特集ワイド:集団的自衛権行使 本当に国益にかなうのか 首相が意欲、憲法解釈の見直し

毎日新聞 2013年01月23日 東京夕刊

2011年の日米共同演習で、艦尾に星条旗を掲げた掃海艇と並んで着岸した海上自衛隊の艦船=鹿児島市の鹿児島港で、安達一成撮影
2011年の日米共同演習で、艦尾に星条旗を掲げた掃海艇と並んで着岸した海上自衛隊の艦船=鹿児島市の鹿児島港で、安達一成撮影

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 「集団的自衛権はそもそも米ソ両大国がそれぞれの勢力圏で起きた紛争に、安保理の承認抜きで武力介入するときの根拠とした概念」と内田さん。ハンガリー国民の蜂起をソ連軍が鎮圧したハンガリー動乱、米国のかいらい政権が倒れた革命後のニカラグアで反政府勢力コントラに行った米国の軍事援助−−これらは集団的自衛権として行使された例だ。「そもそも日本には、そこに反日政権ができたら自国の世界戦略が崩れるような『支配圏』というものがない。だから(集団的自衛権の行使容認は)国連の支持なしで米国が単独軍事行動をする際、国際社会が反対してもついていくための根拠づけに過ぎない。自国の国益よりも国際社会の意向よりも、米国の国益を優先させることが日本の国益を最大化することになる、という奇妙なロジックが僕にはさっぱり理解できません」

 他に隔絶した軍事力を持つ米国の「助っ人」を買って出て得るメリットは何だろう。内田さんは言う。「(米国で対日政策を立案する)ジャパン・ハンドラーたちが『米国の若者の代わりに外国人兵士に米国のために血を流してもらいたい』と考えるのは、利己的ではあれ、ある意味では合理的な判断です。でも、それが米国民の総意だとは思わないし、そうやって米国にへつらう日本に対して彼らが敬意を抱くとも思いません」

 本来「同盟」とは、国益を達成するための手段のはず。現在の議論は、それが自己目的化しているように映る。

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