対馬の盗難仏像、韓国の裁判所が返還差し止め

大田地裁「日本側が仏像を正当な手段で取得したことが確認されるまで」

 昨年10月、韓国の窃盗団が長崎県対馬市の寺社で盗み、韓国に持ち込んだ仏像について、裁判所が当分の間、日本への返還を差し止める決定を下した。

 大田地裁民事21部(キム・ジンチョル裁判長)は26日、忠清南道瑞山市の大韓仏教曹渓宗浮石寺が韓国政府を相手取って申し立てていた、仏像の占有移転を禁じる仮処分を決定した。浮石寺にあった金銅観音菩薩坐像(写真)を、対馬の観音寺が正当な手段で取得したということが裁判で確認されるまで、日本への返還を差し止めるというわけだ。

 地裁は判決理由について「日本の観音寺が仏像を取得したルートについて判決が確定するまでは、韓国政府は浮石寺が仏像の占有権を委任する裁判所の執行官に引き渡すべきだ」と述べた。これにより、韓国政府は裁判が終わるまで、仏像を日本に引き渡すという意思を表明できなくなる。なお、金銅観音菩薩坐像の実物は国立文化財研究所が保管する。

大田= 禹正植(ウ・ジョンシク)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
関連ニュース