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iPSの臨床研究、理化学研が申請 目の網膜再生、世界初の臨床応用に
2013.2.28 20:58
[westライフ]
理化学研究所は28日、さまざまな細胞に成長する人工多能性幹細胞(iPS細胞)で目の網膜を再生させる臨床研究を先端医療センター病院(神戸市)で実施する計画を厚生労働省に申請した。厚労相の了承意見を経て実施されれば、iPS細胞を使った世界初の臨床応用になるとみられる。
研究責任者で理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダー(51)らが同市で記者会見し、臨床研究の申請を「治療に向けた一歩を踏み出そうとしているところ」と説明。「研究生活が終わるまでには標準的な治療にしたい」と語った。
計画では、目の奥にある網膜が傷み、視力が急激に失われる「滲(しん)出(しゅつ)型加齢黄斑変性」の治療法開発を目指す。患者自身の皮膚を採取してiPS細胞を作り、網膜の色素上皮細胞に成長させてシート状に加工したものを注射して移植する。
皮膚の採取や移植手術はセンター病院の眼科が担当。細胞は、理研の培養施設で加工する。
人間への移植は初となるため、まずは異常が起きないかを6人の患者で確認するのが主な目的。今回の計画では、症状が進んで視力が相当落ち、既存の薬を使っても効果の出ない患者が対象のため、移植による視力の大幅な回復は見込めないという。
本格的な視力回復を図るのは、より早期の患者に試す次の段階の試験になる。
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