相棒 9-10「聖戦」

2011年01月02日(Sun) 21:36

今年も恒例元日SP!!

『右京、風邪をひく』以来の古沢脚本で
何かもう予告あたりから既に面白そうだったんだが……
期待値が高かったせいかイマイチ……(オイ)
南果歩は素晴らしかったんだが!! もう最高でしたが!!

古沢氏=キャラ脚本家であると認識しているせいなのか
神戸の残念すぎる扱いに関して色々と言いたいことがありまくりで
すっきり楽しめなかった。いくらなんでもこれはひでえw
正月にやたらテンパっちゃう某首席監察官さんがいないのが
こんなに残念だったこともないなw 真面目な面でも(後述)

事前にインタかなんかで出てたように、警察サイドの出番が少なめなんで
今年もそんなに長々とは書かない方向で。

あと、とても辛口です。ダメな方はバック。

■爆発
冒頭、劇場版IIでかかりまくってた曲(kyrieのやつ)からきたよ!
と思ったんだけどその後も全編にわたって連発しすぎてて
これはいい曲であっても安売りしすぎだろうと思った……

寿子「プレゼント」

どかーん! お約束、ちょっと残念系CGww
しかし恐ろしいわ南果歩……! やり遂げ感のあるあの笑顔。
全編にわたって狂気の塊であった。

■一課のポジション
爆弾で吹っ飛ばされた旦那の遺体を夏実に確認させ、現場へ連れてくる三浦。
ここでの3人の行動が三者それぞれ『らしい』なあと。

幼い娘・秋穂を「大丈夫」って安心させる芹沢。
さっそく聴取を始めようとする伊丹。
せっかち気味な伊丹に「もう少し待ってやろう」と声をかける三浦。

こうして見るとやっぱりトリオのバランスって素晴らしい。
あと今回つくづく思ったのは、伊丹ってやっぱ声いいわーってことだろうか。
何かもう取調べとか聴取とかのシーンでいちいち声がよすぎてやべえ! と思った。

伊丹のショートコートが今年もかわいいです(はいはい)

■3度w
鑑識課。
どうやら遺留品の爆弾を米沢は調べているらしい。
右京も当然のように同席。あれ? 神戸はまだくっついてきてない?

米沢「(部品を手に取り)これは、何だと思いますか?」
右京「電波の受信機」
米沢「つまり、リモコン爆弾ですなあ」
右京「そうなりますねえ」
米沢「(別の部品を手に取り)これは、何でしょう」
右京「電波の受信機」
米沢「(さらに別の部品を手に取り)では、これは……」
右京「……電波の受信機。ひとつで、よさそうなものですがねえ」
米沢「たくさん付ければ、感度が良くなると考えたのかもしれません」

シュールな応答だなw

■お留守番
鑑識から戻って来た右京。特命では神戸が新聞を読んでいる。
お帰りなさいとも言わずいきなりコレだよ↓

神戸「楽しかったですか? 爆弾オタクの集いは」
右京「君、僕は楽しくてやっているわけではありませんよ」

態度悪いなお前! 何その言い草w
思えばここから既に何か『変』だったのかもしれん(穿ちすぎ)

■違うよ!
富田寿子の聴取帰りの一課@車内。
やっぱ運転は芹沢がご担当ですかー。

三浦「夫は3年前にガンで病死。
   パートを掛け持ちしながら、ひとりで質素に暮らしてる」

芹沢「どこにでもいる、ただの主婦って感じでしたね」
三浦「爆弾なんか使えるかよ……」
芹沢「息子が死んだのだって、もう12年も前の話ですからね」
伊丹「……女房だな」
三浦・芹沢「え?」
伊丹「折原夏実、気になってたんだ。
   たまたま自分たちが旅行中に、夫が爆殺されるなんて出来すぎてる」

三浦「家族を疑うのは鉄則か……」

かっこいい渋い声で仰ってくれるのは大変いいのだが、違うw
そこが伊丹クオリティw

■お、お前ら……
一課が夏実に事情聴取中、特命参上。
相変わらず嫌そうな顔する伊丹だが、ここの小芝居がw

伊丹が人差し指で神戸に「しー」のジェスチャーしたら
神戸は口にチャックで返すんだぜ! お前ら……おっさんなのに……

あと神戸、入って来る時に画面奥で秋穂ちゃんの相手してる芹沢に
サムズアップしてる? お前ら……おっさんn(略)

■お、お前ら……(2回目)
被害者宅が見える丘の上の公園までやって来た特命。
ちょっと息切れしてる神戸は運動不足なのかw

2台並んだブランコに迷わず近付き、漕ぎ始める右京さん。
神戸も便乗してブランコを漕ぎ始めたと思ったら
右京さんは身軽に飛び降りですよ! 何なんだお前らw

右京「使用された爆弾は、家を丸ごと吹き飛ばす威力はありませんでした。
   現に、破壊されたのは寝室の……それも内部だけ」

神戸「実にご近所への配慮が行き届いた犯行ですね」

言い回しが面白いよ神戸w

さらに、ビスケットを拾う右京。

右京「ビスケット」
神戸「……え!?」

当然ながら右京は神戸の考えてることより常に1歩2歩先まで思考が進んでるのが
この辺りの会話と行動のズレで見えて面白い。

■怖いww
寿子宅を訪ねた特命。
カステラが無いので、と出されたビスケットを見て唖然。

寿子「ビスケットお嫌いでした?」
神戸「いえ、寧ろ大好きです(かじる)」

神戸の引き攣り気味リアクションがおかしいww

ひとまず退散。

右京「信じがたいですが、彼女でしょうねえ……」
神戸「信じがたいですが、そうでしょうね……」

しかしもう寿子が凄すぎてな……
愛想のよい応対と裏腹に去った特命を見る眼とかビスケットかじってる姿とか
全てが恐ろしすぎるわww

■広人の人生
寿子の息子、広人の人生。

心臓病を克服→いじめで不登校→ひきこもり……
だったのが、好きな機械いじりのできる製作所へ採用され、
「もう心配かけないからさ。今まで……ごめんね、母さん」
息子が自ら立ち直るなんて嬉しかっただろうにと思うのだが……

コカインでラリった男にバイクではねられ、広人は死亡。
可哀想過ぎる……

その時に広人が持っていたプレゼントは寿子宛の口紅。
メッセージには『誕生日おめでとう。もっと人生を楽しめよ』
だああああああああすげえ孝行息子じゃねえかああああああ

この時はまだ、寿子も「二度と……過ちを繰り返さないように……」とか
言える余裕があったんだろうが。

でもこの『もっと人生を楽しめよ』が、
後々の行動に繋がるスイッチだったんだなあと思うと……
いやー……いたたまれないわ……その後の寿子の人生も色々と辛い。

■寒気がw
今度はカステラ持って寿子の家に訪問した特命。
寿子は既に『自分が疑われている』と自覚しているのにとにかく大胆w
しかしここの右京と寿子のやり取りは寒気がするほど恐ろしいw

寿子「ふふ……何だかホントに私が犯人みたい」
右京「もしそうだとしたら、自首をおすすめします」
寿子「(笑う)」
右京「……そんなに、おかしいですか?」
寿子「だってそうじゃないですか。
   杉下さんの仰るとおり、私が犯人で、証拠を消すために
   部屋をクリーニングしたんだとしたら、そんな人物が自首しますかぁ?」

右京「仰るとおりですね」
寿子「でしょお? 矛盾してますよ。
   もし私が犯人だとしたら、こう言いますね。
   ……『だったら証拠を持って来い』」


で、ふたりして爆笑ですよ。画が怖過ぎて神戸どん引きだよww
この場に同席してたのが不幸ですなあ。

神戸「初めてですよ。ただのおばさんに寒気がしたのは……」
右京「あまり、見くびらない方がよさそうですねえ」

いやー……ホントに。
爆弾を使った理由とか実際に犯行に及ぶまでの下準備とかが
この後描かれるんだがまあ恐ろしいとしか言いようがない。
普通じゃないわこの執念www

■うん……
寿子の策略で犯人に仕立て上げられかけている江上。
江上の母親は余命いくばくもない状況。
刑事たちに対してひたすら「申し訳ありません」じゃな……
一課もすげえ気まずそうだわ。

で、ここらあたりから神戸の様子がおかしくなってきた。
何か病気の祖母とかそういうことにトラウマでもあるんかと
言いたくなるような落ち込みっぷりなんだが。

神戸「……江上を救ってやりたいとは思いません。
   しかし、息子が殺人犯だと思い込んだまま死のうとしてる、
   母親の心くらいは救ってあげたいです」

右京「同感です」
神戸「だったら、悠長にやってる暇、無いんじゃないんですか?」
右京「はい?」
神戸「僕は、僕で勝手にやらせて頂きます」
右京「……(溜め息)」

最後の溜め息。右京が保護者のようだww
抑制の利かない感情と取ればそれはそれでいいのかもしれないが
神戸がどうしてここまで入れ込んじゃったのか、それが理解できん。
しかし右京も「同感です」と言うところまでは同じなんだけどな……
最後の最後で決定的に割れたね、今回は。

■暴走しすぎwww
で、さっそく神戸は単独行動開始。
夏実と秋穂の仮住まいを訪れ、寿子の写真を見せる。
すると秋穂は「この人知ってる!」と。
そうだよね、実際に寿子が盗聴器仕掛けた時に鉢合わせてるんだもんね!
って1年以上も前のことなのによく覚えてるなこの子は……

しかしこれでさらに神戸の行動が……マジかよという……
秋穂・夏実を連れ出して無断で面通しさせる。

証言を得たものの、子どもの記憶による証言では逮捕できない。
出直し、と告げるも今度は夏実が納得しない。あーあバカ……

夏実「じゃあ、彼女と話をさせて下さいよ!」
神戸「いや、それ……」
夏実「私が直に話せば彼女だって冷静ではいられないはずです。
   必ずボロを出す。うまくやってみせますから!」

神戸「……」
夏実「私が勝手にしたことにすればいい」
神戸「……、失礼」

そこで悩むなよ! やらせるなよ!!
おバカさんな神戸はダッシュボードを開けて、手錠を避けて
小型ICレコーダーを夏実に渡す。

神戸「このボタンを押すと、録音されます。気をつけて」

信じられん……神戸がこんなに判断力の無い奴だったとは……
別の意味でショックな展開ですよ! 「気をつけて」じゃねえよww
さらにここで出た手錠が終盤でまた……いやーがっかりがっかり。

■案の定w
夏実、憎悪を抑えきれずに直球勝負。
しかし寿子は全然動じないのであった。どころか。

夏実が落としたICレコーダーをすかさず拾って無効化。
夏実を羽交い絞めにしつつ「最高の気分よ。あんたの亭主をバラバラにできて」
恐ろしすぎるwwww

けどこれで夏実がついにブチ切れ錯乱。
神戸も流石に乱入せざるを得なくなる。大失敗すぎるだろ!!
ホント読みが甘いというかなんというか……
これ普通に懲罰対象になると思うんですが。

右京「向こうが事を荒立てていれば、君の処分は免れないところです」
神戸「……」

叱るわけでもないが、右京さんのこういう態度は堪えるよねー。
なまじ頭がいいだけに、手痛い失敗が堪える。

■捕まった
江上、病院の母親に会う前に捕まる。
今回ばかりは完全に濡れ衣なんだが……あーあ。

で、そのことは入院中の母親にも知れるわけだが……

恵理子は嘘を吐くときに腕組みをする話。
確かに一課の面々に「弟とは絶縁した」とか言ってた瞬間に腕組んでたわ。

■果たして。
再び、病院を訪れる特命。捜査状況は進捗なし。
相変わらず、江上には殺害の疑惑がかかったまま。

そしたら神戸、とんでもないことを言い出した。

神戸「……無実だったって言いましょう」
右京「はい?」
神戸「だから、『あなたの息子は犯人じゃなかった、警察の間違いだった』って
   お母さんに言うんです。僕たちが言えば信じるでしょう」

右京「君は、何を言ってるんですか?」 ←本当に理解不能の眼差し
神戸「だって、杉下さんだってそう思ってるわけだから」
右京「しかし事実はまだそこに至っていません」
神戸「時間が無いんですよ」
右京「嘘を吐くに等しい行為です」
神戸「嘘だったっていいじゃないですか。
   この嘘で誰が困るんです? 誰が傷つくんですか?
   ……死んじゃうんですよ。自分の息子は、人殺しじゃなかった。
   そう思って息を引き取らせてあげられるなら、それでいいじゃないですか」

右京「警察官の矜持に反します」
神戸「……あなたの言う矜持って何ですか?」
恵理子「あの……いいですよ。嘘なんか吐いて欲しくありませんから」
神戸「……」

この後の神戸、すんごい眼で右京のこと睨んでるんだがw
どんだけ入れ込んでしまったんだ神戸。
右京の融通の利かなさも半端ないしひどいと思うのだが、
これをもうひとりの当事者の前で言い放つ神戸も相当に無神経だろう。
ここまで神戸が入れ込んじゃってる理由が全くわからない。
やっぱり本人の実体験に触れる何かがあったくらいじゃないと
ここまでの暴走は引き起こせないと思うのだが。気になるなあ。

で、これで今後のエピソードでも特に理由が何もなかったら
それはそれでがっかりだ。

■嫌味だけではない
右京は右京で神戸のことを理解不能と思う反面、
全く切り捨てているわけでもないんじゃないかと思っている。
実際ここでは多少折れてるわけで。宥め方が上手いとでもいえばいいのか。

右京「僕たちのやるべきことは、一刻も早く真実を正すことです」
神戸「……では訊きますが、昨日一日、何してたんですか?」
右京「富田寿子の旧い知り合いや、亡くなった息子さんの旧友などに、
   話を聞いて回りました」

神戸「で、収穫は?」
右京「いいえ。これといって」
神戸「捜査本部の後をなぞって、ご苦労様です」 ←嘲笑混じりでひどいw
右京「これから、Nシステムのデータを調べようと思います」
神戸「N?」
右京「過去2年間に及ぶ、彼女の来るまでの行動を考察します。
   ……手伝ってもらえると助かります」

神戸「現場付近で確認されていたとして、それが証拠になりますか?
   それこそ、一課がやってたことだと思いますが」

右京「僕の興味はそこではありません。僕は人を捜しています」

実際、互いの痛いところを突くような関係がいいとは思っているが。
あくまで対等に痛いところを突き合って頂きたい(何だそれは)
これだけ見てると神戸の大人げなさがひどいなw 拗ねてるというか。

そうだ、Nシステムといえば神戸にとっちゃ十八番(のはず)ですわな。
右京さん、頼み方が上手いのか。

■BGMがw
南雲プロダクションに眼をつけた寿子が見ていた番組が
何て言うか……東映だなあw

そしてその番組のBGMがSeason1のOPだったw

■こいつは……
頼みの綱、寿子の協力者と目された南雲社長の証言も取れず。
出てきたところで神戸に着信。
で、結局江島の母親は息を引き取った、と。

神戸「江上健造の母親が、たった今息を引き取りました。
   (溜め息)……後悔してますよ。
   あなたに逆らってでも、嘘を吐くべきでした!」

右京「……」

また凄い眼で睨むw
普段みたいに悪態吐くならまだいいんだが無言で睨むと怖い怖い。
そしてしれっと無視する右京さん最強です。

■やぶさかでない
寿子が他に爆弾を所持している可能性がある以上、その所在も明らかにする必要がある。
江上の取調べをしている捜一に声をかけて取調べを変わる、じゃなくて
捜一を部屋の外に連れ出して相談をもちかけるという珍しいパターン。これは新鮮だ。

右京「あなた方は、殺人捜査のエキスパートです。
   既に十分感じているはずです。江上は単なる生贄であり、捜査は誘導されたと」

三浦「しかし……江上は状況的に真っ黒なんだ。放り出すわけにいきませんよ」
神戸「江上の部屋に富田寿子が侵入して、爆薬を散布した可能性だってあるでしょ」
三浦「侵入なんてそんな簡単には……」
伊丹「芹沢、令状取れ」
芹沢「何の?」
伊丹「富田寿子にガサ入れるぞ」
三浦「おい伊丹」
伊丹「責任は俺が取る」

芹沢、無言でダッシュ。

伊丹「言われたからやるんじゃありませんよ。やろうと思ってたんです」
神戸「勿論そうでしょうとも(にっこり)」

やっべえええええ伊丹めっちゃ協力的ー!!
「責任は俺が取る」とか言えちゃうなんてかっこよすぎだろww
神戸がひどい分伊丹で取り返したわww

それにしても右京さんも誘導うまいよこれはww
神戸がいかにも「やるじゃん」てな顔で右京のこと見てるのがちょっとかわいい。
お前反発したり見直したり忙しい奴だなw

で、ここまでしても寿子の方が上手。
なーんにも、出ない。ホントに手強い女だな……最凶だわ。

■賭け
寿子の部屋に野球帽だけが無い。
息子の遺品を大切にしていたはずなのにそれはおかしい、ということで
右京は最後のはったりを仕掛けるわけだが……
勿論この寿子は笑いを堪えてるんだろうなあと思いました。ええ。
右京よりも上手の女ってすげーな。その点は燃えた。

そしたら今度は夏実がナイフ持って寿子を刺しに行こうとするし。
未遂で止めたけど先に気付いたのはやっぱり右京さん。
ホント神戸のスペックダウンが半端ない回だなあ今回……

■便利な時代になりました。
所轄刑事の監視の目を欺いて、寿子は逃走。
しかしGPS機能で位置はわかっている(口紅かー!!)
iPhoneって便利ですなあ……

右京「蓼科方面ですねえ……
   (夏実に)我々が勝つか、彼女が勝つか、正直わかりません。
   ですがいずれにせよまもなく決着がつきます。……行きましょう」


あら、こんなに簡単に居場所ばらしちゃっていいのかな右京さんw
しかし『戦争』と言われたからとはいえ右京さんも本気だなあ。

■ラスト。
蓼科の別荘に居た寿子。
しかしそこには2つ目の爆弾が……
寿子の目的は『折原を殺し、なおかつ自分も絶対に捕まらない』こと。

何故か今回に限りやたら察しの悪い神戸は
2つ目の爆弾が自爆用途だと思い至ってなかった……よな?w
取り敢えず右京の目論見としては野球帽の件で寿子を追い詰めて、
自爆しようと2つ目の爆弾のところまで案内してもらえれば
爆弾そのものが動かぬ証拠となる、ということだったようだが。

まさかの寿子の方が上手。

寿子「来ないで! 探す手間、省いてあげますよ……
   はったりだと思ってる?」

右京「いいえ」
寿子「もっと離れないと、巻き込まれますよ。こっちの爆弾はちょっと大きいから。
   ……お別れを言う前に、ひとつ訂正させてもらうわ。
   あなたたち、大きな勘違いをしてるから。
   私はねぇ、追い詰められてここに来たんじゃないのよ。
   だって広人の野球帽は、絶対に見つかりっこないって私知ってたもの。
   あのホームレスが、絨毯を持って行こうとした時、私が考えないと思った?
   野球帽も持ち去られてる可能性を。古着屋巡りしたら、2軒目で見つけたわ。
   そう! 買い取ったのは私。とっくに燃やしたわ!
   それを得意げな顔で、見つかるのは時間の問題だとか言っちゃって。
   笑い堪えるのが大変だったわよ!」


寿子様すげえええええええマジ上手すぎてやばいwww
神戸はもう問題外、これはもう右京さんも負けだw

■おいww
その頃。何と夏実が右京たちの後を追っかけて蓼科へ。
おまけにやたらと目立つ神戸の車のドアを勝手に開けて……

後でわかるんだが神戸の手錠を持って行ったんだな……
神戸……ロックぐらいしてくれ……
ていうか単なる車上荒らしならまだしも手錠盗られるとかアホすぎて泣きたいww
警察官としてどうなんですかそりゃww

もう間違いなく後でラムネさんに怒られて頂きたい。

■ゴール。
寿子の告白。

寿子「何故ここに来たか……? ここがゴールだからよ。
   この2年間、折原を殺すって決めてから、全てが変わったわ。
   こんな自分になれるなんて思わなかった。最高よ。私は今、最高に幸せ。
   だって、広人の仇を取ったんだもの!!」

神戸「……!」
寿子「だから今、ここで全部を終わらせるの。
   広人が大好きだったこの場所で……最高に幸せな私をあの子に会わせてあげるの。
   あの子もきっと喜ぶわ……それが私の本当のゴール。わかった?
   だからあなたたちの役目はもう終わったの! 出てってください!!」


これで、ああ、このひとは本当に壊れてたんだなと。
広人の『もっと人生を楽しめよ』、その言葉が全てだった気がする。
確かに寿子はこの復讐のおかげで人生を謳歌してたわ。輝いてたし。

3年前の寿子は雑誌の読者モデルスカウトにも引っ掛けられない地味なおばさんだったのに
復讐を生きがいに据えてからの生き生きっぷりときたら。
だってその後は読者モデルの優秀者で掲載されちゃうんだよ。

■乱入。
もうあとは自爆されるだけ、というところで何故か夏実が乱入。
素晴らしい手錠捌きで自分と寿子を繋いでしまう。

……なんで?(唖然)

夏実によれば、蓼科は折原が罪の告白をした土地だそうな。
本編中では一切描写されてないのだが、折原には贖罪の気持ちがあったんだそうだ。
聞き込みをしていた右京と動揺、広人の旧友などを訪ね回ったのかもしれないらしい。
実は折原っていい奴だったのか……へええー……

さらに、夏実のお腹の中には新たな命が宿っていると指摘する右京。
まあ女性が頻繁に吐き気を催してたらドラマではつわり描写だわな……

右京「広人君に言えるんですか? 無垢な命も道連れにしたと。
   それが、広人君の望みですか? 広人君、喜びますか?」


結構ベタな説得だな……w

寿子「広人はねぇ、訳も分からず殺されたのよ!!
   あんたの夫はね……絶対に幸せになんかなっちゃいけない人間なのよ!!」

夏実「彼は自分が幸せになったんじゃない……私と秋穂を幸せにしたのよ!」

これで寿子が陥落。あらー……何でだろう。
この壊れ具合なら間違いなく一緒に吹っ飛ぶと思ったのに(ひどい)
取り敢えず、相棒もろとも吹っ飛んでBAD ENDは回避できてよかった。

夏実「これが私の、復讐よ……」

思い通りに死なせてなんかやらない、か。わかりやすい復讐だ。

■崩壊
収監されて、完璧精神崩壊状態の寿子。
こうなるとやっぱ哀れだな……
爆弾で吹っ飛んだ方がよかったんじゃなかろうか。

ていうかUFOか歌ってたの!!

■たまきさんきたー
一応事件解決。花の里で一杯。
時期的に年末とも年始とも違う感じがするなあ今回は。
いったいいつ頃の話なんだろうか?

たまき「何だか元気ありませんねえ」
右京「僕にはついに、富田寿子という人物がわからなかったように思います」
神戸「そりゃあわかりませんよ、あんな人」
右京「強いて彼女を言い表すならば『母親』……その一言に尽きるのかもしれません」
神戸「確かに。夏実さんにしてもそうですよね。まさかあんな行動に出るなんて」

いや少なくとも前半のファミレスでの一件は想定の範囲だろうw
蓼科の方はまだしも……ていうかホント今回はつくづく神戸いいとこねえな……
元気が無いのも結局そういうことではないのかw 自分のふがいなさにがっかりとか。

たまき「お二人にも理解できないこと、まだまだあるんですね」
右京「元より、人の心など、完全に理解できるとは思っていませんが」
神戸「結局、僕たちは傍観者でしかないんですかね……」
たまき「人間は所詮、分かり合えないってことですか?」
神戸「かもしれません」
右京「しかし、分かり合えないからこそ、分かり合おうとする努力が大事なのでしょう」
たまき「そうですよね。
    人は誰しも心の中では、自分のこと分かってもらいたいって思ってますから。
    何だか悲しいけど、人間っていとしい生き物ですね……」

右京「……」

ちょw 神戸がドライすぎて事件中と同一人物じゃなくなっているw
あんだけ熱く情に絆されまくり冷静な判断を失っていた人は一体どこへいったのかww
右京もなんかわざわざ分かり合おうとするタイプの人間とは思えんのだが
まあたまきさんの前だからいいのかなあ。たぶん。そういうことにしておこう。

■覚え書き
※全面的にネタバレ込み注意

 富田寿子 犯人

 折原忠志 被害者、12年前富田広人をバイクではね殺す
 折原夏実 忠志の妻
 折原秋穂 夏実の娘(連れ子)

 富田広人 寿子の息子、12年前バイク事故で死亡
 富田邦夫 寿子の夫、3年前にガンで他界

 江上健造 折原に麻薬を勧め、爆弾製造技術もあり
 江上恵理子 健造の姉
 江上初子 健造・恵理子の母

 岡部 レストランのフロアマネージャーっぽい人
 南雲幸次郎 南雲プロダクション社長


で、実際どうなのというと……
もう最初に書いたとおり、期待値が高かったせいか、がっかりだったw
いや元日SPはだれたりがっかりだったりなのは折り込み済みといえばそうなんだが
今回はシーズン前半も面白くて劇場版IIも面白くて色々いい感じにきてたので
余計にがっかり感が増したのは事実かなと思う(ひどいw)

あくまで個人的に、立ち位置・視点からして
神戸の思考が一番入れ込みやすいポジションだと感じるので
自分でも意外なくらい神戸贔屓で観てたんだなあと自覚を深めた今回。
いや勿論ずっと伊丹が一番好きなんですが。(とってつけたようだw)

というわけで何が一番残念だったかって、神戸のキャラ造形。
キャラ脚本家だと認識していたのにまさかこうなってしまうとは……ある意味想定外w
マグロ回のラムネに比肩する残念っぷりを披露されちゃったので
今後の神戸のポジションに大変な危惧を覚えております。なんてこったいw

今回ラムネの出番が無かったのが惜しい! というのはまさにその点。
神戸の問題行動の数々を是非ともラムネさんに処分して頂きたかった!!
去年の正月はせっかく「刑事として」の自覚が芽生え始めてきた頃だったというのに
この有り様はいったいどうしたことだ!!

まあ刑事として一人前になるまでの過渡期と思えばいいのかもしれんが
きちんと学ぶ神戸にしてはお粗末なミスばっかりで悲しかったなあ。
しかもそれが情に絆されたところに起因してるのが……えええー! みたいな。

そういう意味では、神戸のキャラが亀山と同じ方向にシフトしてたのが厳しい、かなー
(そこんとこは明確に区別して欲しかった)
いや寧ろ、今回の『刑事』としての振る舞いは亀山に遥かに劣ると言わざるを得ない。

S8から劇場版IIの経過も含め、神戸にも相当に熱いところがあるのはわかっているが、
情に突き動かされて思考と行動を『支配』されてしまうタイプではない、と思う。
勿論、情に『後押し』されることはあると思うけど。
思考・行動の基礎はあくまでも理にあるだろう。と認識しているのだが。

これって『暴発』回であったみたいな、神戸なりに押し通したい『信念』じゃないよね?
「息子が犯罪者と思い込んだまま死なすのはかわいそうだから嘘吐いてあげたい」って
何なんだホント。流石にこれは頭が痛いww

夏実を利用して自白証言が取れるかも、なんて亀山時代でもやらん手段かと。
判断力の低さに衝撃を受けた。素人でもあれはまずいと思う。
あれでマジで傷害沙汰になってたらそこで神戸終了だった危険がありすぎるわ!w

と、散々非難させて頂きましたが。
でも一応、神戸が『刑事として』、という過渡期にある人間なのは承知してるんで。
ちょっとしたスイッチが入って(今回の場合はあのばあさんか)冷静な判断を失うという
危うい側面を描くという意味では、こういう回があってもいいのかなとは思う。
まだ完全に神戸のキャラクターが確立したとは思ってないし。
あるいはこれだけ揺らぐ理由(本人の家庭環境に問題があるのか?)が
そのうちきちんと描かれれば別にいいのかもしれん。
だからその後のフォローなし・自己反省描写ナシなのが悲しいわけだがw
例えば安易に監察官聴取という名の説教があったりしてくれれば解決!(自分だけだ)

それから上記とはまた別に、
この話は時系列的に劇場版IIの後に来てる話のはずなんで、
今回の神戸の行動に関してどうしても納得いかない点があるんだよな。
ということでここからは劇場版IIも含めネタバレあり

<一応反転>

1)盗聴系の録音ではたとえ自白を取っても意味がなかろうよ。
 ということをアナタは劇場版IIで嫌と言うほど思い知ったのではなかったのか。
2)劇場版IIで大河内が朝比奈に影の管理官を教えたことを地味に非難しておきながら
 しれっと同じことをしているアナタは一体なんなんだ。
 幼い娘に非公式で面通しをさせ、被害者妻を犯人に思いっきり接触させるとかホントどうなの。


</反転ここまで>

全然成長してませんがな。というかこれはもはや別人だろw という勢いでは……
そもそも違法捜査にはいい顔をしないタイプだったはずだし
いくら「時間が無い」と焦ってたからとはいえやっぱり無理があるなあこれは……

流石に『相棒』の作品そのもののターニングポイントとなった
劇場版IIの件をスルーして今回の『聖戦』を作ったんだとしたら
それはいくらなんでもチェックが甘すぎるのではないかなあと思う。
古沢脚本の株、今回に関しては猛烈に大暴落だったわ……

個人的にはストーリー関係でできるだけ色々書きたかったと思ったのに
まさかのキャラ脚本家と認識している脚本家の話でキャラ話に終始する羽目になるとはw
ストーリーに触れる余力がもう無いww


それ以外。
今回はやっぱり南果歩の演技が輝いてたな……
正月早々にはやっぱり相応しくないのかもしれないが、
寿子が自爆エンドを迎えていたらまた評価は違ってたかも……いやいや神戸暴走は帳消しにできんなw

犯人に逃げ切られたといえば『殺してくれとアイツは言った』が思い浮かぶが
あれに近い終わらせ方はできなかったのだろうか。
今回に関してはもう特命の敗北は間違いないんだから、
徹底的に負けて終わるというのも悪くないんじゃないかなーなんて素人考えを提案。

あ、全然どうでもいいことなんだけど
神戸はレザーのロングコートよりも今回のハーフコートのが似合うと思う。
シルエットがそっちのが綺麗に見える気がする。
レザーのロングコートだと引きで観た時に着られてる感が凄いなあと思った。
(別に今言うべき話題でもないw)

それから石野真子の無駄遣いすぎるw
石野真子ならきっと何かまだあるに違いない! とか思ってたら
あれ以上は何にもなかったんで逆に拍子抜けしたのはここだけの話w


<次回>
ブラジリィー脚本ですかー。マジックの人だよね?
あと1/12が遠いのが辛い。

失踪宣告が出てた人が実際に死体で上がる話か。
水死体? 神戸は水死体は初めてだっけか。


番外編。
すいません一番笑ったのがプレゼントコントwww
いきなり楽譜片手にエアーピアノしてる伊丹のインパクトが酷いwww

芹沢「あれ? 先輩何やってんですかこんなところで」

伊丹、慌てて楽譜を後ろ手に隠すが米沢に華麗に擦り取られるw

米沢「これは楽譜では」
芹沢「ええ!? 弾けもしないくせに?」
伊丹「るせぇなあ! これを聴きながらだと弾けるんだよ!
   お前らこそ何持ってんだよ!」

芹沢「オフィシャルガイドブックですよー」
米沢「私は小説、そしてこちらも」
伊丹「アエラ……ボウ?!」
米沢「劇場でしか手に入らない代物です」
伊丹「おい、劇場行くぞ!!」
芹沢「はい!!」
伊丹「急がなきゃ!」

……捜一たちは平和だなあw


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