悪徳警官のおかげ? ロシア隕石撮影の裏事情

2013.2.24 10:38

落下した隕石の連続写真=15日、チェリャビンスク(AP)

落下した隕石の連続写真=15日、チェリャビンスク(AP)【拡大】

  • 15日、ロシア・チェリャビンスク州で撮影された隕石の航跡(AP)
  • 15日、ロシア・チェリャビンスク州に落下する隕石。ビデオ映像から取り出した(AP=共同)
  • 携帯電話のカメラで撮影された隕石の航跡雲=15日、ロシア・チェリャビンスク(AP)
  • 15日、ロシア・チェリャビンスク市で目撃された隕石(いんせき)とみられる落下物(AP)
  • 15日、ロシア・チェリャビンスク市で目撃された隕石(いんせき)とみられる落下物(AP)
  • 15日、ロシア南部チェリャビンスク州中部の湖で、隕石の落下でできたとみられる氷の穴(AP)

 ロシアのウラル地方を襲った隕石(いんせき)の落下・爆発では、住民が撮影した迫力満点の映像が世界を駆け巡った。携帯電話もさることながら、乗用車に搭載されたドライブレコーダーが、隕石の航跡を鮮明にとらえていて印象的だった。

 ロシアでは、ドライブレコーダーの普及がめざましい。報道によれば、昨年の売り上げは前年比5倍の130万~150万台と推計され、世界で最もドライブレコーダーが売れている国の一つなのだという。

 全般的な所得水準が決して高いとはいえないロシアで、なぜなのか。

 まずは事故の際に自らの正しさを証明するため。この点は先進諸国も同じだろうが、ロシアでは警察に対する不信が大変強い。警官も裁判官も、簡単に権力や賄賂になびく存在だと考えられているのだ。

 交通トラブルに起因する暴力沙汰が非常に多いことも背景にある。たとえば、野球のバットが自動車用品店で売られているのだが、これはバットをスポーツ用品でなく、路上での襲撃もしくは防御の道具だと認識しているからにほかならない。

 いずれにせよ、わが身を守るには「動かぬ証拠」が何より。隕石をとらえたドライブレコーダーは、ロシア社会に特有のギスギス感も映し出していよう。(遠藤良介)

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