環境省は25日、東京電力福島第1原子力発電所事故で高濃度の放射性物質に汚染された「指定廃棄物」について、最終処分場の候補地を選び直すことを決めた。民主党政権が候補地とした栃木県矢板市と茨城県高萩市が強く反発したため、両県や市町村長が参加する意見交換の場を改めて設け、話し合っていくとした。
井上信治環境副大臣は25日の記者会見で「(候補地選定は)ゼロからだ。全ての市町村を選択肢として新たに始める」と表明した。
指定廃棄物は放射性物質濃度が1キログラム当たり8千ベクレル超の焼却灰や下水汚泥など。国の責任で処分するが、処分場は各県につくる。環境省は昨年、矢板市と高萩市をそれぞれ候補地に選んだが、両市は事前調整がないなどとして白紙撤回を要求。同省は選定方法の検証を進めていた。
25日に公表した検証結果では、途中段階の説明や選定結果の十分な事前説明などがなく「県や市町村と意思疎通が不足していた」と指摘。安全性について地元の十分な理解も得ず、地域の具体的意向を吸い上げる仕組みもなかったと批判した。
同省は今後、処分場の設置が必要な栃木、茨城、群馬、千葉、宮城の5県についてそれぞれ市町村長会議を設置。処分場の必要性や選定する際の評価基準、提示方法などについて理解を得られるようにする。3月中には新たな有識者会議も設け、意見を求める。
ただ、同省はこれまでも有識者による検討会で選定方法を議論してきた経緯もあり、井上副大臣は「一定の合理性の中で進めていると思うので、似通った結果になることも否定できない」と指摘。矢板市や高萩市が再び選ばれる可能性は排除しないとした。
環境省の工程表では、昨年9月末までに5県で場所を選定し、今年8月ごろ造成工事に着手、完成した工区への廃棄物搬入を2014年7月から順次始める計画だった。だが現時点で候補地は一つも決まっておらず、進捗は大幅に遅れている。
東京電力、井上信治、福島第1原子力発電所、指定廃棄物
日経平均(円) | 11,253.97 | -144.84 | 27日 大引 |
---|---|---|---|
NYダウ(ドル) | 13,994.43 | +94.30 | 27日 11:25 |
英FTSE100 | 6,332.36 | +61.92 | 27日 16:25 |
ドル/円 | 91.78 - .80 | -0.05円高 | 28日 1:20 |
ユーロ/円 | 120.28 - .30 | +0.05円安 | 28日 1:20 |
長期金利(%) | 0.675 | -0.005 | 27日 17:53 |
NY原油(ドル) | 92.63 | -0.48 | 26日 終値 |
各種サービスの説明をご覧ください。