武器輸出三原則:F35部品「例外」を容認 官房長官談話を決定
毎日新聞 2013年03月01日 西部夕刊
政府は1日午前の安全保障会議で、航空自衛隊の次期主力戦闘機F35に使われる日本製部品の輸出を武器輸出三原則の例外として認める菅義偉官房長官談話を決定した。
菅氏は同日の記者会見で発表。日本製部品が組み込まれたF35がイスラエルへ輸出されれば三原則の理念と矛盾しかねないとの見方について「米国の一元的な管理の下、国連憲章の目的と原則に従う国にのみ移転を制限し、厳格な管理が確保される」と否定した。
菅氏はF35について「世界規模で部品を融通し合う国際的な後方支援システムが採用される。日本が参加することで、必要な時に部品などの供給を受け、迅速な整備が可能になる」と述べ、日本が共同生産の枠組みに入る必要性を強調した。
公明党の井上義久幹事長は記者会見で「国際生産システムへの参加は認めるべきだ」と容認する考えを示した。
三原則をめぐっては野田政権が11年12月、部品輸出などの判断基準を設定する官房長官談話で事実上緩和していた。今回、新たな談話を出したことについて、菅氏は関係国によるF35の後方支援システムが当時は想定されていなかったと説明。小野寺五典防衛相は記者会見で「今回の談話はF35に限ったものだ」と強調した。【青木純】