公明党は25日、党本部で両院議員団会議などを開き、陸上自衛隊のイラク派遣への対応を協議したが、最終的な方針決定は見送り、年明け以降に改めて協議することになった。執行部は治安悪化など現状に大きな変化がなければ、陸自派遣は容認せざるをえないとの判断を固めているが、神崎代表がサマワ視察後、「現地は比較的安全」と評したことが即、派遣容認と受け止められたことへの党内の揺り戻しもあり、決定を見送った。
神崎氏の視察に対しては、自衛隊派遣に反対する勢力が「公明党が自民党の暴走に拍車をかけている」(共産党の市田忠義書記局長)と批判を強めており、「短時間の現地視察で判断できるのか」といった声は政府・与党内からも出ている。
この日の会議でも、「派遣に向け、公明党が政府の背中を押すことにならないか」「訪問の間は戦闘がなかったが、陸自の派遣期間中、ずっと戦闘がないかどうか、どう判断するのか」などの意見が出された。
政府は1月中旬にも陸自の先遣隊を派遣する方向で準備を進めているが、冬柴鉄三幹事長は会議後、記者団に「1月中旬まで、まだ半月ある。その間の事情も見極めざるをえない。ここで方針を決めるような乱暴なことはできない」と語った。
(12/26 02:25)
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