田口(左)、牟田(中)らとランニングに汗を流すグランパスのMF中村=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(木村尚公撮影)
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名古屋グランパスのMF中村直志(34)が26日、Jリーグ開幕戦の磐田戦(2日・豊田ス)でのスタメン出場に向けて決意を示した。レギュラー格のMFダニルソンは家庭の事情でコロンビアに一時帰国し、調整が遅れている。昨シーズンを膝の手術でほぼ棒に振ったベテランが、代役としてボランチに起用される可能性が急浮上。ホームでの開幕戦で中村が完全復活を証明する。
プロ13年目の「開幕」は、いつもの年とはやや意味合いが違う。中村が静かに思いを口にした。「開幕戦は確かに34試合のうちの1試合に過ぎませんが、34分の1じゃない部分もある。最初がよければいい流れに乗っていける」。磐田戦を特別な試合に位置づけた。
最後に公式戦のピッチに立ったのは昨年5月6日の川崎F戦(豊田ス)。以降は手術した膝のリハビリに明け暮れた。痛みが引かずに焦りを感じた時期もあったと言うが、2月のタイ・キャンプでは好調な動きを披露。16日のブリラム戦ではミドルシュートでゴールを脅かす場面もあった。「今は膝に痛みがない。順調にきている」。中村は復調の手応えを実感している。
キャンプ中は田口とダニルソンのダブルボランチがレギュラー組。中村は控え組でプレーしていたが、ここにきて状況は一変した。ブリラム戦後にダニルソンがコロンビアへ緊急帰国。23日夜に来日し、26日にようやく全体練習へ合流した。
ダニルソンは「長旅の疲れはあったが、大丈夫。開幕に向けて準備している」と開幕OKを強調しているものの、シーズン直前に10日近くまともにプレーしなかった影響はあるはず。中村がスタメンとして10カ月ぶりに豊田スタジアムに帰ってくる可能性は高まる。
J通算304試合出場を誇る中村。その存在感の大きさを語るのは大黒柱の闘莉王。「オレは選手として直志が好き。もうケガだけはしないでほしいね。(昨季故障に泣いた)直志とケネディが今年の強力な新戦力になるんだ」と言う。
中村は「準備はできている。どんな状況でもチームの助けになるようなプレーに徹する」。いぶし銀の輝きを放つベテランが、いよいよピッチに戻ってくる。 (木村尚公)
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