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石川のニュース 【2月28日02時26分更新】
後継ぎ求め、高齢農家が張り紙 「米作って」能美のスーパーに
この夫婦によると、夫は当初、会社勤めをしている兼業農家だった。約10年前に専業 農家となってからは、所有する田んぼに加え、耕作放棄地も借りて面積を拡大。現在は能 美市内でも比較的大規模の約5ヘクタールで米を作っている。 夫婦には農業を継いでくれる子どもがおらず、加齢による体力の衰えもあり、約5年前 から自分たちで後継ぎ探しを始めた。ほかの農家や石川県の担当課を訪ねるなどしたが、 見つからなかった。 「考えられる全ての手段で探してきた」と言う夫婦は今月上旬、わらをもつかむ思いで 、小松、能美市のスーパーや銭湯など10店舗ほどに後継者を求める紙を張った。さらに 手書きの募集チラシを民家のポストに入れて回った。 JA能美によると、一般的に耕作者がいない農地は、所有者から相談があれば、地元の 生産組合などと相談して営農者を探すという。しかし夫婦は、後継ぎには単に米作りをし てもらうだけでなく、先祖代々の田んぼを末永く受け継いでもらうため、同居を含め家族 同然の付き合いができる人を希望している。これまでに張り紙やチラシを見た人から数件 の問い合わせがあったが、まだ後継ぎは決まっていない。 夫婦は「未経験者でも大丈夫。農機具はそろっているし、米作りも教える。できれば3 0〜40代前半までの意欲がある子ども連れの夫婦に来てほしい」と話している。 県によると、2005(平成17)年に県内に2万2741あった農業経営体(農家と 法人組織)は、5年後の10年には約5千減の1万7669に落ち込んだ。農業者の平均 年齢は67・6歳で、5年前から3・3歳上昇。またこの5年間で耕作放棄地は132ヘ クタールに増えており、県内でも農業の高齢化と若手不足が進んでいる。
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