名古屋グランパスのDF田中マルクス闘莉王(31)がJリーグ開幕戦の磐田戦(2日・豊田ス)を欠場する可能性が出てきた。左アキレスけん痛で26日に引き続き、27日の練習も完全別メニュー。闘莉王は「そりゃあ、出たい」と強行出場に意欲を示しているものの、コンディション次第では出場は難しい。大黒柱を欠いての開幕となれば、チームにとっては大打撃だ。
開幕を目前に控え、グランパスに不吉な空気が漂ってきた。27日の練習では6対6のミニゲームが行われたが、闘莉王がこれに参加することはなかった。グラウンドの脇を黙々とジョギングすると、腹筋や背筋で汗を流し、早々にロッカールームへ消えた。
「痛いよ。(アキレスけんの周りが)はれているみたいだ」。弱音とは無縁の男が珍しく痛みを口に出した。「グラウンドが硬かったからかなあ」と闘莉王。キャンプ地の温暖なタイから真冬の日本へ移動し、環境の変化に肉体が悲鳴を上げたようだ。
これまでも腰やひざに痛みを抱えながら戦い抜いてきた。昨季は別メニュー調整を繰り返しながら、チーム最多の33試合に出続けた。今回も磐田戦に出場できる可能性は残っているが、見通しは明るくない。
「明日(28日)、病院に行きます。それでどうなるか」と闘莉王。別メニューで回復を待つだけではダメと判断した事実が、アキレスけんの状態の悪さを物語っている。
闘莉王のピッチ上での存在感は言わずもがな。いるといないとではグランパスは全く別のチームになる。ストイコビッチ監督は「タブン、ダイジョウブ」と強行出場に期待をかける。闘莉王も「出場? わからない。そりゃあ、出たい」と望みを捨てていない。
練習後、闘莉王は1時間以上かけて入念に患部をケアした。この執念が実を結ぶことを願うしかない。 (木村尚公)
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