August 18, 2007

戦国自衛隊(79年版)

いよいよお盆休みも終わろうという頃、ようやくこれも録画を観ることが出来た…以前から気になっていた初映像化バージョン。
今年の大河ドラマでの千葉氏の活躍と引退宣言もあって、一度じっくり観てみたかったのだ・・ありがとう、日本映画専門チャンネル。

正直、観ていて「きついなぁ」というドン引き展開や画面もかなり多かったものの、「こういう話だったのか…」と見届けられたことに満足した。
今年の大河にはまっていなかったら、途中で止めていたかもしれないが…
ハナから「オンナコドモが観るなんて想定してませんよ」な作りの一般公開映画が製作されていた時代だったんだろうな。

「自衛隊がタイムスリップして戦国時代に出現してしまったら…」というこのシチュエーション、最新リメイク・TVの反町版は関が原直前で藤原竜也扮する小早川秀秋と交流し、主人公と袂を別った渡部篤郎は石田三成に成り代わっていた。ラストは唯一生き残り現代に生還したサトエリ隊員がさ迷い歩く不条理なエンディング。
映画版リメイク・1549の江口版は過去に飛ばされた自衛隊員・鹿賀丈史が信長に成り代わり歴史の歯車を狂わせているのを止めに行く話で、道中江口たちと係わった少年・中尾明慶を秀吉に、鹿賀と入れ替わりに現代に飛ばされたお侍・北村一輝を信長にセッティングすることで歴史の修正ミッション完了!犠牲を出しつつもメインキャストは無事現代に生還、というハッピーエンドだった。

今世紀になってから作られたこのリメイク2つに比べたら、79年版はそれはもうえぐい描写だらけなのは仕方なかろう、と腹をくくって頑張って最後まで見届けた。

時代的にはリメイク2作よりももう少し前。
なんといっても、あの板垣様こと千葉真一がおやかた様・武田信玄の首をとってしまうお話なのだから凄まじい。

訳の判らないまま昭和の時代から戦国時代に飛ばされて来た自衛隊員たちに接触して来たのは、長尾景虎。演じるのはあの富豪刑事のおじいさま・夏八木勲で、当然Gackt景虎とは似ても似つかない豪快なおっさん武将っぷりがお茶目。
千葉ちゃん扮する伊庭隊長とすっかり意気投合し、露天風呂ならぬ海辺の岩場で満面の笑みを湛えた二人がふんどし姿で熱く語り合ってしまうシーンは何か、ヤクザもの映画とかの系譜だったんだろうか…?

とにかくこの景虎は野心ギラギラで、伊庭は本能の欲するままにこの時代で共に天下獲りを目指すことを決意。
そうして武田軍と対峙した自衛隊は、近代兵器なのにどんどんやられていく。これって自衛隊が弱すぎるのか武田軍が強すぎるのか…とにかく、ボロボロになりながらも千葉ちゃんがなんとか本陣までたどり着き、信玄と一騎打ち。一騎打ちといっても最後はだまし討ちでピストルでケリをつけ、信玄の首をとる千葉ちゃん。。。
この時の伊庭隊長というか、千葉ちゃんの表情が本当に嬉しそうなのだ。甚大な味方の犠牲と苦闘の末、敵大将を討ち取った異常な興奮状態とかカタルシスとかではなくて、単純にものすごく嬉しそうな笑顔に見えたのは、この映画の製作意図に嵌められているということなんだろうか。

それはともかく、この勝ち方で得意満面に「討ち取ったりっ!」って偉そうに言っててもいいんだろうか。得意げに首振りかざしてるときに弓で狙われる、とかは絶対なし?
友軍の景虎は、こんな卑怯千万な勝ち方でも見捨てたりしないの?
まあ、そもそも「大将首さえとっちゃえば勝ち」なんだったら、どうして最初っからヘリで本陣を狙わないんだろう…

その後の経過が良く判らないうちに、朝廷?に睨まれたんだかなんだかで結局、自衛隊の生き残り達を殲滅したのは景虎だった。
「相手の本拠地を攻めて討ち取ったら家ごと全部燃やす」のがこの時代の礼の尽くし方なんだろうか、ごうごうと隊員たちの屍もろともお寺が燃えて、特にその後の説明も何もなくお終い。
彼らの存在はなかったという事で歴史に影響もありませんよ、チャンチャン。 ということらしい。

この映画はきっと「世の男の子達が好む要素をいろいろてんこ盛りにした娯楽大作」として成功しているんだろう。確か一人、この時代に帰農した隊員がいたけど彼はどうなったんだろう?…というのが気にはなるけれど、タイムパラドックスものとしていろいろオチをつけにいった1549や、一人だけ現代に生還した隊員が悟りを開いてしまったり、妻子にネームタグとかが届いたりするTV版よりもずっと破天荒さ故に成功しているようだ。

引退宣言された千葉さん、良い仕事なさってたんですね。




Posted by sturm_und_drang at 22:23  |Comments(1)TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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イエローキャブの看板タレント サトエリこと佐藤江梨子ちゃんのファンブログ
破局。そしてこれから・・・【Nice Proportionのキューティハニー 佐藤江梨子】 at August 22, 2007 00:17
この記事へのコメント
きょうkuruと、話しなかった。
でも、きのうkuruと、退職すればよかった?
だけど、kuruと、シリーズを後悔するつもりだった?
Posted by BlogPetのKlaus at August 24, 2007 09:03
 
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