名護漁協に同意申請 国、辺野古移設急ぐ

2013年2月27日 09時28分
(7時間54分前に更新)

 沖縄防衛局は26日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う埋め立てへの同意を求めて、辺野古海域の漁業権を持つ名護漁協に申請書を提出した。政府は3月中にも埋め立て承認申請を県に提出する方向で調整しており、関連法に基づく移設手続きを進めた形だ。しかし、埋め立ての漁業補償交渉の進展は見通せておらず、漁協の同意書提出をめぐる先行きは不透明だ。

 名護漁協の古波蔵廣組合長は26日取材にこたえ、早急に役員会を開いて臨時総会の日程を決めた上で同意申請について審議するとし「埋め立て予定地は演習区域で一般的に自由な漁業活動ができない。私の感覚では九十九%同意できると思う」と述べた。

 一方、漁業補償に関し「補償(の交渉)がいつ終わるか分からず、臨時総会では埋め立てに同意し、その後の交渉を漁協の交渉委員会、役員会に一任する決議になると思う」とした。

 県への埋め立て申請は名護漁協の同意がなくても可能だが、知事が埋め立てを許可するには漁協の同意書が必要となる。

 小野寺五典防衛相は26日の記者会見で「埋め立てには名護漁協の同意も必要だ。事務手続きを淡々と進めていきたい。沖縄の基地負担軽減のため日米合意に基づいて対応したい」との認識を示した。

 防衛省は、埋め立て申請までに漁協の同意を取り付けたい考え。ただ、同意書を漁協側から得るには漁業補償額で妥結する必要がある。これまでの交渉で政府側提示と漁協側要求には開きがあり、早期妥結は見通せていない。

 防衛省の辰巳昌良報道官は会見で「漁協の取りまとめ作業を見守りたい」と述べた。武田博史沖縄防衛局長は「普天間移設を進めるに当たり、まずは地元の皆さんの理解と協力が得られるよう全力で努力していく」との談話を出した。

 一方、仲井真弘多知事は漁協への同意申請について「特にコメントはない。防衛省に聞いた方がいい」と記者団に述べ、不快感を示した。26日の県議会での所信表明演説で普天間の県外移設を求めたことについて「無論だ。(方針を)変えてない」と述べた。

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