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ダニ媒介の新感染症 死者は5人に
2月26日 11時45分

ダニ媒介の新感染症 死者は5人に
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先月、国内で初めて確認されたダニが媒介する新たな感染症で、8年前にも長崎県の男性が死亡していたことが国立感染症研究所の検査で新たに分かりました。
これでこの感染症による死者は5人になりました。

厚生労働省によりますと、新たに感染が確認されたのは長崎県の当時60歳代だった男性で、8年前の平成17年秋、発熱などの症状が出て入院し、その後、死亡したということです。
死因が分からなかったため、医師が残していた血液を国立感染症研究所が調べたところ、SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」を引き起こすウイルスが検出されたということです。
この感染症は先月、国内で初めて感染が確認された新たなもので、これまでに山口、愛媛、宮崎、広島の4つの県で4人の死亡が確認されており、これでこの感染症による死者は5人になりました。
5人はいずれも感染が疑われる期間の渡航歴はなく、厚生労働省は国内でダニにかまれて感染したとみています。
これまでの4人はいずれも去年、死亡していますが、今回の患者は8年前に死亡していることから、厚生労働省はこのウイルスが国内にも以前から存在した可能性が高いとしています。
ウイルスを媒介するダニは、家の中に生息するダニとは種類が異なり、国内でも屋外に広く分布するマダニで、厚生労働省はマダニが多く生息する草むらなどでは長袖、長ズボンを着用し、かまれないよう注意を呼びかけています。

古くから日本にあった可能性

8年前に死亡した男性の血液からSFTSのウイルスが検出されたことについて、動物が媒介する感染症に詳しい北海道大学の有川二郎教授は「男性に感染が疑われる期間の渡航歴がないのであれば、少なくとも平成17年には日本にもSFTSのウイルスが存在していたことになる。日本で見つかっているウイルスが海外から新たに入ってきたものだとすれば特定の地域で流行してもおかしくないが、これまでの患者は時期や場所がばらばらで流行は発生していない。こうしたことから、SFTSのウイルスは古くから日本にあった可能性が高いのではないか」と話しています。

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