水俣病訴訟 虚偽証言要請と主張2月26日 17時55分
水俣病の認定を求めた女性が最高裁判所で争っている裁判で、女性の弁護士が「水俣病と診断した医師に、環境省が事実とは異なる証言を裁判で行うよう要請した」として、最高裁に文書を提出したことを明らかにしました。
環境省は「専門家の意見に対して虚偽の証言を要請するような事実はない」としています
この裁判は大阪に移り住んだ熊本県出身の87歳の女性が、水俣病の患者としての認定を求めたもので、1審は女性を水俣病と認めましたが2審で逆転敗訴し、最高裁で争われています。
会見した弁護士によりますと、この裁判では「国立精神・神経センター国府台病院」の名誉院長の佐藤猛医師が、国の依頼を受けておととし、記録などを基に女性の診断を行いました。
佐藤医師は女性を「水俣病である」と診断したものの、環境省の担当者から「熊本県の審査会は水俣病ではないとしている。この判断が妥当だと裁判で証言してほしい」として、2審が開かれていた大阪高等裁判所での証言を要請されたということです。
佐藤医師は証言を断りましたが、女性の弁護士は「医師に対し環境省が事実とは異なる不当な証言を行うよう要請した」と主張し、こうした内容をまとめた文書を最高裁に提出しました。
会見で女性の弁護士は「国は裁判で自分の都合のよい証言をさせようとしており、極めて問題だ」と批判しました。
環境省はNHKの取材に対して「裁判中のため個別の内容についてはコメントを控えたいが、一般論として専門家の意見に対し虚偽の証言を要請するような事実はない」としています。
女性の裁判は来月15日に最高裁判所で双方の主張を述べる弁論が開かれます。
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