【田中久稔】大阪府の女性(87)=熊本県水俣市出身=が同県に水俣病の行政認定を求めている訴訟で、環境省が証言を要請した医師に対し、女性を水俣病と認めなかったのは妥当だと、本人の見解に反する虚偽の証言をするよう繰り返し求めていたことがわかった。医師は証言を断り、出廷しなかったが、女性の弁護団は「許しがたい対応だ」と批判している。
女性は1978年と80年、県に認定申請を棄却され、行政認定を求めて提訴した。一審・大阪地裁は女性を水俣病と認定するよう命令。しかし、大阪高裁は昨年4月、水俣病とは認められないとして訴えを退ける判決を言い渡し、女性が上告している。3月15日に最高裁で弁論が開かれる。
国は控訴審段階で、新潟水俣病の研究経験がある国立国際医療研究センター国府台病院(千葉県)名誉院長の佐藤猛医師(80)に、被告側証人として意見書の提出と証言を要請した。
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朝日新聞社会部