韓国軍の次期戦闘機(F-X)導入事業で有力候補機種となっているロッキード・マーチン製のF35Aのエンジンに欠陥が見つかり、試験飛行が中断された。欠陥原因が深刻だった場合、2016年からの次期戦闘機60機の導入を前提に組まれた韓国軍の空軍力強化計画に支障が出る事態も予想される。
AP通信などによると、米国防総省は19日、米カリフォルニア州エドワード空軍基地でF35Aを点検中、エンジンの重要部品である低圧タービンのブレードにひびが発見されたと発表した。ロイター通信によると、ひびは1.5センチの大きさだという。これを受け、米国防総省は開発中のF35全機種の試験飛行中断を決めた。
米国防総省は「エンジンの欠陥が戦闘機にどんな影響を与えるか把握する段階には至っていない」と説明した。F35Aのターボファンエンジンはロッキード・マーチンと米エンジンメーカーのプラット・アンド・ホイットニーが共同開発した。
空軍向けのF35Aだけでなく、海兵隊向けのF35B、海軍向けのF35Cも同じエンジンを採用している。昨年末にはF35Bの胴体下部にもひびが生じるなど、大小さまざまな欠陥が相次いで見つかり、F35全体の信頼性をめぐる論議を呼んでいる。
今回問題になった戦闘機F35Aのエンジンのタービンは、燃料の燃焼で生じた爆発力を飛行に必要な動力に変換する装置だ。燃焼したガスが換気扇の羽根状のブレードを通過することで、タービンが回転し、動力が生じる仕組みになっている。今回ひびが見つかったのはブレードの部分だ。
国策シンクタンクの戦闘機専門家は「ブレードが壊れれば、エンジン爆発などにつながることがあり得るため、安全上致命的な欠陥である可能性がある」と指摘した。
メーカー側がひびの原因を分析するには、7-10日間かかる見通しだ。