大津市教委:富田新教育長を選任 改革へ決意 /滋賀
毎日新聞 2013年02月20日 地方版
昨年暮れから空席が続いていた大津市の教育長に19日、富田真氏(64)が選任された。富田氏は市役所で記者会見し、いじめを受けていた同市の中2男子生徒の自殺問題を巡り「なぜこうなったのかと腹立たしかった。重責だが市教委のマネジメントを立て直し、大津市民の負託に応えられる組織に変えなければ」と述べ、市教委改革への決意を示した。
富田氏は同市の旧関西日本電気に勤務。05年4月から4年間、県内初の民間出身の公立高校長として県立瀬田工業高校長を務めた。
会見で「校長経験を通して学校経営の質が低いと感じた。公開・公平・公正を理念に、教員がのびのびと明るく教育活動にまい進できる環境を早急に取り戻すことが最大の任務だ」と語った。直ちに取り組む対策として、学校・市教委での朝の読書と掃除を挙げた。
越直美市長は富田氏を起用した理由として「市教委は市民の信頼を失い、組織改革が急務。民間と教育現場の双方でマネジメント経験を持つ富田氏は適任だ。すぐにでもいじめ対策を頼めると確信している」と述べた。
市教育長ポストは、前任の沢村憲次氏が昨年末に退任後、越市長は閉鎖的な市教委改革のため、第三者調査委員会の報告書を参考に人選するとしていた。富田氏を教育委員に任命する人事案を市議会が議決後、教育委員会の臨時会で選任された。【千葉紀和】