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序章 終わりの始まり
プロローグ
 目が覚めるとそこは真っ白な世界が広がっていた。
 どこかのアニメのような出だしだが、ただそれしか見えなかったからである。

「……何だここは?」

 一人の男…二階堂紅蓮は今の自分の状況が分からなかった。

「……ッ、し、紫苑ッ!?おい、大丈夫か!?」

 二階堂は辺りを見渡すと数メートル先に一人の女性…姫島紫苑が倒れていたのを発見した二階堂は急いで彼女の元へ駆け寄り抱き起こした。

「…ぐ、紅蓮…ここはどこなの」

「俺にも分からない…それに一体どうなっているのだ」

「フフフッ、教えてあげようか?二人とも」

 二階堂と姫島の疑問の声に答えるかのように後ろから声が聞こえてきた。

「誰だ!お前はッ!?」

 振り向くとそこには如何にも爽やかな好青年らしき男性が居た。
 二階堂は警戒の意味を込め、姫島を庇うかのように立つと背中に備え付けられている二階堂家に伝わる名刀『飛龍斬羽刀(ひりゅうさんぱとう(』を鞘から抜き男性に向けて構えた。

「おいおい。命の恩人に向けて刀を向けるのは止めてくれ」

「「命の恩人だと(命の恩人ですか)??」」

 二人はこの男性が言っている事が理解できなかった。

「そうだよ。申し遅れました、自分はこの世界を司る神様本人です」

 二人は沈黙した。ジト目を自称神様の男性に向けて。

「胡散臭いな」

「本当に神様なんですか?」

「疑っているのかよ…まぁ、それもそうだろう。では、証拠をお見せしましょう」

 そう言うと一回指を鳴らすと二人の目の前から男性が一瞬のうちに消えてしまった。

「「消えたッ!?」」

「フフッ、ここだよ」

 驚く二人をよそに後ろからあの男性の声が聞こえ振り向くと、案の定あの男性が腕組みしながら立っていたのだ。そしてもう一回指を鳴らすとまた消え、先程いた所に現れたのだ。

「本当に神様だったのかよ…」

「確かに…今のを見せられたら信じるしかありませんね…」

「やっと分かってもらえましたね」

「では、神様に聞く。さっきの言葉に有った命の恩人って何だ?」

 それはかなり不思議な言葉だったからだ。

「では説明しよう!!本来君達はあの日、テロによって搭乗していた飛行機に爆弾が仕掛けられそして飛行機ごと爆発、そしてそれが原因で死んだ身となり、あの世に行くはずだった」

 神様はここで一回区切るとまた語り始めた。

「だがしかし、君達をここ…神様の世界に呼んだのは他でもない。二人が居た日本はあの太平洋戦争の無条件降伏から本来日本が歩むべき道を間違ったのだ」

「歩むべき道…?」

「そうだ。本来の歩むべき道は自分の道を自分達で決める自主的動きのある国になるはずになるはずだった。だが、今の日本はアメリカ頼り、他国の動きを気にするばかりのまるで自主的動きの無い国へと変わってしまったのだ」

「そうだったのか……」

 二人には神様の言っている事が痛いほど分かる。二人とも、海上自衛隊に所属する身であり今の日本の状況を間近で見てきたからである。
 ちなみに二階堂の階級は海将補、姫島は一等海佐である。

「そこでだ。君達を今の日本を変えるために過去に行ってもらいたい」

「過去にですか?」

 姫島が聞く。

「そうだ。これは誰もが経験した事のない数十年規模の大事業だが……それでもやってくれるか?」

 これを聞いた二人は互いの顔を見合わせ、そして何かを決意したのか決意に満ちた顔で神様に言う。

「俺達二人を…その世界に転生させてほしい」

「それを待っていたよ。だが、君達二人だけだと物足りないから私から三つまで君達が願う物をプレゼントしよう。何を望む?」

 そう聞かれると二人は後ろを向き相談し、そして意見がまとまったのか神様の方を向き言った。

「ではまず『紫電改』『烈風』『陣風』『震電』『富嶽』等の航空機の設計図や『大和』『改大和』『超大和』型戦艦、『翔鶴』『大鳳』『雲龍』型航空母艦、『秋月』型防空駆逐艦、『伊400』型潜水艦等の設計図、『誉』発動機、『ネ20』『ネ20改』ジェットエンジンの実物と設計図これが一つ目、二つ目は転生する日本の状況を日本優勢になるように補正、三つ目はレーダー、ソナー、近接信管、ヘッジホック、KMXの実物と設計図……だな」

「ふむ、なるほど。私からもささやかなプレゼントするよ。まずは艦艇・航空機用ハイオクタン価燃料を10万トンタンカー10隻分、車輛――三式中戦車『チヌ』、五式中戦車『チリ』、五式砲戦車『ホリ』、『ナースホルン』、『ヤークト・パンター』、『ヤークト・ティーガー』駆逐戦車、『コンカラー』『チーフテン』重戦車、航空機――『キ74』『キ83』『キ93』『キ109』『橘花』、『火龍』、Me262『シュヴァルベ』、アラドAr234『ブリッツ』、Ta183『フッケバイン』、ホルテンHo229の5機、5輌ずつとその設計図プラス予備の部品を5万トン輸送艦4隻と共に配備させておくよ」

 そう言うと神様は最後に付け足した。

「そうそう。転生する年は昭和十年で、君達の年齢を19歳にしておくよ。開戦年の昭和十六年の時には25歳になるからな。ちょうどいいだろう」

「了解した。では、お願いします」

「うむ。未来を変えてくれ二人とも。では、頑張ってな」

 そう言うと指を一回鳴らすと二人は一瞬のうちに消えた。

「頑張ってくれよ……あっ、言い忘れたッ!!転生する位置が呉の連合艦隊旗艦で、二階堂には知らないうちに美(少)女が寄って来るハーレム要素を付けた事を言い忘れていた……まぁ、これも中々面白い展開になりそうだな」

 神様はそう呟くと何も無い空間から水晶玉を出し、呪文を唱える。そして水晶玉に何かが写った。
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