「ねえ、お兄ちゃん。わたしたちの夢、ぜったい叶えようね」
そう言って、妹が僕の隣で幸せそうに微笑む。
肌を刺す冬空の下。息は白く、だけど寄り添う僕らは、くすぐったいくらいに温かくて。
今日も僕たちは、昨日の続きのように明日を語り、二人の夢を紡いでいく。
それは、まるでオママゴトみたいな子供の夢で。
だけど、僕らにとっては何よりも大切な、かけがいのない夢。
‘‘脚本家の兄に女優の妹。今はまだ雛のような二人だけど、
いつか世界で一番素敵な作品を作りたい’’
そんな夢を絆に、僕たちは共に育った。
そんな絆を胸に、僕と妹は共に歩んできた。
そうして。
気がつけば……遠かった夢は、夢じゃない所まで近づいていて。
気がつけば……僕は、僕の妹に恋をしていた。
昨日の続きのような幸せな今日。今日の続きのような幸福な明日。
そんな幸せがずっと続くと思っていた。
ずっとずっと、続くと思っていた───