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捨て雪 土淵川埋める/弘前
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自宅の雪を軽トラックで運び川に捨てる男性=26日午後5時半ごろ、弘前市寒沢町 |
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観測史上最深の153センチの積雪を25日に記録した弘前市では、中心部の住宅街を流れる土淵川が捨てられた大量の雪で埋まり、川面が見えない状態が続いている。「ここしか捨てる所がない」と重機やトラックで持ち込み捨てる人もおり、雪かさは増すばかり。川を管理する中南地域県民局は、流れがせき止められて氾濫する恐れがあるとして、大量の雪を一度に捨てないよう呼び掛けている。
同市寒沢町の土淵川は、雪が川岸からなだらかな坂となって対岸までつながっている。川幅約10メートル、深さ約5メートルあるが、弘南鉄道弘高下駅近くの津軽橋から寒沢橋までの約400メートルの間、ほとんど水面が見えない。川沿いの住民はスノーダンプで頻繁に雪を落としており、重機やトラックで雪を運んだとみられる雪の坂もある。川沿いに住む女性(70)は「こんなに水面が見えない状態は初めて。3月になれば水位が上がりそうで怖い」と話す。
「スノーダンプなどで捨てるなら問題ないが、問題なのはトラックなどで捨てた雪」と、同局河川砂防施設課の今井一仁課長。「1カ所に集中して捨てられた雪は、暖かくなれば雨で締まるなどして沈む。流れをせき止めたり、雪の塊が川幅の狭い所に詰まる恐れがある」と言う。土淵川ではこれまで雪による氾濫はないというが、重機などで捨てると雪にごみや油が交じっていても分からないという問題もあるという。
同局は土淵川を中心に川への雪捨てをしないように訴えた看板を10基設置したほか、パトロールも毎日実施。しかし川への大量の雪捨てはなかなかなくならない。26日夕、近くに住むという70代男性が、自宅の雪を軽トラックで捨てに来た。市職員にも注意されたというが「ここしか捨てる所がない」ときっぱり。「そりやスノーダンプを使った雪捨ても全て禁止にするのでなければ納得できない」と言い切ると、雪捨て作業を続けた。
土淵川は寒沢町の下流にあたる土手町の蓬莱橋近くも、流雪溝の出口にもなっているため詰まりやすい。昨年2月には厳しい冷え込みで流雪溝からの雪が水中で固まり、氾濫まで残り50〜60センチまで水位が上がった経緯がある。流雪溝を管理する市道路維持課は、業者に委託して監視を続け、必要に応じて流れを確保する作業を行っている。
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