先日の「日本の大学生はなぜ勉強しないのか」というエントリーには、賛否両論、数多くの意見をいただいた。その中のでも、旧来型の日本人の考え方を表す典型的な例がこのコメントだ。
「大学のとき、周囲には真面目に勉強している人も結構いたけど、えてして勉強せずにサークル・飲み会etcで普通の大学生していた人のほうが大企業入って出世していて、勉強していた人にはレールから外れて苦労している人が多い。社会に出てから、なるほど人付き合いや飲み会は勉強よりも重要だったんだな、と遅まきながら気がついた。日本て、皆がやっていることをその流れに乗って同じようにできる人が求められている社会で、なまじ大学の図書館にこもって勉強ばかりしている異質な大学生は社会に出た後レールから外れる傾向にあるのだと思う。」
欧米に追いつくことだけを考えれば良かったころは、創造性よりも調整能力、専門性よりも汎用性、知恵や知識よりもコミュニケーション能力が重視された。高度成長期に学校・社会がそんな「ゼネラリスト」を育み、優遇するように作られて来たのは当然の結果である。このコメントにある通り、「ちゃんと予習をして来る、教室の前の方に座る、質問で授業を長引かせる」ような連中は「異質」であり、「皆がやっていることをその流れに乗って同じようにできる人」が重宝されて来た。
しかし、今の時代はもう違う。これからは、「正解が決まった問題をすばやく解ける」ゼネラリストではなく、「誰も解こうともしなかった新しい問題を自ら見つけ出して正解を探す」イノベーターが必要なのだ。
「出る杭は打たれる」「空気を読め」「長い物には巻かれろ」という言葉に萎縮し、「皆がやっていることをその流れに乗って同じようにできる人」ばかりの国には未来はない。
イノベーションには、人と違うことを失敗を恐れずに出来る「出る杭」が必須だ。「そんなもの誰も使わないよ」「そんなもの誰も作ってないよ」「絶対儲かるわけないよ」と回りの人に批判されても、信念を持って、何度失敗してもへこたれずに前に進み続けることの出来るガッツが必要だ。
この件に関して、Dave McClure が日本人のために素晴らしいメッセージを熱く語ってくれているので、ぜひとも下のビデオを見ていただきたい。特に冒頭の4分目〜6分目あたりが良いので時間のない人はそこだけでも見て欲しい。
あわせて読みたい記事
話題の記事をみる - livedoor トップページ
意見
2012年06月18日 ガイドラインを変更しました。