途中で移り変わることで、ストーリーに読み手の興味を惹く変化を生み出しています。
分量的に今単行本のメインとなっている中編作シリーズは、この立場の変化を上手く軸に据えたストーリーであり、序盤では大人しいメガネ少女・雛子に過酷な性的イジメを加えることで愛と愉悦を覚えるサディスティックな少女・夕子の歪んだ性愛を描きます。
短編作の弟君に「お姉ちゃん、愛って怖いね」と呟かせる物語ラストも心憎く、ダーク系の作品に関してやや説得力にかけることも時にあったネームセンスが、キャリア相応の上質さに磨かれてきた印象があるのは大変嬉しいです。
【たっぷりおっぱいをお持ちの綺麗なお姉さん達】
中編作の少女二人組と短編作の妹ちゃんを除けば、上述の通り実姉オンリーのヒロイン陣であり、表紙の帯の訴求文の通りに、爆乳で明るい性格の姉、腐女子で同人作家な姉、優等生で清楚な姉と、設定は様々ですが弟への慈しみの感情は概ね共通。
また、バストに負けず劣らず柔肉が詰まったお尻も大層魅力的で、それらを迫力豊かに見せ付ける大ゴマを頻繁に用いてきます。
初出が4年前の短編「絶てぬ想い」のみタッチは異なりますが、デジタル作画の魅力を存分に活かした繊細かつ華やかな絵柄は単行本を通して安定しており、髪の毛のキューティクルや柔肌の艶やかな光沢を強調する装飾性の高さが特長の一つ。
コミカル演出で見せる思い切りの良い表情の崩しやデフォルメキャラが、端正な画風と好対照になっており、よいアクセントとして機能しているのも面白いと思います。
【様々な質感の演出に秀でたエロシーン】
性行為とシナリオの進行を重ね合わせる構成の巧さもあり、高水準で仕上げられたエロシーンの分量はたっぷりとあって抜き物件としても大変頼もしいです。
濡れ場において少々風変りなセリフ回しが入ることもありますが、その辺りをあまり気にさせないアグレッシブなエロ作画は非常に扇情的であり、ガツガツとした肉体のぶつかり合いの迫力は大変魅力的。
パイパンなヒロインもいますが、陰毛の1本1本まで丁寧に描き込んだ股間の中心に据えられた秘所は淫臭放ちまくりで、エロ的に強烈なアピールポイントですが、プレイ内容的にはアナルファックがかなり多いです。
結構陰湿な凌辱モノやある種の寝取られ要素(ただし共に未遂)があったり、双頭ディルドーを用いたレズプレイがあったりとエロシチュの豊富さも良いと思います。
ただし、腐女子なお姉ちゃんがBLを実地体験すべく弟君のアナルをディルドーで犯したり、非道な中年男性教師が中編作のドS少女・夕子に拘束調教されたりと、男性側が蹂躙されてしまうシチュエーションもあって評価は結構分かれそうなことには一応留意されたし。
前戯パートが粘っこい描写になっている分、ピストン運動の分量がやや物足りないですが、1Pフル~見開きでがっつり描かれるフィニシュシーンは抜き所として大変頼もしいです。
『さらばおちんちん』(司書房)や『校内艶女交際』(コアマガジン)においてラブコメディ系でのストーリー構築力の高さを示していましたが、ダーク路線でもその実力を身につけたことを如実に示す単行本という印象です。
ほぼ全作お気に入りですが、ダーク調に駆け抜けた中編作とお馬鹿なノリが楽しい「腐女姉」が特にお気に入り。お勧め!
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