東日本大震災:「福島」と「水俣」意見交換 原発告訴団が報告集会−−熊本市 /熊本
毎日新聞 2013年02月21日 地方版
福島原発事故の刑事責任を問うため東京電力幹部らを集団告訴している福島原発告訴団(事務局・福島県田村市)の報告集会がこのほど、熊本市の森都心プラザであった。水俣病被害者互助会の裁判原告や支援者ら計約30人が参加し、水俣と福島の課題について意見を交わした。
告訴団団長の武藤類子さんは原発事故に伴う子どもたちの甲状腺がんなどの不安や、福島県による避難住民の帰還方針の問題点を挙げたうえで「九州には水俣病をはじめ公害と取り組んだ歴史がある。皆さんとつながりながら闘っていきたい」と述べた。
水俣病被害者互助会の谷洋一事務局長は、「水俣で国は最後まで水銀汚染魚の漁獲を禁止せず市民が魚を食べ続けた」と行政の対応が被害を拡大したと指摘。「福島で同じ事を起こしてはならない」と語った。
告訴団は現在1万4000人以上。昨年6月以降、福島地検に事故当時の東電の経営陣などを告訴・告発している。【西貴晴】