2011年12月29日
文部科学省は28日、2013年度の小中学生の全国学力調査で、家庭の経済状況を把握するアンケートを行うことを決めた。学力と家庭の豊かさの関係を調べ、格差をなくす対策を考えるのに生かす狙いだ。
所得の低い世帯に給食費や修学旅行費などを支援する「就学援助」を受けている子が多い学校は、学力調査の正答率が低い傾向があることが分かっている。
文科省の担当者は「家計と学力の関係を、学校単位よりも子ども一人ひとりのレベルできめ細かく分析することで、放課後の補習など教育格差を解消する指導法づくりに役立てたい」と説明している。13年度以降も続けるかどうかは結果をみて判断するという。
保護者の年収などを子どもに尋ねるのは難しく、「水泳やダンスのような学習塾以外の習い事をしているか」「自分の机を持っているか」といった間接的な質問をして探るという。
また、以前より学力が上がったのかどうかをつかめるよう、13年度からは毎回、基礎知識を問う同じ問題を盛り込む。1950〜60年代の学力テストの設問も候補になっているという。学力調査の設問は現在すべて公表されているが、共通問題は公表しない。
全国学力調査は小学6年と中学3年が対象で、現在は約3割を抽出して行われている。28日の専門家会議で、今後は数年に1度は全員調査とし、他の年は抽出方式で行うことが決まった。