2月26日のWBC日本代表戦の守りで伊藤隼と激突した上本(手前)。左足首を痛め、開幕絶望となった【拡大】
あまりに口惜しい。今、もっとも元気ある若虎が開幕絶望となった。上本が大阪府内の病院で検査を受け、左足の前距腓じん帯損傷と診断された。
症状を発表した杉本チーフトレーナーは「全治は言えない」としたが、報告を受けた久慈内野守備走塁コーチからは緊迫感がにじんだ。
「1番の武器である足だから、しっかりと治さないといけない。開幕はいないものと思って準備していくしかない。痛いよ…」
上本は2月26日のWBC日本代表戦(京セラD)で、左飛を追って左翼の伊藤隼と衝突。試合中に病院へと搬送され、右まぶたと右目下を、それぞれ2針ずつ縫う裂傷を負っていた。
だが、重傷だったのは、激突の際に踏まれる形となった左足首だった。昨季はチーム3位となる13個の盗塁を記録するなど俊足を売りとする上本にとって、まさに生命線。沖縄・宜野座キャンプからは実戦9試合すべて1番で出場し、打率・306とハイアベレージをマークしていた。積極果敢な走塁でもアピールし、新加入の西岡から「二塁」を奪い返す勢いを見せていた矢先のアクシデントだった。
「走塁革命」を掲げる和田監督にとっては明らかな誤算。将は「ちょっと心配だね。(完治に)時間がかかりそうやな」と表情を曇らせた。
上本はう1日まで安静にし、2日からリハビリを開始する見通し。3月29日の開幕戦(ヤクルト戦・神宮)まで1カ月を切った状況で大きすぎる戦力ダウンとなってしまった。
★隼太は問題なし
上本と衝突し「顎(がく)関節打撲」と診断されていた阪神・伊藤隼は右頬付近に傷が残っていたが28日、甲子園でフルメニューをこなした。「問題ないです。違和感は多少あるが、見ての通り(大丈夫)です。試合? 僕が決めることではないが、出るつもりでいます」。1日からの高知遠征にも帯同予定になっている。
(紙面から)