【大岩ゆり】東京電力福島第一原発事故の影響を調べている国連科学委員会(UNSCEAR)は、原発から30キロ圏内の1歳児の甲状腺の内部被曝(ひばく)線量を平均50ミリシーベルト未満と推計した。国連科学委員会の責任者が26日、福島市内の国際会議で明らかにした。世界保健機関(WHO)が昨年5月に出した線量推計の半分程度の線量だった。
国連の推計では、WHOの推計に間に合わなかったデータも採用し、地区ごとに典型的な避難行動も考慮して推計した。この結果、1歳児で平均で50ミリシーベルト未満と推計された。
WHOの推計では、浪江町の1歳児の甲状腺被曝線量は100〜200、それ以外の福島県の1歳児は10〜100ミリシーベルトだった。WHOは、20キロ〜30キロの住民の避難は事故4カ月後との想定で、吸入のほか飲食も考慮したが、国連は呼吸による吸入しか考慮しなかった。
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朝日新聞社会部