吉祥寺強殺:逮捕の少年、数カ月間自宅戻らず
毎日新聞 2013年03月02日 15時00分
東京都武蔵野市吉祥寺本町2の路上で女性が刺殺された事件で、強盗殺人容疑で逮捕されたルーマニア国籍の少年(17)は数カ月前に都内の自宅を出たきり、母親(33)に連絡をしていなかった。知人らによると、ルーマニアから来日後、友人づくりに苦労したこともあったという。母親は1日夕、報道陣の取材に「亡くなった方、親のことを考えると申し訳ない。言葉が出ないです」と話した。
取材に応じた母親は疲れた様子で「胸がとても苦しいです。すいません」と言葉少なだった。少年と一緒に現場にいた、警視庁が行方を捜している日本人の少年(18)については「何も知りません」とだけ話した。
知人らによると、少年はルーマニア生まれ。ルーマニア出身の母親と来日し、武蔵野市内の中学校に通学。3年の運動会で100メートルを12秒5で走り、当時の学校記録を出した。卒業後、都立高校に進学したが2年の時に中退したという。知人女性は、少年が母親の経営するスナックの買い出しを手伝っていたことを覚えている。「よく荷物を運んであげていた」
ただ母親を知る男性によると、母親は最近になって家に寄りつかなくなった少年を心配し、警察に相談していた。男性は「1年くらい前から悪い友達とつきあい始めたようだ。事件も、一緒にいた友人になめられたくなくて衝動的にやったのではないか」とみる。警視庁によると、少年は事件について「だれでもよかった」「金がなくなったので強盗を考えた」などと供述しているという。【喜浦遊、松本惇、和田浩幸】