久々の「緊急地震速報」で、不安を感じた人も多いだろう。
２５日、午後４時２３分ごろ、栃木県日光市で震度５強を観測した。震源は栃木県北部で、深さは１０キロ。Ｍ６．２の大きな地震だった。那須塩原市や群馬県沼田市では震度４、関東と新潟で震度３の揺れが起きた。
３・１１の余震はいまだおさまる気配がない。震度５以上は少なくなったものの、茨城や福島、千葉を震源とする余震は珍しくないから、いつもなら「また余震か」と思うのだが、今回は栃木北部で震度５強。“なじみのない”場所での大きな揺れだけに、何を意味しているのか気になる。東北大学災害科学国際研究所・遠田晋次氏がこう説明する。
「栃木県北部は、３・１１によって地震活動が活発化した地域です。これまであまり地震のなかった地域が、３・１１によって地震が活発化するケースは少なくない。福島県浜通りも同様です。また、３・１１後は、今回のような断層型の横ずれ地震が増えています。広い意味で、誘発地震と考えられます」
新たな大地震の前兆ではなく、３・１１の余震ということだ。しかし、この余波が震災後２年も経つのに続いている。日本列島はいまだに不安定だという証しで、油断はできない。
（日刊ゲンダイ2013年2月26日掲載）