世界的に成人喫煙者の割合が高いロシアで、公共の場所での喫煙を段階的に禁止していく法律が成立した。公衆衛生を改善するロシア政府の取り組みの一環で、6月1日に発効する。
この法律により、政府関係の建物や職場、医療・教育施設、文化遺産、スポーツ競技場、駅や公共交通機関の停留所付近での喫煙が禁じられる。また、タバコ製品の広告も禁じられ、商店でのディスプレイも禁止となる。ロシア・トゥデイ(Russia Today)によると「店が客に見せられるのはタバコの価格リストだけ」だという。
発効から1年後、同法による喫煙禁止場所はホテル、レストラン、バー、列車に拡がる。そして2014年夏から、テレビや映画での喫煙表現は、それがキャラクターのイメージに不可欠と考えられる場合のみ許されるようになる。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ロシアの成人の約40%が喫煙者で、毎年3900億本ものタバコが消費されているという。これは日本の1980億本(2011年度、日本たばこ協会データ)の約2倍だ。
プーチン大統領はロシア国民の健康促進に大きな関心を寄せている。昨年5月に大統領に就任した際、プーチン大統領はロシア政府が2018年までに平均寿命を74歳に引き上げるという方針を宣言した。
ロシアの現在の平均寿命は、CIAワールドファクトブックによると、66.46歳。ただ、男性が60.11歳、女性が73.18歳とされ、男女差が激しい。なおロシアにいる4400万人の喫煙者のうち、男性の占める割合の方が高く、約60%となっている。
ロシア政府はまた、公衆衛生改善のため、アルコール消費量を抑制することも視野に入れている。ロシアでは毎年2万3千人以上もの人がアルコール中毒で死亡し、アルコール関連死は同7万5,000人に上る。
昨年、プーチン大統領はアルコールの広告を全面的に禁止し、路上売店での販売を制限した。ロシア議会は現在、飲酒可能年齢を18歳から21歳に引き上げる法案について討議を重ねている。
すべてのトピックスをみる - livedoor トップページ