憂楽帳:ネット選挙
毎日新聞 2013年03月01日 12時13分
ネット選挙が7月の参院選から解禁されそうだ。普段は政党も政治家もホームページや電子メールで情報を発信しながら、選挙期間に限って禁止されてきた。解禁によって何が変わるのだろうか。昨年12月の韓国大統領選について、ソフトバンク社長室長の嶋聡さんがまとめたリポートが興味深い。
ネット選挙先進国の韓国では、中高年層にもスマートフォンが普及している。ソーシャルメディアを通じて中高年層の間に朴槿恵氏を支持する動きが広がり、朴氏が僅差で当選する原動力になったという分析だ。
日本でネット選挙の解禁が遅れたのはネットを使いこなす若い世代の発信力を時の与党が恐れたからだ。若者は変革を求める傾向が強く、選挙で野党が有利になるという一方的な思い込みが背景にある。「18歳選挙権」がなかなか実現しない一因にもなっている。
「だから今の政治は民意を表していない」と語る嶋さんは、与党を経験しないまま転身した元民主党衆院議員。案の定、ベテラン参院議員から反対の合唱が聞こえてきた。【平田崇浩】