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没シナリオ[ティーエ・セネト編]
/仮面の男
…という訳だ。王女を助けたければ私が案内するがどうだ?
/テムジン
簡単には信じられぬな
おまえがイストリアの回し者でないとどうして言える
地下牢への隠し通路があるとしても、
よほどの地位にある者でなければ知ることはかなわぬはずだ
まずは正体を明らかにせよ
そうでなければおまえの話を信じる訳にはいかぬ
/仮面の男
ならばこれまでだな
イストリアのギュネス王はグエン教皇の要求に屈し
王女をガーゼル教国に引き渡すことを決めた
おそらく来週にも実行されるだろう
そうなればもはや奪回は不可能だ
ガーゼルの狂信者どもによって魔獣の巣に叩き込まれるか
教皇の呪術によって精気を奪い取られるのか
いずれにしても暗黒神復活の生贄とされるのは間違いあるまい
/テムジン
ティーエ王女の動向には我らも気を配ってきた
ギュネス大公…いや、今では王を自称しているのだったな
奴は7年前、両親を亡くした王女を保護するという名目で
トレンテ公家の臣下たちが反対するのもかまわず
半ば強奪するかのように王女を連れ去った
そして王女が成人するまでの仮の措置だとして
トレンテ公領に兵を送り込み我が物としてしまったのだ
それ以来、イストリアにより過酷な支配が続いている
トレンテの住民たちが血の涙を流しつつ
それでもなお圧政に耐えているのは
いずれ王女が成人し、トレンテ公国に帰ってきてくれると
信じているからだ
自分達が耐えなければ、王女に危害が及ぶと
恐れているからだ
それほどにティーエ王女は愛されている
もし王女がグエンの手に落ちたとなれば
トレンテ市民は一斉に反乱ののろしを上げるだろう
ギュネスほどの男がそんな愚を犯すとは
とても信じられぬな
/仮面の男
理由は簡単だ
ギュネス王は滅亡したレダ帝国に代わり
自らが新しい帝国の創始者になろうと企んでいる
そのためにはグエンの機嫌を取り持っておかねばならぬ
王女の利用価値はまだまだあろうが、
背に腹は変えられぬというわけだ
/テムジン
………
/仮面の男
それにトレンテの戦力などもはや無いに等しい
かっては解放戦争の中心勢力としてレリエース王女の下に
強力な神官戦士団を擁していたが、
ガーゼルとの戦いで消耗した上に
ギュネス王の支配下でその生き残りも1人残らず粛清された
それに比べてイストリアの軍備拡張は目を見張るばかりだ
たとえトレンテの公国の民が全て武器を取ったとしても
何ら脅威にならぬであろう
伝説の勇者たるテムジン王に
わざわざ説明することでもあるまいが
/テムジン
うむ…
だがティーエ王女は若年とは言え、
聡明な娘だと聞いておる
ギュネスの意のままになるとは思えぬが…
/仮面の男
彼女もまさかガーゼルに送られるとは思っていなかったようだな
そのことを知った後は何度が自害を試みたようだ
故に今は、王宮の地下牢入れられ手足を鎖に繋がれている
グエンに引き渡すまでは死なれては困るという王の判断だ
/セネト
テムジン王!!
/テムジン
セネト、黙っていよ
おまえが口をはさむことではない
/セネト
いえ、言わせていただきます!
この者が誰かは分かりませんが
申していることは真実です!
/テムジン
どうしておまえにわかる?
/セネト
ネイファ、王に申し上げてくれ
昨夜、おまえが見た夢のことを!
/ネイファ
あ…はい…
昨夜、夢の中で、鎖に繋がれているティーエ様を見ました
とても悲しそうで…哀れでした…
おじい様、お願いです
どうかティーエ様をお救いください!
/テムジン
どうしておまえに王女だと分かる?
おまえがトレンテ北神殿に学んでいたのは
7歳か8歳の幼き頃であろう。大人になったティーエ王女を
見知っているはずもあるまいに…
/ネイファ
いえ、あの方はティーエ様でした
おじい様
私にはわかるのです!
/テムジン
ふむ…ネイファにそれほどの確信があるのなら
信じる他あるまいな…
/セネト
テムジン王、今度こそお許しいただけますね
ぼくはティーエの救出に向かいます!
/テムジン
かくなる上はやむおえぬな
だがおまえ一人では行かせぬ
カティナよ
腕利きのものを選び軍を編成せよ
/カティナ
はい、ただちに!
/テムジン
サムソンはわしが留守の間エリアルを守ってくれ
わしの代わりが務まるのはおまえしかおらぬ
/テムジン
はっ、王のご命令とあらば…
/テムジン
セネト、準備できしだいただちに出撃するぞ
/セネト
はい!!
(ティーエ、待っていてくれ!、ぼくが…ぼくが必ず
>>>
TS1ではボリュームの問題でティーエ・セネトに関するシナリオ(MAP)を大幅にカットしました。
これはその没シナリオの一部でセネト・ティーエ編の導入部にあたります。
…という訳だ。王女を助けたければ私が案内するがどうだ?
/テムジン
簡単には信じられぬな
おまえがイストリアの回し者でないとどうして言える
地下牢への隠し通路があるとしても、
よほどの地位にある者でなければ知ることはかなわぬはずだ
まずは正体を明らかにせよ
そうでなければおまえの話を信じる訳にはいかぬ
/仮面の男
ならばこれまでだな
イストリアのギュネス王はグエン教皇の要求に屈し
王女をガーゼル教国に引き渡すことを決めた
おそらく来週にも実行されるだろう
そうなればもはや奪回は不可能だ
ガーゼルの狂信者どもによって魔獣の巣に叩き込まれるか
教皇の呪術によって精気を奪い取られるのか
いずれにしても暗黒神復活の生贄とされるのは間違いあるまい
/テムジン
ティーエ王女の動向には我らも気を配ってきた
ギュネス大公…いや、今では王を自称しているのだったな
奴は7年前、両親を亡くした王女を保護するという名目で
トレンテ公家の臣下たちが反対するのもかまわず
半ば強奪するかのように王女を連れ去った
そして王女が成人するまでの仮の措置だとして
トレンテ公領に兵を送り込み我が物としてしまったのだ
それ以来、イストリアにより過酷な支配が続いている
トレンテの住民たちが血の涙を流しつつ
それでもなお圧政に耐えているのは
いずれ王女が成人し、トレンテ公国に帰ってきてくれると
信じているからだ
自分達が耐えなければ、王女に危害が及ぶと
恐れているからだ
それほどにティーエ王女は愛されている
もし王女がグエンの手に落ちたとなれば
トレンテ市民は一斉に反乱ののろしを上げるだろう
ギュネスほどの男がそんな愚を犯すとは
とても信じられぬな
/仮面の男
理由は簡単だ
ギュネス王は滅亡したレダ帝国に代わり
自らが新しい帝国の創始者になろうと企んでいる
そのためにはグエンの機嫌を取り持っておかねばならぬ
王女の利用価値はまだまだあろうが、
背に腹は変えられぬというわけだ
/テムジン
………
/仮面の男
それにトレンテの戦力などもはや無いに等しい
かっては解放戦争の中心勢力としてレリエース王女の下に
強力な神官戦士団を擁していたが、
ガーゼルとの戦いで消耗した上に
ギュネス王の支配下でその生き残りも1人残らず粛清された
それに比べてイストリアの軍備拡張は目を見張るばかりだ
たとえトレンテの公国の民が全て武器を取ったとしても
何ら脅威にならぬであろう
伝説の勇者たるテムジン王に
わざわざ説明することでもあるまいが
/テムジン
うむ…
だがティーエ王女は若年とは言え、
聡明な娘だと聞いておる
ギュネスの意のままになるとは思えぬが…
/仮面の男
彼女もまさかガーゼルに送られるとは思っていなかったようだな
そのことを知った後は何度が自害を試みたようだ
故に今は、王宮の地下牢入れられ手足を鎖に繋がれている
グエンに引き渡すまでは死なれては困るという王の判断だ
/セネト
テムジン王!!
/テムジン
セネト、黙っていよ
おまえが口をはさむことではない
/セネト
いえ、言わせていただきます!
この者が誰かは分かりませんが
申していることは真実です!
/テムジン
どうしておまえにわかる?
/セネト
ネイファ、王に申し上げてくれ
昨夜、おまえが見た夢のことを!
/ネイファ
あ…はい…
昨夜、夢の中で、鎖に繋がれているティーエ様を見ました
とても悲しそうで…哀れでした…
おじい様、お願いです
どうかティーエ様をお救いください!
/テムジン
どうしておまえに王女だと分かる?
おまえがトレンテ北神殿に学んでいたのは
7歳か8歳の幼き頃であろう。大人になったティーエ王女を
見知っているはずもあるまいに…
/ネイファ
いえ、あの方はティーエ様でした
おじい様
私にはわかるのです!
/テムジン
ふむ…ネイファにそれほどの確信があるのなら
信じる他あるまいな…
/セネト
テムジン王、今度こそお許しいただけますね
ぼくはティーエの救出に向かいます!
/テムジン
かくなる上はやむおえぬな
だがおまえ一人では行かせぬ
カティナよ
腕利きのものを選び軍を編成せよ
/カティナ
はい、ただちに!
/テムジン
サムソンはわしが留守の間エリアルを守ってくれ
わしの代わりが務まるのはおまえしかおらぬ
/テムジン
はっ、王のご命令とあらば…
/テムジン
セネト、準備できしだいただちに出撃するぞ
/セネト
はい!!
(ティーエ、待っていてくれ!、ぼくが…ぼくが必ず
>>>
TS1ではボリュームの問題でティーエ・セネトに関するシナリオ(MAP)を大幅にカットしました。
これはその没シナリオの一部でセネト・ティーエ編の導入部にあたります。
没シナリオ[ts2map1]
MAP1
ナレーション
(黒バック)
グエンカオスの死とともにガーゼル教国は瓦解した
戦士たちは、戦いに散った者たちへの思いを胸に
それぞれの祖国へと散っていった
(大陸マップ)
大陸北東部--カナン連合王国
かつては<雄々しき風の国>とうたわれ
大陸でも屈指の軍事力を誇ったこの国も
今では国王と3人の王子を失い
多くの若者達が帰らぬ人となった
それゆえに残された人々の平和への願いは強く
彼らは帰国したセネト王子(顔)に王位継承を求め
ユトナ暦837年5月5日、セネト王子は
バハヌーク国王死去の後空位であった
第54代カナン国王の位に就いたのである
彼はいまだ17歳という若い国王であったが
叔母であるレシエ大公女(顔)が宰相となり
また有能な二人の臣下(セオドラ・シルバの顔)の補佐を得て
新生カナン王国は着実に復興の道を歩み始めていた---
人々から<清らかな水の国>とうたわれる
大陸南東部のリーヴェ王国では
戦勝に功のあったラゼリア公爵リュナンが
王族直系でただ1人生き残ったメーヴェ王女と
結ばれ、第43代リーヴェ王として即位した
だが貴族制度が社会の根底にまで根付き
全てを貴族的価値観で判断するリーヴェ王国で
良血とはいえないラゼリア公爵の
王位継承には異論も多く
また彼の革新的な政策を嫌う
門閥貴族たちの反乱も相次ぎ、
リーヴェ王国は戦後半年を経ても
いまだ平穏とは言えぬ状況にあった--
大陸中央部、サリア王国--
<美しき草原の国>と冠されるこの国では
レオニダス国王?の病が癒えて
サリア新城の玉座に復帰し
宰相となったレオンハートと
クラリス神官長の補佐の下
各地の封建領主たちとともに
団結して国土の復興に努めつつあった
すべては順調であったが
王国にとってただひとつ気がかりなことは
老齢の国王に世継ぎが決まっていないことである
世論としては義理の弟になるレオンハート公を
押す声が強いが外戚による王位継承には問題もあり
何よりもレオンハート公自身が
ユトナ法典が定める王位継承のルールを尊重して
将来はマリア王女の子供(男子)が王位を継承すべきであり
もし一時的にでも王位が空位になるなら
マリア王女の配偶者を仮王とすべきで
自分が王となるような外戚継承は
サリア王国に悪しき前例を残し
断じて容認できないと述べていることである
だが渦中のマリア王女はいまだ16歳であり
花婿候補の筆頭であるグラナダ公爵の子息は
家柄・知性・品行の点で依然反対の声が根強い--
が、ともあれサリア王国に大過は無く
まずは平穏と言える状況にある---
<大陸map>
大陸の北東部を占めるレダ王国でも
荒廃した国土の復興に取り組んでいたが
他の3国が順調に復興する中で
なぜかレダだけは天災や疫病が止まず、
戦後半年を経過しても
多くの国民が飢えと病に苦しんでいた
「これは恨みを残して死んだグエン教皇の呪いに違いない
教皇は暗黒神となってレダ王国に復讐しているのだ」
いつの頃からかそんな噂が広まり、絶望した人々は
田畑を捨てて逃亡し、山賊・海賊に落ちる者まで現れた
治安が悪化し、王国各地で暴動や紛争が発生
そんな中、トレンテの仮王宮ではレダの有力諸侯らが集まって
連日のように対策会議が開かれていたのだが—-
<王宮背景>
【マール王リチャード】
アブサロム王、何度も言っていることだが、
貴国の難民がわが国に流入し
住民との間でトラブルを引き起こしている
早急に対策を講じられぬようなら
我々としても断固たる処置を取るしかないが
いったいどうするおつもりか?
【サマリア王アブサロム】
まことに残念なことだが
わがサマリア王国の少なからぬ民が
グエンカオスの呪いを恐れて
他国へ逃れようとしていることは事実だ
だがマール国王リチャードよ
商業国である貴国とは違い
わが国民はほとんどが貧しい農民
大地が乾けば生きてはいけぬ
わしとて悲しく思うが、今の状況では
彼らの逃亡を阻止することはできぬ
貴国は陸海共に交通の要所にあり
難民が流入するのは当然の理、
それを力ずくで追い返そうとする
貴国の側にこそ問題があるのではないか?
【マール王リチャード】
難民の中には徒党を組んで
周辺の村々を襲う者もいる
わがマール国民がサマリア難民を
夜盗のごとく恐れるのは当然であろう
貴国がこのまま放置するつもりなら
われらは国境を閉鎖してでも
自衛の策をとらねばならぬ
【サマリア王アブサロム】
ならばリチャード国王は
レダの盟約を一方的に破られるおつもりか?
一年前、イストリアのギュネス王を倒し
レダの解放が成ったとき
われらレダ7国の諸侯は王女殿下に忠誠を誓い
互いに助け合うべく盟約を記した
領民の自由通行もそのときに定められたはずだ
それを貴公は反故にするというのか?
【マール王リチャード】
状況が状況だから仕方あるまい
マール国民の我慢も限界に来ている
このまま放置すれば
大規模な騒乱が起こり
多くの血が流されるだろう
盟約を破るつもりは無いが
俺も一国の王だ、民は守らねばならぬ
【サマリア王アブサロム】
貴国が国境を封鎖すれば
サマリアでは多くの餓死者が出る
リチャード王は自国民さえ助かれば
それでよいとのお考えか?
【マール王リチャード】
どちらかひとつを選べというなら
そういうことだ
【サマリア王アブサロム】
ならばわれらも
そう考えることにしょう
国境を閉ざすと言うなら
力ずくでも破ってみせる
【マール王リチャード】
ほう
アブサロム王はわが国を
侵略するおつもりか?
【サマリア王アブサロム】
そのようなつもりは無いが
一方的に死ねと言われて
黙っているわけにもいかぬ
【マール王リチャード】
ならば我らも相手をするまでだ
サマリアの田舎兵など
わが騎士団の敵ではあるまいが
【イストリア王ロナウド】
待たれよ、お二人とも!
貴公らは自国の利害にとらわれて
ティーエ様への忠誠を忘れたのか?
今は一致団結してこの危機から
王国と民を守る時であるのに
貴公らはレダの重臣として
恥ずかしいとは思わないのか!
【サマリア王アブサロム】
む……
ロナウド王の言われるとおりだ
申しわけありませぬ、ティーエ様…
老臣が過ち、伏してお詫びいたします
【マール王リチャード】
……
俺も少々感情的になりすぎた
だがロナウド
危機的状況なのは貴様の
イストリアとて同じだろう
【イストリア王ロナウド】
そうだ…
今のところは昨年の蓄えで食いつないでいるが
この秋に収穫がなければ
国民の大半は餓死する
そのためにはなんとしても雨が欲しいが
もう二ヶ月以上も日照り続きだ
これでは農民たちがグエンの呪いと恐れるのも
無理からぬことだと思う
【マール王リチャード】
ならば貴公もこの天候異変は
グエンカオスの呪いだと思うのか?
レダの一族に恨みを残すヤツの怨念が
災いをもたらせていると信じているのか?
【イストリア王ロナウド】
俺にはわからぬが、問題なのは
庶民たちがそう信じ込んでいることだ
人間とは弱いもの
明日に希望を持てなければ生きてはゆけない
【マール王リチャード】
くそっ
グエンカオスめ!
死んでなお俺たちを苦しめるのか!
【イストリア王ロナウド】
せめて噂の真偽がわかれば
手の打ちようもあるのだが…
【ティーエ王女】
本当にグエンカオスの呪いかどうか
私が確かめてまいります
【イストリア王ロナウド】
なんと!?
【マール王リチャード】
ティーエ、何を言っている?
確かめるとはどういうことだ?
【ティーエ王女】
私は明日、土の神殿に旅立ちます
アフリード神官長と共に
シエロ山の地下神殿に行き
事の真偽を確かめてまいります
【マール王リチャード】
バカを言うな
地下神殿は封印され
女神は永遠の眠りに付いたはずだ
事の真偽…
つまりグエンの呪いが事実だったとしても
女神の力を借りられなければ
呪いを打ち消すことはできないし
第一、地下迷宮に潜むガーゼルの残党が
おまえの行く手を阻むだろう
そんな危険な旅に
おまえを行かせるわけにはゆかない!
【ティーエ王女】
アフリード神官長もレダの大地には
なんらかの力が働いているとお考えです
私はグエンの呪いだとは思いたくないけれど
もしそうならば、それは私に対する恨み
そのためにレダの人々は今も苦しみ続けている…
マール王リチャード…
あなたが心配してくれるのは嬉しいけれど
この二ヶ月間、私がどれほど苦しかったか
あなたは何も気づかなかった
私は自分の義務を果たします
女神の神殿で祈ればきっと奇跡は起きる
そう信じることが
私にとってただひとつの救いだから…
【マール王リチャード】
ティーエ……
【ティーエ王女】
サマリア王アブサロム
マール王リチャード
イストリア王ロナウド
ならびに諸侯、臣下の者達に命じます
私の不在中は、3国王の合議で国政を執り行い
他の者はその決定に従ってください
国民の福祉を第一に考え、争いの無いよう
一致団結してレダの人々を守ってください
そして私の祈りが女神様に届くよう
共に祈っていてください…
<大陸map>
かくしてその翌日、ティーエ王女は
少数の護衛兵と共に、アフリード神官長が待つ
土の神殿へと旅立ったのである--
<>
だが、その後
何の連絡も無いまま二ヶ月あまりが経過し
諸侯らが捜索隊の派遣を考え始めた頃
西方から驚くべき事実がもたらされた
レダ3大国の一つ、サマリアのアブサロム王が
その王都ベームで、数万の兵士・市民らを前にして演説を行い
レダ王国の再統一とティーエ王女の即位を宣言したというのである
<切り替え背景、アブサロムとティーエ>
「これはここにおられるティーエ様が
自ら決断され私に命じられたことである
私は女王陛下の忠実な僕として
もし統一に反対する者があれば
これを容赦なく討ち果たすであろう」
<大陸map>
そう語ったアブサロム王の傍らには、
金色の鎧で身を固めたティーエ王女が
確かにいたと使者は語った
リチャード、ロナウドを初めとするレダの諸侯らは、
まるで凍りついたように、その場に立ち尽くしたという--
その出来事からさらに一月ほど後
サマリア王国の南端に位置する小さな街で---
【ゼノ】
おばさん
外が騒がしいようだけど
何かあったのですか?
【女将】
ああ、お客さんも気づいたかい
いえね、あたしも詳しくは知らないんだけど
お尋ね者がこの街に逃げ込んだってんで
街中兵隊だらけさ
北の方じゃまた戦争が始まったっていうし
あんたたちも気をつけなよ
【ゼノ】
戦争が始まったって本当ですか?
【女将】
ああ、ドーハから来た旅人が話してたよ
サマリア軍がトレンテ公国へ侵攻したってさ
【ユニ】
本当なの、おばさん
トレンテ公国にはレダの仮王宮があるのに
誠実な人柄で知られるサマリア王が
侵略するなんて……
【女将】
あんたら何も知らないんだね
トレンテ公国への進撃を命じたのは
他でもない、ティーエ様なのさ
レダの国々をひとつにまとめて
豊かで平和な国を作ることが
王女様の望みなんだって
アブサロム王は臣下として
その命令に従っているだけさ
侵略なんて言い方はよくないよ
【ゼノ】
だけど困ったな そんな状況じゃ
とてもテレンテまで行けそうにないね
【ユニ】
うん…
だけどゼノは行きたいのでしょう?
あたしなら大丈夫だよ
危険なことがあっても
ゼノと一緒なら怖くないし…
【ゼノ】
だめだよ
自分が捨てられていた街に行けば
手がかりがつかめるかと思ったけど
そんなことでユニを危険な目にあわせられないよ
とりあえず一度ベネトに帰ろう
公爵だって心配していると思うから
【ユニ】
うん わかった
ゼノがそう言うのなら…
<ドスン!>
【ユニ】
きやっ!!
【ナルサス】
おっとわりぃ
急いでるんでごめんよ?
【騎士】
貴様 もう逃げられんぞ
おとなしく王女様を解放せよ
抵抗しても無駄だ!
【ナルサス】
くそっ こうなったら最後の手段だ
おまえら それ以上近づいたら
王女の命はないぞ
この短剣を胸に突き刺し俺も死ぬ!
【騎士】
くっ なんと卑怯な…
だが、このままでは拉致があかぬ
応援を呼んでくるしかあるまいな…
<騎士消える>
【ナルサス】
ふう なんとかしのいだが
ここままじゃ捕まるのも時間の問題だな
さて どうするか…
【ユニ】
あーっ あんたナルサスでしょ!
お尋ね者って
まさかナルサスのことなの!?
【ナルサス】
え……って、おまえ、ユニじゃねえかよ!
おまえこそ、こんなところで何やってんだよっ
【ゼノ】
僕たちはトレンテ公国に行く途中なんだ
【ナルサス】
うん……?
ゼノも一緒なのか!?
ははーん…
そーゆーことか?
ひっひっひ……
【ユニ】
な、なによ
その気持ちの悪い笑い方は……
それよりもフードでよく見えないけど
その人誰なのよ?
さっき、ティーエ王女がどうとか言ってたけどまさか……
【ナルサス】
ああ、そのまさかさ
ほら、おまえだって顔くらいは見たことがあるだろう
【ティーエ】
…………
【ユニ】
ほ、ほ、ほんとうに
ティーエ様なのですか!?
【ティーエ】
わたくしは……
【ナルサス】
おまえの目は節穴かよ
ティーエ王女に決まっているだろ
【ユニ】
あ、あんた、まさか本当に
レダプリンセスを誘拐してきたの!?
それでサマリア軍に追われているってワケ?
【ナルサス】
いろいろと事情があるんだが
今は説明してるヒマがない
ゼノ、ユニ、頼む、俺を信じて力を貸してくれ
【ユニ】
ナルサスを信じろって言われてもねぇ……
ゼノ、どうしょう?
【ゼノ】
僕はナルサスを信じるよ
だって、ユニと出会えたのは
ナルサスのおかげだからね
【ユニ】
えっ?……
うん、そうね……
わかった、事情は後で聞くとして
今はとにかく、この街から逃げなきゃね
【ナルサス】
恩にきるぜ、お二人さん
城内の敵兵は俺の仲間が
ひきつけているはずだから
その間に俺達は逃げ出そうぜ
【ユニ】
ほーら、やっぱりナルサスだわ
仲間を見捨てて自分だけ逃げるつもりなのね
【ナルサス】
いや?、仲間といっても大して親しくないし……
【ゼノ】
とにかく、その人たちにも声をかけて一緒に逃げよう
グズグズしてたら状況が悪くなる一方だ……
☆街
【オシリス】
メルドゥーン
ナルサスは無事に逃げ出せたかな?
【メルドゥーン】
彼のことだから大丈夫だと思いますよ
【ブラン】
なにせ要領だけは良い男だからな
それよりメルドゥーン、俺達は
後どれくらい敵をひきつけておけばいいんだ?
【メルドゥーン】
そうですね、彼らが街から脱出できたと
分かるまででしょうか
【オシリス】
それまではここから動けないってわけなの
ちょっとボク、自信をなくしてきちゃったな
【ブラン】
心配するなオシリス
危なくなったら俺が守ってやるよ
おまえは俺の弟みたいなものだし……
いや……妹か?……いや?……うーん……
【メルドゥーン】
ふっ……まあ、待ちましょう
そのうち状況も変わるでしょう
ゼノ→メルドゥーン
【ゼノ】
メルドゥーン司祭
ナルサスから話は聞きました
僕たちと一緒に城外へ脱出しましょう
【メルドゥーン】
ナルサスが?……
王女もご一緒なのですか?
【ゼノ】
はい、ティーエ様は
僕がお預かりしています
【ティーエ】
司祭様、大丈夫ですか?
【メルドゥーン】
はい
王女もご無事でなによりです
このような危険な目にあわせて
申しわけありません
【ティーエ】
いえ、私は司祭様を信じて
この身をお任せしたのです
たとえどのようなことになろうと
後悔はいたしません
【メルドゥーン】
ゼノ……でしたね
私たちはティーエ様を守って
マール王宮まで行かねばなりません
事情は後ほど お話しますが
どうか、あなたのお力を
貸して頂けませんか?
【ゼノ】
もちろん そのつもりです
僕が退路を開きますから
あなたはティーエ様と共に
ついてきてください
【メルドゥーン】
わかりました
ではティーエ様はこちらに……
これからは私がお守りいたします
<ティーエはメルドゥーンの同行ユニットに>
民家イベント
A:宿屋の女将
あんたたち、何があったか知らないけど
気をつけて行くんだよ
あっ、そうだ
この薬草を持ってくといい
道中は何かと危険だからね
B:食堂のおやじ
いらっしゃい、ここは食堂だよ
えっ お弁当がほしいって?
じゃあ特別サービスで800Gだ
よそ者にただでくれてやるほど
お人よしじゃないんでね
……ひとつ下さい
金取るんならいいや
E:じいさん<オーバシミターくれる>
アブサロム陛下はわしら
サマリア国民の誇りなのじゃ
国民思いで、文武に優れ、義にも厚い
ティーエ様がイストリアから脱出されたときも
真っ先に助けに行かれたのは
アブサロム王じゃった
それが最近ではリチャードやロナウドみたいな
若造どもが大きな顔をしおって
奴らのおかげで、レダの状況は悪くなる一方じゃ
今回の事でも、ティーエ様の方から
陛下を頼ってこられたというのに
それをリチャード王の手下が無理やり
連れ去ったと言うぞ
おのれ、恥知らずの盗人どもめ!
わしの前に現れたらただではおかぬ
このオーバシミターで
切り刻んでやるぞ!!
<効果音>
ぐはぁぁぁぁっ
こ、腰が……
……お若いの、わしは、もうだめじゃ
この剣をやるから、わしの無念を晴らしてくれ……
F:娘<お守り>
サマリアは貧しい国だけど
王様はとてもよい方なのよ
旅人には優しくせよというのも
王様の命令なの
だからあなたたちには
このお守りを差し上げるわね
G:若者<スーパープルフ>
あんた、知ってるかい
サマリアは貧しい国だけど
兵隊の強さはレダで一番さ
マールやイストリアなんて
あっというまに滅ぼしてやるぜ
ところで話は変わるけど
爺さんの形見を整理したたら
ヘンなものを見つけたんだ
なんか薄気味悪いから
あんたにあげるよ
H:若者
この街の南にはレーベンという不毛の原野があるんだが
戦後になって大勢の開拓者がやって来てね
これはナイショだけど、奴らはみんな
ガーゼル教国の元兵士なんだって
戦いに負けて降伏したゾーア人たちに
ティーエ王女が開拓地として与えたらしい
だけどそんな奴らを野放しにするなんて
王女もちょっと甘いよね
まあ、レーベンがどうなろうと
俺達には関係ないけど……
うん?話はそれだけだよ
今はこの街も物騒だから
よそ者は早く出て行ってくれないかな
I:司祭<記憶の杖>
先の戦いで4英雄に討たれたガーゼルの教皇
グエンカオスは土の神官家の一族じゃった
だが恋人であったティータ王女をクラニオンに
変えられたことでレダ王国と人間を恨み
無念を残したまま死んでしまった
それがレダへの呪いとなって
今も人々を苦しめているのじゃろう
やつの怒りを静める方法があれば
この呪いも解けるかも知れぬが……
ああ、その杖が欲しくば持ってゆくが良い
そなたらの旅には欠かせぬものじゃ
ED
【メルドゥーン】
ふーっ、どうやら
無事に逃げ出せたようですね
戦士ゼノ
あなたは大した方だ
まだお若いのに
よほどの経験があるようですね
(lv30以上)
【ゼノ】
メルドゥーン司祭
そろそろ事情を話していただけませんか?
【メルドゥーン】
あなたはサマリアで起きた事件を
ご存知でしょうか?
【ゼノ】
……いえ、僕とユニは
ずっと旅をしていましたから
【メルドゥーン】
では簡単にお話しましょう
今から2週間ほど前
サマリアでアブサロム国王が
重大な演説を行いました
【ゼノ】
重大な演説?
【メルドゥーン】
ええ、彼はティーエ王女の命令により
レダ統一戦争を開始すると宣言しました
【ゼノ】
まさか……
ティーエ様がそんな命令を
出されるとは信じられない
【メルドゥーン】
ところが演説にはティーエ王女も
立ち会っていたそうです
諸侯らはその情報に驚きましたが
マール王リチャードは
王女がサマリアに捕らわれて
利用されていると考えました
【ゼノ】
…………
【メルドゥーン】
リチャード王は、王女を救出するため
命知らずの傭兵たちを集めました
高報酬に釣られて大勢の戦士たちが応募し
その中から名うての30名が選ばれました
【ゼノ】
ではナルサスやあなたたちも……
【メルドゥーン】
ええ、私たち三人は
旅の途中でたまたまマールに立ち寄り
軽い気持ちでこの仕事を引き受けたのですが……
【ゼノ】
…30人が4人になってしまうほど
危険な仕事だったわけですね
【メルドゥーン】
はい、王都の警備は厳しく
王女を見つけるまでに半数が、
残りは逃亡時に殺されてしまいました
【ゼノ】
でも堅城で知られるサマリア城から
よく王女を連れ出せましたね
【メルドゥーン】
それはまったく偶然でした
私たちは犠牲があまりに大きいので
任務を断念するつもりでいたのですが
サマリアの街で一人ふらつく王女を
偶然発見したのです
最初は怯えて逃げようとしましたが
私が声をかけると、なぜか信用してくれて
それまでの経緯を話してくれたのです
【ゼノ】
これまでの経緯とは?……
【メルドゥーン】
それについては いずれ
王女自身が話されるでしょう
それよりもゼノ
このままでは危険です
まずは逃げることを考えましょう!
>>>
時期は不明ですがTSの続編用に書いたシナリオです。
レダの動乱から始まって4聖王国の行く末が定まるまでの構想でしたが、諸般の事情により制作を断念しました。これはmap1のシナリオですが、試作マップをいくつかプレイした記憶があるので、他にもシナリオが残っているかも知れません。発見できたら掲載します。
ナレーション
(黒バック)
グエンカオスの死とともにガーゼル教国は瓦解した
戦士たちは、戦いに散った者たちへの思いを胸に
それぞれの祖国へと散っていった
(大陸マップ)
大陸北東部--カナン連合王国
かつては<雄々しき風の国>とうたわれ
大陸でも屈指の軍事力を誇ったこの国も
今では国王と3人の王子を失い
多くの若者達が帰らぬ人となった
それゆえに残された人々の平和への願いは強く
彼らは帰国したセネト王子(顔)に王位継承を求め
ユトナ暦837年5月5日、セネト王子は
バハヌーク国王死去の後空位であった
第54代カナン国王の位に就いたのである
彼はいまだ17歳という若い国王であったが
叔母であるレシエ大公女(顔)が宰相となり
また有能な二人の臣下(セオドラ・シルバの顔)の補佐を得て
新生カナン王国は着実に復興の道を歩み始めていた---
人々から<清らかな水の国>とうたわれる
大陸南東部のリーヴェ王国では
戦勝に功のあったラゼリア公爵リュナンが
王族直系でただ1人生き残ったメーヴェ王女と
結ばれ、第43代リーヴェ王として即位した
だが貴族制度が社会の根底にまで根付き
全てを貴族的価値観で判断するリーヴェ王国で
良血とはいえないラゼリア公爵の
王位継承には異論も多く
また彼の革新的な政策を嫌う
門閥貴族たちの反乱も相次ぎ、
リーヴェ王国は戦後半年を経ても
いまだ平穏とは言えぬ状況にあった--
大陸中央部、サリア王国--
<美しき草原の国>と冠されるこの国では
レオニダス国王?の病が癒えて
サリア新城の玉座に復帰し
宰相となったレオンハートと
クラリス神官長の補佐の下
各地の封建領主たちとともに
団結して国土の復興に努めつつあった
すべては順調であったが
王国にとってただひとつ気がかりなことは
老齢の国王に世継ぎが決まっていないことである
世論としては義理の弟になるレオンハート公を
押す声が強いが外戚による王位継承には問題もあり
何よりもレオンハート公自身が
ユトナ法典が定める王位継承のルールを尊重して
将来はマリア王女の子供(男子)が王位を継承すべきであり
もし一時的にでも王位が空位になるなら
マリア王女の配偶者を仮王とすべきで
自分が王となるような外戚継承は
サリア王国に悪しき前例を残し
断じて容認できないと述べていることである
だが渦中のマリア王女はいまだ16歳であり
花婿候補の筆頭であるグラナダ公爵の子息は
家柄・知性・品行の点で依然反対の声が根強い--
が、ともあれサリア王国に大過は無く
まずは平穏と言える状況にある---
<大陸map>
大陸の北東部を占めるレダ王国でも
荒廃した国土の復興に取り組んでいたが
他の3国が順調に復興する中で
なぜかレダだけは天災や疫病が止まず、
戦後半年を経過しても
多くの国民が飢えと病に苦しんでいた
「これは恨みを残して死んだグエン教皇の呪いに違いない
教皇は暗黒神となってレダ王国に復讐しているのだ」
いつの頃からかそんな噂が広まり、絶望した人々は
田畑を捨てて逃亡し、山賊・海賊に落ちる者まで現れた
治安が悪化し、王国各地で暴動や紛争が発生
そんな中、トレンテの仮王宮ではレダの有力諸侯らが集まって
連日のように対策会議が開かれていたのだが—-
<王宮背景>
【マール王リチャード】
アブサロム王、何度も言っていることだが、
貴国の難民がわが国に流入し
住民との間でトラブルを引き起こしている
早急に対策を講じられぬようなら
我々としても断固たる処置を取るしかないが
いったいどうするおつもりか?
【サマリア王アブサロム】
まことに残念なことだが
わがサマリア王国の少なからぬ民が
グエンカオスの呪いを恐れて
他国へ逃れようとしていることは事実だ
だがマール国王リチャードよ
商業国である貴国とは違い
わが国民はほとんどが貧しい農民
大地が乾けば生きてはいけぬ
わしとて悲しく思うが、今の状況では
彼らの逃亡を阻止することはできぬ
貴国は陸海共に交通の要所にあり
難民が流入するのは当然の理、
それを力ずくで追い返そうとする
貴国の側にこそ問題があるのではないか?
【マール王リチャード】
難民の中には徒党を組んで
周辺の村々を襲う者もいる
わがマール国民がサマリア難民を
夜盗のごとく恐れるのは当然であろう
貴国がこのまま放置するつもりなら
われらは国境を閉鎖してでも
自衛の策をとらねばならぬ
【サマリア王アブサロム】
ならばリチャード国王は
レダの盟約を一方的に破られるおつもりか?
一年前、イストリアのギュネス王を倒し
レダの解放が成ったとき
われらレダ7国の諸侯は王女殿下に忠誠を誓い
互いに助け合うべく盟約を記した
領民の自由通行もそのときに定められたはずだ
それを貴公は反故にするというのか?
【マール王リチャード】
状況が状況だから仕方あるまい
マール国民の我慢も限界に来ている
このまま放置すれば
大規模な騒乱が起こり
多くの血が流されるだろう
盟約を破るつもりは無いが
俺も一国の王だ、民は守らねばならぬ
【サマリア王アブサロム】
貴国が国境を封鎖すれば
サマリアでは多くの餓死者が出る
リチャード王は自国民さえ助かれば
それでよいとのお考えか?
【マール王リチャード】
どちらかひとつを選べというなら
そういうことだ
【サマリア王アブサロム】
ならばわれらも
そう考えることにしょう
国境を閉ざすと言うなら
力ずくでも破ってみせる
【マール王リチャード】
ほう
アブサロム王はわが国を
侵略するおつもりか?
【サマリア王アブサロム】
そのようなつもりは無いが
一方的に死ねと言われて
黙っているわけにもいかぬ
【マール王リチャード】
ならば我らも相手をするまでだ
サマリアの田舎兵など
わが騎士団の敵ではあるまいが
【イストリア王ロナウド】
待たれよ、お二人とも!
貴公らは自国の利害にとらわれて
ティーエ様への忠誠を忘れたのか?
今は一致団結してこの危機から
王国と民を守る時であるのに
貴公らはレダの重臣として
恥ずかしいとは思わないのか!
【サマリア王アブサロム】
む……
ロナウド王の言われるとおりだ
申しわけありませぬ、ティーエ様…
老臣が過ち、伏してお詫びいたします
【マール王リチャード】
……
俺も少々感情的になりすぎた
だがロナウド
危機的状況なのは貴様の
イストリアとて同じだろう
【イストリア王ロナウド】
そうだ…
今のところは昨年の蓄えで食いつないでいるが
この秋に収穫がなければ
国民の大半は餓死する
そのためにはなんとしても雨が欲しいが
もう二ヶ月以上も日照り続きだ
これでは農民たちがグエンの呪いと恐れるのも
無理からぬことだと思う
【マール王リチャード】
ならば貴公もこの天候異変は
グエンカオスの呪いだと思うのか?
レダの一族に恨みを残すヤツの怨念が
災いをもたらせていると信じているのか?
【イストリア王ロナウド】
俺にはわからぬが、問題なのは
庶民たちがそう信じ込んでいることだ
人間とは弱いもの
明日に希望を持てなければ生きてはゆけない
【マール王リチャード】
くそっ
グエンカオスめ!
死んでなお俺たちを苦しめるのか!
【イストリア王ロナウド】
せめて噂の真偽がわかれば
手の打ちようもあるのだが…
【ティーエ王女】
本当にグエンカオスの呪いかどうか
私が確かめてまいります
【イストリア王ロナウド】
なんと!?
【マール王リチャード】
ティーエ、何を言っている?
確かめるとはどういうことだ?
【ティーエ王女】
私は明日、土の神殿に旅立ちます
アフリード神官長と共に
シエロ山の地下神殿に行き
事の真偽を確かめてまいります
【マール王リチャード】
バカを言うな
地下神殿は封印され
女神は永遠の眠りに付いたはずだ
事の真偽…
つまりグエンの呪いが事実だったとしても
女神の力を借りられなければ
呪いを打ち消すことはできないし
第一、地下迷宮に潜むガーゼルの残党が
おまえの行く手を阻むだろう
そんな危険な旅に
おまえを行かせるわけにはゆかない!
【ティーエ王女】
アフリード神官長もレダの大地には
なんらかの力が働いているとお考えです
私はグエンの呪いだとは思いたくないけれど
もしそうならば、それは私に対する恨み
そのためにレダの人々は今も苦しみ続けている…
マール王リチャード…
あなたが心配してくれるのは嬉しいけれど
この二ヶ月間、私がどれほど苦しかったか
あなたは何も気づかなかった
私は自分の義務を果たします
女神の神殿で祈ればきっと奇跡は起きる
そう信じることが
私にとってただひとつの救いだから…
【マール王リチャード】
ティーエ……
【ティーエ王女】
サマリア王アブサロム
マール王リチャード
イストリア王ロナウド
ならびに諸侯、臣下の者達に命じます
私の不在中は、3国王の合議で国政を執り行い
他の者はその決定に従ってください
国民の福祉を第一に考え、争いの無いよう
一致団結してレダの人々を守ってください
そして私の祈りが女神様に届くよう
共に祈っていてください…
<大陸map>
かくしてその翌日、ティーエ王女は
少数の護衛兵と共に、アフリード神官長が待つ
土の神殿へと旅立ったのである--
<>
だが、その後
何の連絡も無いまま二ヶ月あまりが経過し
諸侯らが捜索隊の派遣を考え始めた頃
西方から驚くべき事実がもたらされた
レダ3大国の一つ、サマリアのアブサロム王が
その王都ベームで、数万の兵士・市民らを前にして演説を行い
レダ王国の再統一とティーエ王女の即位を宣言したというのである
<切り替え背景、アブサロムとティーエ>
「これはここにおられるティーエ様が
自ら決断され私に命じられたことである
私は女王陛下の忠実な僕として
もし統一に反対する者があれば
これを容赦なく討ち果たすであろう」
<大陸map>
そう語ったアブサロム王の傍らには、
金色の鎧で身を固めたティーエ王女が
確かにいたと使者は語った
リチャード、ロナウドを初めとするレダの諸侯らは、
まるで凍りついたように、その場に立ち尽くしたという--
その出来事からさらに一月ほど後
サマリア王国の南端に位置する小さな街で---
【ゼノ】
おばさん
外が騒がしいようだけど
何かあったのですか?
【女将】
ああ、お客さんも気づいたかい
いえね、あたしも詳しくは知らないんだけど
お尋ね者がこの街に逃げ込んだってんで
街中兵隊だらけさ
北の方じゃまた戦争が始まったっていうし
あんたたちも気をつけなよ
【ゼノ】
戦争が始まったって本当ですか?
【女将】
ああ、ドーハから来た旅人が話してたよ
サマリア軍がトレンテ公国へ侵攻したってさ
【ユニ】
本当なの、おばさん
トレンテ公国にはレダの仮王宮があるのに
誠実な人柄で知られるサマリア王が
侵略するなんて……
【女将】
あんたら何も知らないんだね
トレンテ公国への進撃を命じたのは
他でもない、ティーエ様なのさ
レダの国々をひとつにまとめて
豊かで平和な国を作ることが
王女様の望みなんだって
アブサロム王は臣下として
その命令に従っているだけさ
侵略なんて言い方はよくないよ
【ゼノ】
だけど困ったな そんな状況じゃ
とてもテレンテまで行けそうにないね
【ユニ】
うん…
だけどゼノは行きたいのでしょう?
あたしなら大丈夫だよ
危険なことがあっても
ゼノと一緒なら怖くないし…
【ゼノ】
だめだよ
自分が捨てられていた街に行けば
手がかりがつかめるかと思ったけど
そんなことでユニを危険な目にあわせられないよ
とりあえず一度ベネトに帰ろう
公爵だって心配していると思うから
【ユニ】
うん わかった
ゼノがそう言うのなら…
<ドスン!>
【ユニ】
きやっ!!
【ナルサス】
おっとわりぃ
急いでるんでごめんよ?
【騎士】
貴様 もう逃げられんぞ
おとなしく王女様を解放せよ
抵抗しても無駄だ!
【ナルサス】
くそっ こうなったら最後の手段だ
おまえら それ以上近づいたら
王女の命はないぞ
この短剣を胸に突き刺し俺も死ぬ!
【騎士】
くっ なんと卑怯な…
だが、このままでは拉致があかぬ
応援を呼んでくるしかあるまいな…
<騎士消える>
【ナルサス】
ふう なんとかしのいだが
ここままじゃ捕まるのも時間の問題だな
さて どうするか…
【ユニ】
あーっ あんたナルサスでしょ!
お尋ね者って
まさかナルサスのことなの!?
【ナルサス】
え……って、おまえ、ユニじゃねえかよ!
おまえこそ、こんなところで何やってんだよっ
【ゼノ】
僕たちはトレンテ公国に行く途中なんだ
【ナルサス】
うん……?
ゼノも一緒なのか!?
ははーん…
そーゆーことか?
ひっひっひ……
【ユニ】
な、なによ
その気持ちの悪い笑い方は……
それよりもフードでよく見えないけど
その人誰なのよ?
さっき、ティーエ王女がどうとか言ってたけどまさか……
【ナルサス】
ああ、そのまさかさ
ほら、おまえだって顔くらいは見たことがあるだろう
【ティーエ】
…………
【ユニ】
ほ、ほ、ほんとうに
ティーエ様なのですか!?
【ティーエ】
わたくしは……
【ナルサス】
おまえの目は節穴かよ
ティーエ王女に決まっているだろ
【ユニ】
あ、あんた、まさか本当に
レダプリンセスを誘拐してきたの!?
それでサマリア軍に追われているってワケ?
【ナルサス】
いろいろと事情があるんだが
今は説明してるヒマがない
ゼノ、ユニ、頼む、俺を信じて力を貸してくれ
【ユニ】
ナルサスを信じろって言われてもねぇ……
ゼノ、どうしょう?
【ゼノ】
僕はナルサスを信じるよ
だって、ユニと出会えたのは
ナルサスのおかげだからね
【ユニ】
えっ?……
うん、そうね……
わかった、事情は後で聞くとして
今はとにかく、この街から逃げなきゃね
【ナルサス】
恩にきるぜ、お二人さん
城内の敵兵は俺の仲間が
ひきつけているはずだから
その間に俺達は逃げ出そうぜ
【ユニ】
ほーら、やっぱりナルサスだわ
仲間を見捨てて自分だけ逃げるつもりなのね
【ナルサス】
いや?、仲間といっても大して親しくないし……
【ゼノ】
とにかく、その人たちにも声をかけて一緒に逃げよう
グズグズしてたら状況が悪くなる一方だ……
☆街
【オシリス】
メルドゥーン
ナルサスは無事に逃げ出せたかな?
【メルドゥーン】
彼のことだから大丈夫だと思いますよ
【ブラン】
なにせ要領だけは良い男だからな
それよりメルドゥーン、俺達は
後どれくらい敵をひきつけておけばいいんだ?
【メルドゥーン】
そうですね、彼らが街から脱出できたと
分かるまででしょうか
【オシリス】
それまではここから動けないってわけなの
ちょっとボク、自信をなくしてきちゃったな
【ブラン】
心配するなオシリス
危なくなったら俺が守ってやるよ
おまえは俺の弟みたいなものだし……
いや……妹か?……いや?……うーん……
【メルドゥーン】
ふっ……まあ、待ちましょう
そのうち状況も変わるでしょう
ゼノ→メルドゥーン
【ゼノ】
メルドゥーン司祭
ナルサスから話は聞きました
僕たちと一緒に城外へ脱出しましょう
【メルドゥーン】
ナルサスが?……
王女もご一緒なのですか?
【ゼノ】
はい、ティーエ様は
僕がお預かりしています
【ティーエ】
司祭様、大丈夫ですか?
【メルドゥーン】
はい
王女もご無事でなによりです
このような危険な目にあわせて
申しわけありません
【ティーエ】
いえ、私は司祭様を信じて
この身をお任せしたのです
たとえどのようなことになろうと
後悔はいたしません
【メルドゥーン】
ゼノ……でしたね
私たちはティーエ様を守って
マール王宮まで行かねばなりません
事情は後ほど お話しますが
どうか、あなたのお力を
貸して頂けませんか?
【ゼノ】
もちろん そのつもりです
僕が退路を開きますから
あなたはティーエ様と共に
ついてきてください
【メルドゥーン】
わかりました
ではティーエ様はこちらに……
これからは私がお守りいたします
<ティーエはメルドゥーンの同行ユニットに>
民家イベント
A:宿屋の女将
あんたたち、何があったか知らないけど
気をつけて行くんだよ
あっ、そうだ
この薬草を持ってくといい
道中は何かと危険だからね
B:食堂のおやじ
いらっしゃい、ここは食堂だよ
えっ お弁当がほしいって?
じゃあ特別サービスで800Gだ
よそ者にただでくれてやるほど
お人よしじゃないんでね
……ひとつ下さい
金取るんならいいや
E:じいさん<オーバシミターくれる>
アブサロム陛下はわしら
サマリア国民の誇りなのじゃ
国民思いで、文武に優れ、義にも厚い
ティーエ様がイストリアから脱出されたときも
真っ先に助けに行かれたのは
アブサロム王じゃった
それが最近ではリチャードやロナウドみたいな
若造どもが大きな顔をしおって
奴らのおかげで、レダの状況は悪くなる一方じゃ
今回の事でも、ティーエ様の方から
陛下を頼ってこられたというのに
それをリチャード王の手下が無理やり
連れ去ったと言うぞ
おのれ、恥知らずの盗人どもめ!
わしの前に現れたらただではおかぬ
このオーバシミターで
切り刻んでやるぞ!!
<効果音>
ぐはぁぁぁぁっ
こ、腰が……
……お若いの、わしは、もうだめじゃ
この剣をやるから、わしの無念を晴らしてくれ……
F:娘<お守り>
サマリアは貧しい国だけど
王様はとてもよい方なのよ
旅人には優しくせよというのも
王様の命令なの
だからあなたたちには
このお守りを差し上げるわね
G:若者<スーパープルフ>
あんた、知ってるかい
サマリアは貧しい国だけど
兵隊の強さはレダで一番さ
マールやイストリアなんて
あっというまに滅ぼしてやるぜ
ところで話は変わるけど
爺さんの形見を整理したたら
ヘンなものを見つけたんだ
なんか薄気味悪いから
あんたにあげるよ
H:若者
この街の南にはレーベンという不毛の原野があるんだが
戦後になって大勢の開拓者がやって来てね
これはナイショだけど、奴らはみんな
ガーゼル教国の元兵士なんだって
戦いに負けて降伏したゾーア人たちに
ティーエ王女が開拓地として与えたらしい
だけどそんな奴らを野放しにするなんて
王女もちょっと甘いよね
まあ、レーベンがどうなろうと
俺達には関係ないけど……
うん?話はそれだけだよ
今はこの街も物騒だから
よそ者は早く出て行ってくれないかな
I:司祭<記憶の杖>
先の戦いで4英雄に討たれたガーゼルの教皇
グエンカオスは土の神官家の一族じゃった
だが恋人であったティータ王女をクラニオンに
変えられたことでレダ王国と人間を恨み
無念を残したまま死んでしまった
それがレダへの呪いとなって
今も人々を苦しめているのじゃろう
やつの怒りを静める方法があれば
この呪いも解けるかも知れぬが……
ああ、その杖が欲しくば持ってゆくが良い
そなたらの旅には欠かせぬものじゃ
ED
【メルドゥーン】
ふーっ、どうやら
無事に逃げ出せたようですね
戦士ゼノ
あなたは大した方だ
まだお若いのに
よほどの経験があるようですね
(lv30以上)
【ゼノ】
メルドゥーン司祭
そろそろ事情を話していただけませんか?
【メルドゥーン】
あなたはサマリアで起きた事件を
ご存知でしょうか?
【ゼノ】
……いえ、僕とユニは
ずっと旅をしていましたから
【メルドゥーン】
では簡単にお話しましょう
今から2週間ほど前
サマリアでアブサロム国王が
重大な演説を行いました
【ゼノ】
重大な演説?
【メルドゥーン】
ええ、彼はティーエ王女の命令により
レダ統一戦争を開始すると宣言しました
【ゼノ】
まさか……
ティーエ様がそんな命令を
出されるとは信じられない
【メルドゥーン】
ところが演説にはティーエ王女も
立ち会っていたそうです
諸侯らはその情報に驚きましたが
マール王リチャードは
王女がサマリアに捕らわれて
利用されていると考えました
【ゼノ】
…………
【メルドゥーン】
リチャード王は、王女を救出するため
命知らずの傭兵たちを集めました
高報酬に釣られて大勢の戦士たちが応募し
その中から名うての30名が選ばれました
【ゼノ】
ではナルサスやあなたたちも……
【メルドゥーン】
ええ、私たち三人は
旅の途中でたまたまマールに立ち寄り
軽い気持ちでこの仕事を引き受けたのですが……
【ゼノ】
…30人が4人になってしまうほど
危険な仕事だったわけですね
【メルドゥーン】
はい、王都の警備は厳しく
王女を見つけるまでに半数が、
残りは逃亡時に殺されてしまいました
【ゼノ】
でも堅城で知られるサマリア城から
よく王女を連れ出せましたね
【メルドゥーン】
それはまったく偶然でした
私たちは犠牲があまりに大きいので
任務を断念するつもりでいたのですが
サマリアの街で一人ふらつく王女を
偶然発見したのです
最初は怯えて逃げようとしましたが
私が声をかけると、なぜか信用してくれて
それまでの経緯を話してくれたのです
【ゼノ】
これまでの経緯とは?……
【メルドゥーン】
それについては いずれ
王女自身が話されるでしょう
それよりもゼノ
このままでは危険です
まずは逃げることを考えましょう!
>>>
時期は不明ですがTSの続編用に書いたシナリオです。
レダの動乱から始まって4聖王国の行く末が定まるまでの構想でしたが、諸般の事情により制作を断念しました。これはmap1のシナリオですが、試作マップをいくつかプレイした記憶があるので、他にもシナリオが残っているかも知れません。発見できたら掲載します。
TS2構想メモ
ちょっと事情があって放置してましたが解決したので再開します。
ついでにTS・BS毎に整理してコメントも付けときました。
発売元の公式設定ではありませんのでお間違いのないように。
>>>>
邪神の祭壇での戦いから1年の後…
【カナン王国】
セネト王子が弟19代カナン王となり、有能な臣下らとともに、荒廃した王国の建て直しに勤しんでいたが、先の戦争による傷跡は大きく、また王妃の選考や王妹ネイファの処遇に起因する諸侯らの対立もあって、若きカナン王は内政問題に忙殺される日々を送っていた。
☆カナン連合—カナン王国を中心とする5王国の連合。
【リーヴェ王国】
晴れてメーヴ王女と結ばれたリュナン公子が第17代リーヴェ国王となり、二人で協力して国政改革に乗り出すも、改革を望まない旧勢力の貴族らの抵抗は激しく、いまだその志半ばである。
☆リーヴェ王国の下には、ゼムセリア公国、ラゼリア公国、ノルゼリアの三大公国を初めとする12の有力な独立国家(封建領主)があり、それらを敵に回しては国王といえども地位を保てない。リュナンはラゼリア公爵でありながら、諸侯らの推戴によってリーヴェ国王の地位についた。これは一代限りのものであり、メーヴェ王妃に男児が誕生して成人すれば、彼は退位してその地位を息子に譲ることになる。もしメーヴェ王妃以外の女性に男児が生まれたとしてもその子には王位継承権はない。【4つの聖王国はその始祖が女性でありながら、女性が王位に付くことを認めていない(ただしユトナの血筋は絶対であり、血統そのものは女系でも可)。これはユトナ王妃が残した法典(一般にユトナ法典と呼ばれ、リーベリアの国々に共通する法律や慣習の祖となったもの)起因するものである。ユトナは自分の子孫たる娘達が権力を得てカルバザン皇帝のようになることを恐れ、女性の王位継承を固く戒めた (聖竜の力は女性にのみ現れるため)】
【サリア王国】
4王国の中で唯一国王が健在であるが、長年の幽閉生活に健康を蝕まれ、今も病床の中にある。
ただ一人の後継者であるマリア王女はまだ年若く、王国の復興は、セルバの太守レオンハート(公爵)に託されているが、サリアもともと好戦的な遊牧民族の多い土地柄であり、先の内乱の影響もあって各地で紛争が絶えず、王権の支配は一部に留まっている。
☆かつて大陸の中央草原地帯は、多くの部族国家が割拠し抗争に明け暮れていた。カーリュオン王の治世17年、リーベラント王国から若き名将カールアイス将軍が、少数の部隊を率いて中央草原地帯に遠征し、先住部族たちに和解を促した。好戦的な遊牧民達がそう簡単に服するはずもなく、戦いは十数年に及んだが、彼の武勇と誠実さに、やがて族長達は調停を受け入れるようになる。カールアイスはセブラム川の上流に砦を築き、セラードの太守として
その後も先住民族たちの平和と繁栄に尽力した。彼が40を過ぎた頃、当時エルマ神殿の巫女であったユトナの末娘サリア(当時はまだ16歳であったという)と激しい恋に落ち、やがて二人は結ばれる。カールアイス(公爵)の死後、嫡子アーダンベルトは草原の部族長たちの推戴を受けて彼らの王となり、ユトナ王妃の承認を得てサリア王国を建国した。【リーヴェ、カナンに次いで3国目、カーリュオンはすでに病死していたがユトナ王妃はいまだ健在であった】
【レダ王国】
レダ地方の現状は4聖王国の中でも、最も悲惨である。
ユトナの聖戦(ノルゼリアの悲劇からグエンの滅亡までの戦いを当時の人々はこう言った。正確には第三次ゾーア戦争。前10年の北方解放戦争を含める場合はガーゼル戦争と言う)が終わり、ティーエ王女が帰国した後も、レダ地方は作物の不作や伝染病の発生が続き、困窮した人々はやがて流民や山賊となって隣接地域になだれ込んだ。
このことが原因となって、各地で住民同士の衝突が相次ぎ、やがてそれは、ティーエの下にまとまりかけていたレダの諸勢力が再び分裂する兆しとなる。当時のレダの政治状況は以下の通りである。
ティーエ王女 17歳。ユトナの娘レダから見て48代目の子孫となる。女系的にはまさに直系であり、その証拠にレダの聖痕を左の胸の上に持つ。ただし先にも述べたように、ユトナ法典の定めにより直系の子女が国の支配者(つまり女王)になることは許されない。今後正当なレダ王になれる資格を持つものは、彼女が生んだ男子(あるいは彼女の娘が生んだ男子)だけであるため、リチャードたちレダの有力諸侯はティーエ王女の獲得に必死である。(仮にティーエ王女を妻としても、それで自動的に王になれるわけではない。血統的に正当な国王が不在、あるいは未成年(15歳以下)の場合はレダの巫女(レダの女系女性で聖痕を持つものであれば直系でなくてもかまわない。この場合、ティーエがそれに当たる)が仮の王を決定する権限を持つ。ティーエは15歳になった時点でその権限を有したが、何か心に秘めていることがあるらしく、レダの王位はいまだ空白である。聖戦から半年後、レダ地方の異常に邪神の影を見たティーエは、後事をリチャードら7名の有力諸侯に託し、自らは女神ミラドナ(エミユ)の力を借りるためシエロ山の地下神殿に向かった。
ロナード王(27)。レダ7国の一つ、イストリア王国の王。イストリアは元々、トレンテに次ぐ名門公爵家としてレダ王家直臣の封建領主であったが、レダ?サリア戦争によって王家が衰退した後は、主家を凌ぐ勢力を蓄え、やがてレダから独立して王国を自称するようになった。その後はガーゼル教団と結んで密かにトレンテ公爵夫妻を殺害し、保護を名目に当時14歳であった公女ティーエをイストリア城に幽閉した。またバルト会戦では西部同盟を裏切り、軍事強国であったマール王国軍を粉砕、その勢いを以て隣国ベネト(共和国)からマール王国へと支配を広げた。しかしユトナ戦役の2年、15歳になったティーエはロナード王子の助けによってイストリアを脱出、トレンテで解放軍を組織して南下し各地で住民の熱狂的な支持を受ける。さらにラトヴィアの辺境地帯で勢力を蓄えていたマールのリチャード王子軍と合流した後は破竹の勢いでゾーナベルテ、マール、ベネトの諸国を解放しついにはイストリア本城の攻略にも成功する。稀代の奸雄と称されたギュネス大公は城と運命を共にしたが、ロナード王子はマールの防衛司令官として作戦中に父王と対立し、配下を率いてティーエに投降したため一命を許された。その後は彼女に忠誠を誓い、リチャードと共に実戦部隊の両輪として活躍する。イストリア陥落後は、祖国の復興と王位の継承を許され、ティーエたちがグエンカオスとの戦いに旅立った後もレダに残って治安の維持に努めた。リチャードとは正反対に紳士的で実直な人物、ティーエに命を救われた後は、女神を見るような一途さでひたすら忠節を尽くしている。まあ、いい男かも…。
☆その他いろいろ
(1)OPでユニの身を気遣うゼノ。ナルサスが生存していればユニの過去の一部が明らかになる。ユニはもともとベネト公国の公爵家に連なる貴族の娘で裕福に暮らしていたが、14歳のときに公都ベネト市がイストリアの侵略にあい、家族を殺され家も失った。生きてゆく望みを絶たれたとき、サムエルという吟遊詩人の青年に助けられてマールに脱出。だがそのマールも戦乱となり、彼は手下だった下っ端の盗賊ナルサスにユニをゆだねて、海路グラナダに行き、領主のヴァルス提督のもとに身をゆだねるように言った。盗賊の技術はナルサスからならった。
(2)後に登場する吟遊詩人のサムエルはヴァルス提督とマールの踊り子との間に出来たこどもで、ホームズの異母兄に当たる。そのことを知っているのはサムエル本人とヴァルスのみだが二人とも口には出さない。<母親が病死する13歳くらいまではたまに会っていた。死後、グラナダに引き取ることを申し入れたが、サムエル自身が拒否し家を出たという経緯がある。その後は会っていないが、ヴァルスを憎んでいるわけではない。ヴァルスはサムエルからの手紙でユニとナルサスをグラナダに引き取り、二人をホームズに託したのであるが、むろんホームズは何も知らない>
二人がグラナダに行ったのは、ホームズがグラナダを脱出する半年前のこと。
(3)ゼノは12歳までイストリアの貴族の家で奴隷として働かされていた。その家を逃げ出して、追っ手に殺されそうになったときにヴェルス提督に救われグラナダへ行った。彼もまたホームズに預けられ、2年間はシーライオン船員として働いた。ユニと出会ったのはイスラに行く半年前だが、特に親しいわけでもなく、彼はユニの過去を何も知らなかった。ゼノはティーエの一つ下の弟。ティーエが生まれて一年後にゼノはトレンテの宮殿で生まれたが、その直後謎の一団(後年、グエン率いるガーゼル魔道軍と判明)に宮殿が襲われて公爵は殺害、母親も重症を負った。ただ高位の司祭でもあった母親が転移の術でゼノを城外に逃がし、ゼノは郊外の道端に転送され、旅の商人夫妻に拾われて6歳まで幸せに暮らした。しかし旅の途中に盗賊に襲われて養父母は殺され、彼はイストリアの奴隷市場で売られた。それから6年間、貴族の家で家畜以下の暮らしを強いられることになるのである。むろん母親である公爵夫人はゼノの捜索に全力を尽くしたが、グエンに狙われている中で公にすることも出来ず、また拾った夫妻が旅の商人で、直後に国を離れたこともあって発見できなかった。結局重臣らは公子の生存は絶望と考え、公爵・公子ともに殺害された旨、国民に発表した。<姉であるティーエもそう思っていた>。先にイストリアで養われていたレダ国王<トレンテ公の弟→イストリアの王妹と結婚し、その後イストリア王ギュネスの後押しで、滅亡した王家を再興させた>も子供が無いままに病死(実際は変死)していたため、レダ王家の血脈は、ティーエただ1人を残して絶たれたと思われた。
(4)公爵を失ったトレンテ公国では善良な重臣らが公爵夫人とティーエ公女を守って国を維持したが、7年後、ティーエが12歳のときに公爵夫人が病死し<夫人はグエンの襲撃以来、ずっと病床にあった>、トレンテは隣国イストリアに事実上併合される。このとき、ティーエ公女は保護という名目でイストリアに連れ去られ、ロナルド王子の手助けによって脱出するまでの3年間、王宮内の一室に幽閉されていた。ギュネス王はティーエが15歳になれば自分の長男と結婚させてレダの国王に据え、レダ王家の簒奪と全土の支配を狙ってたのである。
(5)第二王子のロナルドは誠実な男で、3年間の間、一回りも年下のティーエに優しく接し、心を奪われてゆく。そのティーエが、弟から見ても残虐で愚劣な兄の妻になるとはどうしても許せず、二人の婚礼を目前にして、ティーエを逃がす決意をしたのである。<実際は、その後の情勢変化に伴いイストリアはガーゼルと同盟、グエン教皇の強い申し入れにより、ティーエは15歳になればガーゼルに引き渡されることになっていた。>。ロナウドは密かにティーエを逃がしたが、そのことで父と兄から疑われ、マールの占領司令官に任命された後も、悶々とした日々を送っていた。<市民らにはよき施政官であった>。マールから逃亡した後も一軍の指揮官として戦い続けたが、イストリア王宮の戦いでティーエの説得により降伏。その後はティーエの傍にあってよく働き、戦後はイストリアの再興を許されて王位に付いた。マールのリチャード、サマリアのアブサロムとともに、ティーエ王女を支える3重臣の一人として、武勇・智謀共に高く評価されている。年齢28、ティーエの夫候補の1人である。<リチャードは25歳>
(6)ガーゼル教国が崩壊し、多数の兵士が捕虜として囚われた。彼らの処遇に困った5国の諸侯らは大量処刑を進言するがリュナンらの入れるところとならず、一般兵士は武装解除の上釈放と決まる。だが一般民衆の古ゾーア人に対する恐怖と偏見は一夕には納まらず、武装を解かれた多くのゾーア人兵士たちは、行く当てもなく困窮していた。彼らに対する責任に心を痛めていたジークは、その苦悩をケイトに伝え、二人は諸侯らの間を駆け回って、ゾーア人を受け入れてくれる国を探した。その話を聞いたティーエ王女は、レダの西部の無人の地があり、開拓地として提供したいと申し入れた。ジークは数千人の元兵士とその家族らを引き連れ、レダ南西部のラグーナ湿地に入植し開拓村を建設した。<入植は戦いの一月後から随時、三ヶ月後に初期の開拓村が建設された。当面の食料・物資はウエルトから提供された>
(7)ホームズは戦後、グラナダ商船を率いてまじめに働いている。この日もウエルト王に雇われて、ラグーナの開拓村に食料・物資を運んで来た。傍らにはシゲンとアトロムとリーリエとガロがいる。ソラの港でサーシャ王女が密航を図ったが、見つけて追い出したらしい。ケイトに軽口をたたいた後、アザラシ号は出航した。ホームズに断られたサーシャは、ペガサスを駆ることにした。ところが旅立つところをマルス神殿のマルジュに見つかり、レダに行くのなら一緒に乗せろ、断るなら王妃に言いつけると脅迫される。マルジュは地下迷宮に入ったまま行方が分からない父親が心配。サーシャのペガサスならば地上を行くより早くイストリアにつけるからと自分勝手な言い分。サーシャが「ケイトがいる入植地までしか行かないから」と断っても、それでもいいからと引き下がらない。やむなくペガサスに同乗させることにした。
(8)クリーヌは戦後、上げた腕を活用して隊商などの用心棒をしながら暮らしいる。この日も近くの町まで来たついでに、話に聞いていたヴェガの故郷「シュラムの里」を訪ねたが、ヴェガは出稼ぎに出ていて不在。そして、ヴェガの妹<7004>から意外な過去を知らされる。
(9)ゼノと出会ったサーシャは彼らの旅に協力することになる。その旅の中で、彼女はサムエルという青年に惹かれて行く。
(10)マルジュはベネトでメリエルと再開。彼女から4神殿の統合の計画が進んでいることを聞かされる。周囲が勝手に進める政略結婚の話に、二人は反発するが、ブラド伯爵に囚われたメリエルをマルジュが命がけで助けたことから、メリエルの心は少しづつ変わってゆく。
(11)マーテルはサリア王の特使としてマール王リチャードに会見し、援軍を申し入れるが、リチャードは一顧だにしない。彼はサリアが野心を持っていると考えている。その傲慢な物のいいようにマーテルは切れて、リチャードの独りよがりを激しく叱責する。
>>
TSの続編を考えていた頃のメモですね。
1では影の薄かったロナルド(ロナード)の設定を生かそうと考えていたようです。
この構想に基づき書き上げたのが次のシナリオです。
ついでにTS・BS毎に整理してコメントも付けときました。
発売元の公式設定ではありませんのでお間違いのないように。
>>>>
邪神の祭壇での戦いから1年の後…
【カナン王国】
セネト王子が弟19代カナン王となり、有能な臣下らとともに、荒廃した王国の建て直しに勤しんでいたが、先の戦争による傷跡は大きく、また王妃の選考や王妹ネイファの処遇に起因する諸侯らの対立もあって、若きカナン王は内政問題に忙殺される日々を送っていた。
☆カナン連合—カナン王国を中心とする5王国の連合。
【リーヴェ王国】
晴れてメーヴ王女と結ばれたリュナン公子が第17代リーヴェ国王となり、二人で協力して国政改革に乗り出すも、改革を望まない旧勢力の貴族らの抵抗は激しく、いまだその志半ばである。
☆リーヴェ王国の下には、ゼムセリア公国、ラゼリア公国、ノルゼリアの三大公国を初めとする12の有力な独立国家(封建領主)があり、それらを敵に回しては国王といえども地位を保てない。リュナンはラゼリア公爵でありながら、諸侯らの推戴によってリーヴェ国王の地位についた。これは一代限りのものであり、メーヴェ王妃に男児が誕生して成人すれば、彼は退位してその地位を息子に譲ることになる。もしメーヴェ王妃以外の女性に男児が生まれたとしてもその子には王位継承権はない。【4つの聖王国はその始祖が女性でありながら、女性が王位に付くことを認めていない(ただしユトナの血筋は絶対であり、血統そのものは女系でも可)。これはユトナ王妃が残した法典(一般にユトナ法典と呼ばれ、リーベリアの国々に共通する法律や慣習の祖となったもの)起因するものである。ユトナは自分の子孫たる娘達が権力を得てカルバザン皇帝のようになることを恐れ、女性の王位継承を固く戒めた (聖竜の力は女性にのみ現れるため)】
【サリア王国】
4王国の中で唯一国王が健在であるが、長年の幽閉生活に健康を蝕まれ、今も病床の中にある。
ただ一人の後継者であるマリア王女はまだ年若く、王国の復興は、セルバの太守レオンハート(公爵)に託されているが、サリアもともと好戦的な遊牧民族の多い土地柄であり、先の内乱の影響もあって各地で紛争が絶えず、王権の支配は一部に留まっている。
☆かつて大陸の中央草原地帯は、多くの部族国家が割拠し抗争に明け暮れていた。カーリュオン王の治世17年、リーベラント王国から若き名将カールアイス将軍が、少数の部隊を率いて中央草原地帯に遠征し、先住部族たちに和解を促した。好戦的な遊牧民達がそう簡単に服するはずもなく、戦いは十数年に及んだが、彼の武勇と誠実さに、やがて族長達は調停を受け入れるようになる。カールアイスはセブラム川の上流に砦を築き、セラードの太守として
その後も先住民族たちの平和と繁栄に尽力した。彼が40を過ぎた頃、当時エルマ神殿の巫女であったユトナの末娘サリア(当時はまだ16歳であったという)と激しい恋に落ち、やがて二人は結ばれる。カールアイス(公爵)の死後、嫡子アーダンベルトは草原の部族長たちの推戴を受けて彼らの王となり、ユトナ王妃の承認を得てサリア王国を建国した。【リーヴェ、カナンに次いで3国目、カーリュオンはすでに病死していたがユトナ王妃はいまだ健在であった】
【レダ王国】
レダ地方の現状は4聖王国の中でも、最も悲惨である。
ユトナの聖戦(ノルゼリアの悲劇からグエンの滅亡までの戦いを当時の人々はこう言った。正確には第三次ゾーア戦争。前10年の北方解放戦争を含める場合はガーゼル戦争と言う)が終わり、ティーエ王女が帰国した後も、レダ地方は作物の不作や伝染病の発生が続き、困窮した人々はやがて流民や山賊となって隣接地域になだれ込んだ。
このことが原因となって、各地で住民同士の衝突が相次ぎ、やがてそれは、ティーエの下にまとまりかけていたレダの諸勢力が再び分裂する兆しとなる。当時のレダの政治状況は以下の通りである。
ティーエ王女 17歳。ユトナの娘レダから見て48代目の子孫となる。女系的にはまさに直系であり、その証拠にレダの聖痕を左の胸の上に持つ。ただし先にも述べたように、ユトナ法典の定めにより直系の子女が国の支配者(つまり女王)になることは許されない。今後正当なレダ王になれる資格を持つものは、彼女が生んだ男子(あるいは彼女の娘が生んだ男子)だけであるため、リチャードたちレダの有力諸侯はティーエ王女の獲得に必死である。(仮にティーエ王女を妻としても、それで自動的に王になれるわけではない。血統的に正当な国王が不在、あるいは未成年(15歳以下)の場合はレダの巫女(レダの女系女性で聖痕を持つものであれば直系でなくてもかまわない。この場合、ティーエがそれに当たる)が仮の王を決定する権限を持つ。ティーエは15歳になった時点でその権限を有したが、何か心に秘めていることがあるらしく、レダの王位はいまだ空白である。聖戦から半年後、レダ地方の異常に邪神の影を見たティーエは、後事をリチャードら7名の有力諸侯に託し、自らは女神ミラドナ(エミユ)の力を借りるためシエロ山の地下神殿に向かった。
ロナード王(27)。レダ7国の一つ、イストリア王国の王。イストリアは元々、トレンテに次ぐ名門公爵家としてレダ王家直臣の封建領主であったが、レダ?サリア戦争によって王家が衰退した後は、主家を凌ぐ勢力を蓄え、やがてレダから独立して王国を自称するようになった。その後はガーゼル教団と結んで密かにトレンテ公爵夫妻を殺害し、保護を名目に当時14歳であった公女ティーエをイストリア城に幽閉した。またバルト会戦では西部同盟を裏切り、軍事強国であったマール王国軍を粉砕、その勢いを以て隣国ベネト(共和国)からマール王国へと支配を広げた。しかしユトナ戦役の2年、15歳になったティーエはロナード王子の助けによってイストリアを脱出、トレンテで解放軍を組織して南下し各地で住民の熱狂的な支持を受ける。さらにラトヴィアの辺境地帯で勢力を蓄えていたマールのリチャード王子軍と合流した後は破竹の勢いでゾーナベルテ、マール、ベネトの諸国を解放しついにはイストリア本城の攻略にも成功する。稀代の奸雄と称されたギュネス大公は城と運命を共にしたが、ロナード王子はマールの防衛司令官として作戦中に父王と対立し、配下を率いてティーエに投降したため一命を許された。その後は彼女に忠誠を誓い、リチャードと共に実戦部隊の両輪として活躍する。イストリア陥落後は、祖国の復興と王位の継承を許され、ティーエたちがグエンカオスとの戦いに旅立った後もレダに残って治安の維持に努めた。リチャードとは正反対に紳士的で実直な人物、ティーエに命を救われた後は、女神を見るような一途さでひたすら忠節を尽くしている。まあ、いい男かも…。
☆その他いろいろ
(1)OPでユニの身を気遣うゼノ。ナルサスが生存していればユニの過去の一部が明らかになる。ユニはもともとベネト公国の公爵家に連なる貴族の娘で裕福に暮らしていたが、14歳のときに公都ベネト市がイストリアの侵略にあい、家族を殺され家も失った。生きてゆく望みを絶たれたとき、サムエルという吟遊詩人の青年に助けられてマールに脱出。だがそのマールも戦乱となり、彼は手下だった下っ端の盗賊ナルサスにユニをゆだねて、海路グラナダに行き、領主のヴァルス提督のもとに身をゆだねるように言った。盗賊の技術はナルサスからならった。
(2)後に登場する吟遊詩人のサムエルはヴァルス提督とマールの踊り子との間に出来たこどもで、ホームズの異母兄に当たる。そのことを知っているのはサムエル本人とヴァルスのみだが二人とも口には出さない。<母親が病死する13歳くらいまではたまに会っていた。死後、グラナダに引き取ることを申し入れたが、サムエル自身が拒否し家を出たという経緯がある。その後は会っていないが、ヴァルスを憎んでいるわけではない。ヴァルスはサムエルからの手紙でユニとナルサスをグラナダに引き取り、二人をホームズに託したのであるが、むろんホームズは何も知らない>
二人がグラナダに行ったのは、ホームズがグラナダを脱出する半年前のこと。
(3)ゼノは12歳までイストリアの貴族の家で奴隷として働かされていた。その家を逃げ出して、追っ手に殺されそうになったときにヴェルス提督に救われグラナダへ行った。彼もまたホームズに預けられ、2年間はシーライオン船員として働いた。ユニと出会ったのはイスラに行く半年前だが、特に親しいわけでもなく、彼はユニの過去を何も知らなかった。ゼノはティーエの一つ下の弟。ティーエが生まれて一年後にゼノはトレンテの宮殿で生まれたが、その直後謎の一団(後年、グエン率いるガーゼル魔道軍と判明)に宮殿が襲われて公爵は殺害、母親も重症を負った。ただ高位の司祭でもあった母親が転移の術でゼノを城外に逃がし、ゼノは郊外の道端に転送され、旅の商人夫妻に拾われて6歳まで幸せに暮らした。しかし旅の途中に盗賊に襲われて養父母は殺され、彼はイストリアの奴隷市場で売られた。それから6年間、貴族の家で家畜以下の暮らしを強いられることになるのである。むろん母親である公爵夫人はゼノの捜索に全力を尽くしたが、グエンに狙われている中で公にすることも出来ず、また拾った夫妻が旅の商人で、直後に国を離れたこともあって発見できなかった。結局重臣らは公子の生存は絶望と考え、公爵・公子ともに殺害された旨、国民に発表した。<姉であるティーエもそう思っていた>。先にイストリアで養われていたレダ国王<トレンテ公の弟→イストリアの王妹と結婚し、その後イストリア王ギュネスの後押しで、滅亡した王家を再興させた>も子供が無いままに病死(実際は変死)していたため、レダ王家の血脈は、ティーエただ1人を残して絶たれたと思われた。
(4)公爵を失ったトレンテ公国では善良な重臣らが公爵夫人とティーエ公女を守って国を維持したが、7年後、ティーエが12歳のときに公爵夫人が病死し<夫人はグエンの襲撃以来、ずっと病床にあった>、トレンテは隣国イストリアに事実上併合される。このとき、ティーエ公女は保護という名目でイストリアに連れ去られ、ロナルド王子の手助けによって脱出するまでの3年間、王宮内の一室に幽閉されていた。ギュネス王はティーエが15歳になれば自分の長男と結婚させてレダの国王に据え、レダ王家の簒奪と全土の支配を狙ってたのである。
(5)第二王子のロナルドは誠実な男で、3年間の間、一回りも年下のティーエに優しく接し、心を奪われてゆく。そのティーエが、弟から見ても残虐で愚劣な兄の妻になるとはどうしても許せず、二人の婚礼を目前にして、ティーエを逃がす決意をしたのである。<実際は、その後の情勢変化に伴いイストリアはガーゼルと同盟、グエン教皇の強い申し入れにより、ティーエは15歳になればガーゼルに引き渡されることになっていた。>。ロナウドは密かにティーエを逃がしたが、そのことで父と兄から疑われ、マールの占領司令官に任命された後も、悶々とした日々を送っていた。<市民らにはよき施政官であった>。マールから逃亡した後も一軍の指揮官として戦い続けたが、イストリア王宮の戦いでティーエの説得により降伏。その後はティーエの傍にあってよく働き、戦後はイストリアの再興を許されて王位に付いた。マールのリチャード、サマリアのアブサロムとともに、ティーエ王女を支える3重臣の一人として、武勇・智謀共に高く評価されている。年齢28、ティーエの夫候補の1人である。<リチャードは25歳>
(6)ガーゼル教国が崩壊し、多数の兵士が捕虜として囚われた。彼らの処遇に困った5国の諸侯らは大量処刑を進言するがリュナンらの入れるところとならず、一般兵士は武装解除の上釈放と決まる。だが一般民衆の古ゾーア人に対する恐怖と偏見は一夕には納まらず、武装を解かれた多くのゾーア人兵士たちは、行く当てもなく困窮していた。彼らに対する責任に心を痛めていたジークは、その苦悩をケイトに伝え、二人は諸侯らの間を駆け回って、ゾーア人を受け入れてくれる国を探した。その話を聞いたティーエ王女は、レダの西部の無人の地があり、開拓地として提供したいと申し入れた。ジークは数千人の元兵士とその家族らを引き連れ、レダ南西部のラグーナ湿地に入植し開拓村を建設した。<入植は戦いの一月後から随時、三ヶ月後に初期の開拓村が建設された。当面の食料・物資はウエルトから提供された>
(7)ホームズは戦後、グラナダ商船を率いてまじめに働いている。この日もウエルト王に雇われて、ラグーナの開拓村に食料・物資を運んで来た。傍らにはシゲンとアトロムとリーリエとガロがいる。ソラの港でサーシャ王女が密航を図ったが、見つけて追い出したらしい。ケイトに軽口をたたいた後、アザラシ号は出航した。ホームズに断られたサーシャは、ペガサスを駆ることにした。ところが旅立つところをマルス神殿のマルジュに見つかり、レダに行くのなら一緒に乗せろ、断るなら王妃に言いつけると脅迫される。マルジュは地下迷宮に入ったまま行方が分からない父親が心配。サーシャのペガサスならば地上を行くより早くイストリアにつけるからと自分勝手な言い分。サーシャが「ケイトがいる入植地までしか行かないから」と断っても、それでもいいからと引き下がらない。やむなくペガサスに同乗させることにした。
(8)クリーヌは戦後、上げた腕を活用して隊商などの用心棒をしながら暮らしいる。この日も近くの町まで来たついでに、話に聞いていたヴェガの故郷「シュラムの里」を訪ねたが、ヴェガは出稼ぎに出ていて不在。そして、ヴェガの妹<7004>から意外な過去を知らされる。
(9)ゼノと出会ったサーシャは彼らの旅に協力することになる。その旅の中で、彼女はサムエルという青年に惹かれて行く。
(10)マルジュはベネトでメリエルと再開。彼女から4神殿の統合の計画が進んでいることを聞かされる。周囲が勝手に進める政略結婚の話に、二人は反発するが、ブラド伯爵に囚われたメリエルをマルジュが命がけで助けたことから、メリエルの心は少しづつ変わってゆく。
(11)マーテルはサリア王の特使としてマール王リチャードに会見し、援軍を申し入れるが、リチャードは一顧だにしない。彼はサリアが野心を持っていると考えている。その傲慢な物のいいようにマーテルは切れて、リチャードの独りよがりを激しく叱責する。
>>
TSの続編を考えていた頃のメモですね。
1では影の薄かったロナルド(ロナード)の設定を生かそうと考えていたようです。
この構想に基づき書き上げたのが次のシナリオです。
世界設定[00508]
?レダ・サリア戦争(土火戦争)
ユトナ暦778年?785年(リーヴェ・カナン戦争の約40年前)
7年間に渡ったレダとサリアの領土戦争は、レダの守護聖竜クラニオンの出現によってあっけなく終止符が打たれた。猛り狂うクラニオンは800年の歴史を誇る両大国の街や村を次々と破壊し、本来ならば守るべきであるはずのレダの都をまでも、その紅蓮の炎で焼き尽くした。レダ王国の末路は悲惨であった。狂王と呼ばれたアストライオス7世は、自らが呼び出したクラニオンによってその身を焼かれ、レダの一族をも滅亡に追いやった。全ては古の理に反したが故の、哀れな結末であった。
レダの都を炎の海にした後、クラニオンもまた忽然と消えた。人々は荒れ果てた大地に為すすべも無く、ただ呆然と座り込むだけであった。それほどに戦争の傷跡は深く、国家の再建は容易ではなかった。
王家を失ったレダでは、生き残った有力諸侯たちがリーヴェ・カナン両王国の斡旋を受け入れ、サリアとの和平条約に調印した。もはや戦争どころではなかったのである。
<キーワード⇒ユトナ暦785年:レダ・サリア休戦・和平条約の締結>
?レダ王国の滅亡による政情の混乱
ユトナ暦785年?
戦争は終わった。だがレダの民の苦しみは終わったわけではなかった。
レダ王家の滅亡により、レダの支配下にあった各地の勢力(地方領主や自由都市、あるいは無頼集団のようなものまで含む)が統制を失い、各々がかって気ままに領民を支配するようになったのである。法は失われ、争いが日常化し、治安は著しく悪化した。領主の圧制は留まるところを知らず、各地で市民や農民による反乱が繰り返された。支配者側の過酷な弾圧が火に油を注ぎ、旧レダ領内の混乱は日に日に悪化する一方であった。そして、こういった不安定な政情が土台となって、後に大きな災いとなる「ガーゼル教国」が成立してゆくのである。
?ガーゼル教国の誕生
ユトナ暦786年
現在の地に王都が定められて600年、「黄金の都」と形容されるほどに栄華を誇ったレダの都も、クラニオンによって完全に破壊し尽くされ今や見る影も無い。かつては10万とも言われた市民もその多くは戦火を逃れて各地へ離散し、いまだ瓦礫の街に暮らしているのは行く当てを持たない貧しい人々か、後は盗賊くらいなものである。レダの民にとって第一の聖地であった土の神殿(レダ神殿)は王都の100里ほど東、パンタナ・ラグーナにその威容を誇っていたが、これもまた王国と一体であった土の神官家が滅んだことにより、盗賊たちの巣窟となっていた。終戦の翌年(786年)そのレダ神殿に数人の男女が現れた。
彼らは神殿を支配していた盗賊たちを抹殺し、数日後には数百名にも及ぶ人々が西方から新たにやってきた。彼らは神殿とそれに付属する設備(住居や田畑など)を整備し、一年後には数千名が暮らす[神殿都市国家]に変わっていた。彼らは古の宗教「ガーゼル」を信奉する人々で、西方のカナン帝国に属する自治領[ゾーア]から逃れてきた人々であった。彼らはレダ神殿の跡地に古代神ガーゼルを唯一神とする宗教国家を建設したのである。しかし世界はこの辺境の地に起きた出来事について、いまだ何一つ気づいてはいなかった。
<キーワード⇒ユトナ暦786年:レダ神殿の跡地にガーゼル教国が成立>
?ガーゼル教と古ゾーア人/800年にわたって差別・抑圧され続けてきた人々
パンタノ(州)の西隣にあるゾーア(州)は峻厳な岩山が連なる不毛の大地である。カナン帝国(カナン王国とこれを宗主と仰ぐバージェ・ソフィア・アヴァ・ティラードの4王国で形成される)は頑なにガーゼル神を信仰しユトナ教徒への同化を拒む「古ゾーア人」を「民族の保護」という大義名分の下に不毛の土地に強制的に「隔離」している。つまり、カナン帝国の人々にとって「ゾーアの谷」と言えば、流刑地と同義語であった。
だがこれはカナン帝国に限ったことではない。リーヴェ王国では南方の孤島(イル島)に収容所(別名イル牢獄)を設けて古ゾーア人を隔離しつづけてきた。それも男女を別々に収容して子供を作らせないという念の入れようで、547年に聖者モースの諫言を受け入れて状況が緩和されるまで、家畜同様の扱いを強いてきたのである。
?古ゾーア人とは何者なのか/リーヴェリアの暗黒の歴史
島大陸リーヴェリアの歴史は浅い。人々が知る歴史(神話的なものも含めて)はたった1200年程度である。(むろん、人々がこの大地で営みを始めてからという意味ではない。今日的な科学力があればこの大陸に人が住み始めたのは4,5千年前と判別できる)
しかしリーヴェの先住民には文字がなかった。文字をもたらしたのは、1200年前に他の大陸から渡ってきたユグド人である。彼らが残した歴史書や神話・英雄伝説(後に伝承をまとめた物も含め)から、我々はリーヴェの歴史をある程度知ることができる。
事の始まりは約1000年前、リーヴェ河に沿って国家を建設しつつあった農耕民族のユグド人と大陸西部の丘陵や山岳地帯で狩猟や放牧を生業とする先住民族ゾーア人との接触したことにあった。豊かなユグド人の暮らしを知ったゾーア人は獲物が取れなくなって飢えると彼らの村落を襲い略奪をする。そればかりか家を焼き女、子供を拉致する。むろんユグド人も黙ってはいない。野蛮なゾーア人に対して報復する。そんなことが何十年も繰り返されるうち、ついには全面的な戦争となった。そうなれば文化に優れるユグド人の方が有利で、優秀な武器と組織的な軍隊でゾーア人を圧倒した。このとき、ユグド側にもう少しましな指導者がいれば、話し合いにより解決できたのだろうが、時の指導者はこの機会にゾーア人を徹底的に排除しようと考えた。つまり民族の抹殺(ジェノサイト)を図ったのである。これは結果的にゾーア人に拭い去ることの出来ない憎悪を植え付けることになった。
そして運命の日を迎える。ゾーア人が唯一神として仰ぐ破壊の神ガーゼルが、1人の若い部族長の身に降臨したのであった。 絶対無比の力を手に入れたその若者(カルバザン)はユグド人に徹底的な報復を行い、その後100年間、地上に君臨した。そして暗黒の帝王となったカルバザンとゾーア帝国を打ち滅ぼしたのは、カーリュオンという青年とユトナという少女。カーリュオンはゾーア人の反乱奴隷で、ユトナは生贄として祭壇に送り込まれたユグド人の少女だった。帝国の滅亡後、二人は結ばれ、協力して荒廃した大陸を立て直した。今のリーヴェの地に王都を建設し、元々ユーゼリアという国名であったものを、ユグド後で「愛」を意味する「リーヴェ」という国名に変えた。(ちなみに他の3国、ゼムセリア、ラゼリア、ノルゼリアはそのまま今日の公国名に受け継がれている。リーヴェ大陸、リーヴェ河などの名称も、リーヴェ王国の誕生から派生したもので、古代には別の名称で呼ばれていた。)
カーリュオンとユトナは、大陸に住む全ての人々に訴えたという。長く不幸な時代はあったけれど、今ここに生き残った人は憎しみを後世に残してはならない。もしそれが出来ないのであれば、いずれ必ず人類は滅びるであろう。ゆえに私は、新しく生まれたこの王国に「愛」という名をつけた。1000年の後まで、あなたの息子たち、私の娘たちが、その想いを忘れることがないように。と。
彼は後に、ユトナとの間に生まれた娘たちにも、その想いを受け継ぐように
長女リーヴェ(ユグド語で慈愛という意味)
次女カナン(ゾーア語で勇気という意味)
三女サリア(中部草原に住む先住民の言葉で美徳という意味)
四女レダ(大陸東部の森に住む先住民の言葉で協調という意味)
という名前を与えた。
カーリュオンの想いは、彼の治世40年間とその死後50年間あまりは守られた。
ゾーア帝国で実際に罪を犯したものは裁判の後、法に照らして罰せられたが、その罪が家族に及ぶことはなかった。またカーゼル教を信仰し続けるものにも、リーヴェ王国の法を守る限りは何ら差別することはなかった。だが4王国の誕生(ユトナ女王死去の年/ユトナ暦元年)と、幾度かの世代を重ねるうちにカーリュオンの遺訓はしだいに忘れ去られ、頑なに宗教を守り同化を拒むガーゼル信者を疎ましく思う人々が増えていった。特にガーゼル教徒が多いカナン王国(この当時はカナンの他の4カ国は成立していない)では、国家の恥とする人も多く、民衆の中にガーゼル教徒を憎悪し、迫害する者が増え続けた。これにはリーヴェとの対抗意識の中でカーリュオンをカナン人の誇りとする思い、英雄伝説への憧れが敵役であるガーゼル神への憎悪と結びついているに加え、そのガーゼルをいまだ信仰する人間は帝国に荷担した悪人たちの子孫であり、さらにはカルバザン皇帝の子孫であるとまで思い込む人たちが増えたことにある。これは誤解であることは言うまでも無いのだが、(原始宗教であるガーゼル教を信仰する人は、帝国とは何の関係も無い素朴な山岳放牧民や開拓農民に多かった。彼らは生活が閉ざされているが故にユトナ信仰など新しい宗教に接する機会に恵まれず、ただ昔から知っている、親から子へと代々受け継いできた宗教であるに過ぎなかった。宗教とは一度受け入れてしまうと途中で改宗するのは難しい。なぜなら罪悪感が伴い、無意識に神の報復を恐れるからである)この誤解が後には、ガーゼル教徒自身の思い込みの下地となり、彼らに新たな選民思想(自分たちは偉大なるゾーア帝国の支配者の子孫であり、ユトナ信者は奴隷たちの子孫である)を与えることになる。すなわち、ガーゼル光臨伝説への期待、救済への憧れ、選ばれた民である自分たちガーゼル信徒を侮辱し苦しめるものたち(つまりユトナ信徒)への天罰を思い願うようになるのである。
この状況はユトナ暦3世紀頃からますます顕著になり、カーゼル教徒は益々頑なになってゆく。そしてユトナ教徒(彼らは聖職者でもない限り、別段宗教心が強いわけではない、またユトナは多神教であるユグド神話信仰の中の比較的新しい女神であるに過ぎない、一応リーヴェ4王国の守護女神ではあるが、一般民衆にとっては困ったときの神頼み程度の対象であったようだ。現に大陸には神殿や修道院は多いが、ユトナ女神を祭っているのは王家の4神殿のみで他はそれぞれに目的(ご利益)を有する雑多な神々が祭られている。彼らはユトナを信仰するからガーゼル教徒を疎ましく思うのではなく、彼らの他を省みないあまりに独善的で頑固な姿勢が腹立たしいだけなのである)との間でトラブルが続発するようになり、流血沙汰や暴動も起こり始める。罪を犯したガーゼル教徒を牢屋に入れると他の囚人からリンチを受けて死亡する事例も起こり、頭を痛めたリーヴェ王国では王国南部の海に浮かぶ孤島にガーゼル教徒専用の収容所を建設した。これが312年のことであるのだが、その半世紀後には悪名高いサムオロス王がガーゼル教の禁令を発布し、改宗を拒む大量のゾーア教徒を捕らえてイル島の収容所に送り込んだ。ピーク時には2万人もの人々が小さな島に送り込まれ、過酷な環境の中で半数以上が死亡したと伝えられている。これ以降、モースの改革まで2世紀にわたって悪辣な隔離政策は続けられた。モースの改革により島での自治は許されたが強制隔離政策は近年まで続けられ、正式に法律が撤廃されたのはリュナン・セリオス王による841年の改革まで待たねばならない。
ユトナ暦778年?785年(リーヴェ・カナン戦争の約40年前)
7年間に渡ったレダとサリアの領土戦争は、レダの守護聖竜クラニオンの出現によってあっけなく終止符が打たれた。猛り狂うクラニオンは800年の歴史を誇る両大国の街や村を次々と破壊し、本来ならば守るべきであるはずのレダの都をまでも、その紅蓮の炎で焼き尽くした。レダ王国の末路は悲惨であった。狂王と呼ばれたアストライオス7世は、自らが呼び出したクラニオンによってその身を焼かれ、レダの一族をも滅亡に追いやった。全ては古の理に反したが故の、哀れな結末であった。
レダの都を炎の海にした後、クラニオンもまた忽然と消えた。人々は荒れ果てた大地に為すすべも無く、ただ呆然と座り込むだけであった。それほどに戦争の傷跡は深く、国家の再建は容易ではなかった。
王家を失ったレダでは、生き残った有力諸侯たちがリーヴェ・カナン両王国の斡旋を受け入れ、サリアとの和平条約に調印した。もはや戦争どころではなかったのである。
<キーワード⇒ユトナ暦785年:レダ・サリア休戦・和平条約の締結>
?レダ王国の滅亡による政情の混乱
ユトナ暦785年?
戦争は終わった。だがレダの民の苦しみは終わったわけではなかった。
レダ王家の滅亡により、レダの支配下にあった各地の勢力(地方領主や自由都市、あるいは無頼集団のようなものまで含む)が統制を失い、各々がかって気ままに領民を支配するようになったのである。法は失われ、争いが日常化し、治安は著しく悪化した。領主の圧制は留まるところを知らず、各地で市民や農民による反乱が繰り返された。支配者側の過酷な弾圧が火に油を注ぎ、旧レダ領内の混乱は日に日に悪化する一方であった。そして、こういった不安定な政情が土台となって、後に大きな災いとなる「ガーゼル教国」が成立してゆくのである。
?ガーゼル教国の誕生
ユトナ暦786年
現在の地に王都が定められて600年、「黄金の都」と形容されるほどに栄華を誇ったレダの都も、クラニオンによって完全に破壊し尽くされ今や見る影も無い。かつては10万とも言われた市民もその多くは戦火を逃れて各地へ離散し、いまだ瓦礫の街に暮らしているのは行く当てを持たない貧しい人々か、後は盗賊くらいなものである。レダの民にとって第一の聖地であった土の神殿(レダ神殿)は王都の100里ほど東、パンタナ・ラグーナにその威容を誇っていたが、これもまた王国と一体であった土の神官家が滅んだことにより、盗賊たちの巣窟となっていた。終戦の翌年(786年)そのレダ神殿に数人の男女が現れた。
彼らは神殿を支配していた盗賊たちを抹殺し、数日後には数百名にも及ぶ人々が西方から新たにやってきた。彼らは神殿とそれに付属する設備(住居や田畑など)を整備し、一年後には数千名が暮らす[神殿都市国家]に変わっていた。彼らは古の宗教「ガーゼル」を信奉する人々で、西方のカナン帝国に属する自治領[ゾーア]から逃れてきた人々であった。彼らはレダ神殿の跡地に古代神ガーゼルを唯一神とする宗教国家を建設したのである。しかし世界はこの辺境の地に起きた出来事について、いまだ何一つ気づいてはいなかった。
<キーワード⇒ユトナ暦786年:レダ神殿の跡地にガーゼル教国が成立>
?ガーゼル教と古ゾーア人/800年にわたって差別・抑圧され続けてきた人々
パンタノ(州)の西隣にあるゾーア(州)は峻厳な岩山が連なる不毛の大地である。カナン帝国(カナン王国とこれを宗主と仰ぐバージェ・ソフィア・アヴァ・ティラードの4王国で形成される)は頑なにガーゼル神を信仰しユトナ教徒への同化を拒む「古ゾーア人」を「民族の保護」という大義名分の下に不毛の土地に強制的に「隔離」している。つまり、カナン帝国の人々にとって「ゾーアの谷」と言えば、流刑地と同義語であった。
だがこれはカナン帝国に限ったことではない。リーヴェ王国では南方の孤島(イル島)に収容所(別名イル牢獄)を設けて古ゾーア人を隔離しつづけてきた。それも男女を別々に収容して子供を作らせないという念の入れようで、547年に聖者モースの諫言を受け入れて状況が緩和されるまで、家畜同様の扱いを強いてきたのである。
?古ゾーア人とは何者なのか/リーヴェリアの暗黒の歴史
島大陸リーヴェリアの歴史は浅い。人々が知る歴史(神話的なものも含めて)はたった1200年程度である。(むろん、人々がこの大地で営みを始めてからという意味ではない。今日的な科学力があればこの大陸に人が住み始めたのは4,5千年前と判別できる)
しかしリーヴェの先住民には文字がなかった。文字をもたらしたのは、1200年前に他の大陸から渡ってきたユグド人である。彼らが残した歴史書や神話・英雄伝説(後に伝承をまとめた物も含め)から、我々はリーヴェの歴史をある程度知ることができる。
事の始まりは約1000年前、リーヴェ河に沿って国家を建設しつつあった農耕民族のユグド人と大陸西部の丘陵や山岳地帯で狩猟や放牧を生業とする先住民族ゾーア人との接触したことにあった。豊かなユグド人の暮らしを知ったゾーア人は獲物が取れなくなって飢えると彼らの村落を襲い略奪をする。そればかりか家を焼き女、子供を拉致する。むろんユグド人も黙ってはいない。野蛮なゾーア人に対して報復する。そんなことが何十年も繰り返されるうち、ついには全面的な戦争となった。そうなれば文化に優れるユグド人の方が有利で、優秀な武器と組織的な軍隊でゾーア人を圧倒した。このとき、ユグド側にもう少しましな指導者がいれば、話し合いにより解決できたのだろうが、時の指導者はこの機会にゾーア人を徹底的に排除しようと考えた。つまり民族の抹殺(ジェノサイト)を図ったのである。これは結果的にゾーア人に拭い去ることの出来ない憎悪を植え付けることになった。
そして運命の日を迎える。ゾーア人が唯一神として仰ぐ破壊の神ガーゼルが、1人の若い部族長の身に降臨したのであった。 絶対無比の力を手に入れたその若者(カルバザン)はユグド人に徹底的な報復を行い、その後100年間、地上に君臨した。そして暗黒の帝王となったカルバザンとゾーア帝国を打ち滅ぼしたのは、カーリュオンという青年とユトナという少女。カーリュオンはゾーア人の反乱奴隷で、ユトナは生贄として祭壇に送り込まれたユグド人の少女だった。帝国の滅亡後、二人は結ばれ、協力して荒廃した大陸を立て直した。今のリーヴェの地に王都を建設し、元々ユーゼリアという国名であったものを、ユグド後で「愛」を意味する「リーヴェ」という国名に変えた。(ちなみに他の3国、ゼムセリア、ラゼリア、ノルゼリアはそのまま今日の公国名に受け継がれている。リーヴェ大陸、リーヴェ河などの名称も、リーヴェ王国の誕生から派生したもので、古代には別の名称で呼ばれていた。)
カーリュオンとユトナは、大陸に住む全ての人々に訴えたという。長く不幸な時代はあったけれど、今ここに生き残った人は憎しみを後世に残してはならない。もしそれが出来ないのであれば、いずれ必ず人類は滅びるであろう。ゆえに私は、新しく生まれたこの王国に「愛」という名をつけた。1000年の後まで、あなたの息子たち、私の娘たちが、その想いを忘れることがないように。と。
彼は後に、ユトナとの間に生まれた娘たちにも、その想いを受け継ぐように
長女リーヴェ(ユグド語で慈愛という意味)
次女カナン(ゾーア語で勇気という意味)
三女サリア(中部草原に住む先住民の言葉で美徳という意味)
四女レダ(大陸東部の森に住む先住民の言葉で協調という意味)
という名前を与えた。
カーリュオンの想いは、彼の治世40年間とその死後50年間あまりは守られた。
ゾーア帝国で実際に罪を犯したものは裁判の後、法に照らして罰せられたが、その罪が家族に及ぶことはなかった。またカーゼル教を信仰し続けるものにも、リーヴェ王国の法を守る限りは何ら差別することはなかった。だが4王国の誕生(ユトナ女王死去の年/ユトナ暦元年)と、幾度かの世代を重ねるうちにカーリュオンの遺訓はしだいに忘れ去られ、頑なに宗教を守り同化を拒むガーゼル信者を疎ましく思う人々が増えていった。特にガーゼル教徒が多いカナン王国(この当時はカナンの他の4カ国は成立していない)では、国家の恥とする人も多く、民衆の中にガーゼル教徒を憎悪し、迫害する者が増え続けた。これにはリーヴェとの対抗意識の中でカーリュオンをカナン人の誇りとする思い、英雄伝説への憧れが敵役であるガーゼル神への憎悪と結びついているに加え、そのガーゼルをいまだ信仰する人間は帝国に荷担した悪人たちの子孫であり、さらにはカルバザン皇帝の子孫であるとまで思い込む人たちが増えたことにある。これは誤解であることは言うまでも無いのだが、(原始宗教であるガーゼル教を信仰する人は、帝国とは何の関係も無い素朴な山岳放牧民や開拓農民に多かった。彼らは生活が閉ざされているが故にユトナ信仰など新しい宗教に接する機会に恵まれず、ただ昔から知っている、親から子へと代々受け継いできた宗教であるに過ぎなかった。宗教とは一度受け入れてしまうと途中で改宗するのは難しい。なぜなら罪悪感が伴い、無意識に神の報復を恐れるからである)この誤解が後には、ガーゼル教徒自身の思い込みの下地となり、彼らに新たな選民思想(自分たちは偉大なるゾーア帝国の支配者の子孫であり、ユトナ信者は奴隷たちの子孫である)を与えることになる。すなわち、ガーゼル光臨伝説への期待、救済への憧れ、選ばれた民である自分たちガーゼル信徒を侮辱し苦しめるものたち(つまりユトナ信徒)への天罰を思い願うようになるのである。
この状況はユトナ暦3世紀頃からますます顕著になり、カーゼル教徒は益々頑なになってゆく。そしてユトナ教徒(彼らは聖職者でもない限り、別段宗教心が強いわけではない、またユトナは多神教であるユグド神話信仰の中の比較的新しい女神であるに過ぎない、一応リーヴェ4王国の守護女神ではあるが、一般民衆にとっては困ったときの神頼み程度の対象であったようだ。現に大陸には神殿や修道院は多いが、ユトナ女神を祭っているのは王家の4神殿のみで他はそれぞれに目的(ご利益)を有する雑多な神々が祭られている。彼らはユトナを信仰するからガーゼル教徒を疎ましく思うのではなく、彼らの他を省みないあまりに独善的で頑固な姿勢が腹立たしいだけなのである)との間でトラブルが続発するようになり、流血沙汰や暴動も起こり始める。罪を犯したガーゼル教徒を牢屋に入れると他の囚人からリンチを受けて死亡する事例も起こり、頭を痛めたリーヴェ王国では王国南部の海に浮かぶ孤島にガーゼル教徒専用の収容所を建設した。これが312年のことであるのだが、その半世紀後には悪名高いサムオロス王がガーゼル教の禁令を発布し、改宗を拒む大量のゾーア教徒を捕らえてイル島の収容所に送り込んだ。ピーク時には2万人もの人々が小さな島に送り込まれ、過酷な環境の中で半数以上が死亡したと伝えられている。これ以降、モースの改革まで2世紀にわたって悪辣な隔離政策は続けられた。モースの改革により島での自治は許されたが強制隔離政策は近年まで続けられ、正式に法律が撤廃されたのはリュナン・セリオス王による841年の改革まで待たねばならない。