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実際の出生率は1.5、ドイツの人口学者

シンガポール2013年02月14日 10:36

人口問題をめぐる議論では、合計特殊出生率(TFR)は人口維持に必要な2.1人が理想的との考えが前提としてあるようだが、人口動態に関する独ウィットゲンシュタイン・センターのボルフガング・ルッツ理事は「2.1との数値は不自然な論理構成だ。極めて長い期間にわたる人口の安定をもたらすものだが、死亡率、移民という要素を考慮していない」と疑問を呈した。


ルッツ氏はシンガポール国立大学(NUS)社会学部が主催したセミナーで講演した。欧州の低出生率を調査した際、独自に開発したツールに触れ「シンガポールのTFR(1.2)は人為的に押し下げられている。実際の、各種要素を考慮したTFRは1.4~1.5」と語った


TFRは1人の女性が一生の間に生む子どもの平均数で、女性の年齢別出生率を総和したもの。子どもを持つ年齢が高くなるとTFRは低くなる。


シンガポールの女性が初めて子どもを持つ年齢は高くなっており、統計に表れる出生率は実際より低い可能性がある。チュア・ベンファット社会学部長は「人口の先行きについて、あまり心配する必要はないと思う」と語った。


ルッツ氏は学歴を考慮した出生率にも言及。「シンガポールのような高学歴社会では将来、1.7のTFRが望ましい」と語った。

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