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  母肉 作者:勃起人
拷問
 何とかして母、悠里を絶頂させてみたい息子、悠吾は、実は母が絶頂している最中である事を知らぬままに愛撫の手をエスカレートさせて行った。

 官能の高みを極める寸前の悠里は、その耳に息子の声を微かに捉えていた。

「ねぇ……気持ち良くないの?」

 先程もそうだったが、なんと残酷な問いかけなのだろう。『女の悦び』と『母の務め』の板ばさみに遭っている悠里に答えられるはずが無いのだ。

(そうよ、気持ち良いの……イキそうなの!)

 そう言えたなら女としてどれほど幸せな絶頂を迎える事が出来るだろう。だが、今はまだ早すぎる……息子に無理やり犯された風を装わなければならないのだ。母親として拒絶したが男の力に負けて何度か行為を重ねる内に不意に絶頂を迎えてしまった……と、あくまで息子の無理強いを演出しなければならない。このまま賢母の仮面を脱ぎ捨てたのでは、ただ淫乱な女となってしまうだけなのだから。

 そう考えるといくら不意を衝かれたとは言え、もうイク事は許されなかった。息子の手戯によってどんなに高まっていようと、あの瞬間を迎えるわけには行かないのだ。悠里は固く口を結んでひとかけらの喘ぎ声すら漏らすまいと歯を食いしばって堪えていた。

「………………」

 まるでトゥシューズを履いたバレリーナのようにピンッと伸ばした爪先は、脹脛が攣ってしまうのではないかと思われるほど力が入っている。と同時に、閉じる事を許されない太腿にもかなり強く力が入ってフルフルと痙攣を起こし始めていた。二指で抉られ続けている秘肉はすでにギュウギュウとその指を食い締めてしまっている。

(気持ちいいの……イキそうなの……だからこんな風になってるの)

 悠里はそう叫んでしまいたかった。女の性感とはむごい物で、一度高まってしまったものを意図的に抑える事が難しいのだ。男はどれほど高まっていようと即座にスイッチを切り替える事が可能だが、女はそうは行かない。高まるのも緩やかだが、鎮まるのはもっと緩やかなのだ。たとえ奇跡的な忍耐力で堪え続けたとしても結局、最後は極めてしまう事になるのだ……堪えずに極めた時の何倍もの威力を伴った絶頂を。

 悠里は身体を以ってその事を知っているはずだった。夫とのセックスの時に『お前は堪え性が無いね』と言われた事があった。そして夫の巧みな指戯によって極まる寸前のところまで追い込まれた直後に『少しはイク事を我慢しなさい』と焦らされるのだ。ところが我慢しろと言っておきながら夫の愛撫は止まるどころか、さらに巧みに絶頂ポイントをくすぐっては意地悪をする。そうしてイク寸前の状態でしばらく我慢させられた後に『いいよ、イキなさい』と許された途端、この何気ない一言がきっかけとなって迎える絶頂は拷問から開放されたような安堵感、死の淵から生還したような喜びを伴って一気に弾け、絶叫と共に必ず悠里を失神させていたほど壮絶なものだった。にもかかわらず悠里は今、自ら枷を嵌めるようにしてイク事を我慢してしまっているのである。

(もう少しなの……もっと強くっ! あぁっ、イカせてっ!)

 ほんの少し油断したら口を衝いて出てしまいそうだった。性感の高まりを息子に伝えてしまいたい、そしてその手でめくるめく至福の時へ誘って欲しい。どれほどそう思ったから分からなくなるくらいに果てしなく長い時間を堪えた気がする。その間も悠吾の愛撫は延々と女肉に注がれて否が応にも高まって行った。悠里はこの耐え難い拷問の様な時間は『息子との肉の交わり』を望んでしまった事への罰なのではないかと思いながらも、その背筋を撫でるような背徳感にゾクゾクと肌を粟立てていた。

(ママは感じているはずだ!)

 薄明かりの中で母の様子をつぶさに見ていた悠吾は確信していた。グッタリと横たわっていた時に比べれば、明らかに性感が高まっているように見えるし、体中に力が入ってワナワナと震えているのは快感に堪えている証拠なのではないかと思え来る。そして女肉からは尽きる事なくヌルついた蜜が湧き続けているのだ。
 そんな状態になっても尚、ダンマリを決め込んでいる母の様子を見て悠吾は焦れたように言った。

「イッちゃえばいいのに……」

 まだ幼さを残している少年が口にしたとはとても思えない悪魔の囁きのようだった。ところが、そう言われた瞬間に悠里はイキ始めてしまったのだ! 何気ない息子の一言は、決壊寸前のダムに流れ込む濁流のように一気に水位を押し上げて溢れさせていた。まるで夫が吐いた『許しの言葉』のように限界を超えて堪えていた悠里の起爆スイッチを押してしまう事となり、我慢に我慢を重ねていた悠里をいとも簡単に絶頂へと導いてしまったのだ。

(なぁぁっ、だめっ、い……ィッちゃうっ!)

 ほんの小さなひび割れから起こる些細な水漏れが大規模なダムの決壊を誘発するように、訪れ始めた悦楽の波はその振幅を徐々に大きくしながら次々と悠里を襲い始めた。

(んぁっ!? ダメ……これ……!?)

 思い出した時は完全に手遅れだった! イク事を我慢しろと夫に言われた後に味わう強烈な絶頂、それを彷彿とさせる同種の快感に抗う術は全く無かった。このまま次々と襲い来る波が一枚また一枚と確実に意識を剥いで、やがて失神に至らしめる。酸欠だとかそう言った事よりも、あまりに強すぎる性感がそうさせるのだ。それはスタンガンのような電撃が強さを増しながら何度も襲ってくる感覚かもしれなかった。

「ぅぅぅやっ、イヤッ……んぁぁあああぁぁぁ~~っ!!」

 まさに獣の咆哮だった。辛うじて悦びを告げる事だけはせずに済んだが、あれほど声を出すまいと固く閉じていた唇がいとも簡単にこじ開けられてしまったのだ。悠里は先程の自慰によって得た絶頂の激しさを生まれて初めてかもしれないと感じたのは全くの勘違いだったと言う事を思い知らされていた。かつて夫に与えられた激しい官能の嵐を今、息子の指戯によって思い出す結果となっていたからだ。

「んっ、んっ、んくぅぅぅ~~~~! なぁぁぁぁあああ~~~~っ!」

 絶叫を上げた母は『イク』そう言って全身を痙攣させたあの時と同じように背中をブリッジさせて両脚を突っ張っている。頭を仰け反らせて息まで詰まらせている様子を見て『きっとイッてるんだ』と思った少年は推測を事実に替えようと懲りずに問いかけていた。

「ねぇ、ママ……イッてるの?」
「ち……ちがぁぁぁぁっ……んうっ……イッてなんんん~~~ぃぃっ」

 母の絶頂を確認するような息子の問い掛けを、息を詰まらせながらもなんとか否定した。
 だが、大きな官能の渦に巻き込まれながら、悠里には疑問が湧いていた。

(……こんな事、どこで?)

 いくら自慰行為で高まっていたとは言え、先程から何度となく我が身を極まらせている指使いや口唇愛撫は、ぎこちない事こそ否めないものの確実に女のポイントを責め立てているのだ。クリトリスはおろか、夫しか知らぬはずの絶頂ポイントまで的確に責め込まれていては、疑問も湧いて来ようと言うものだ。

(ま、まさか……すでに誰かと?)

 最近の若年者の性について全く疎い悠里らしい発想だった。

 インターネット時代と言われて久しいが、その恩恵は多種多様な情報を瞬時にして手にする事が可能であると言う点だ。真偽の程は別としても世界中に溢れる情報の中から性に関する項目を引き出す事など情報端末慣れした若者にとっては造作もない事で、女の性や女体の構造についての知識の源となっているのだ。ましてや成人向けの動画などを当たり前に観る事が可能となれば、頭の中でハッキリとしたイメージを以って疑似体験する事さえも可能なのである。

 今もこうして秘肉を抉っている悠吾に、その様な予備知識が満載されている事など悠里には知る由もなかったのだ。愛する息子の筆下ろしは何処の誰が? いや、この様子では筆下ろしどころか相当ハードな経験まであるとしか考えられない。悠里は嫉妬で胸を焦がす思いだった、あわよくば息子の筆下ろしは自分が……といつも想像していたのだから。

 女として男を独占したい、母として毅然とした態度で接したい、どちらも叶えてくれる素晴らしい方法が無いものかと薄れていく意識の中で模索していたのだが、ここでもう一つの疑問が悠里の中に芽生えていた。

(何故、悠吾が私を?)

 その答えが見付かる前に悠吾が口を開いて言った。

「ねぇ、ママ……ちゃんとイカせてあげる……」

 何と言う事だろう! 悠吾はこれ以上まだ母をいたぶるつもりでいるのだ。ただでさえ意識を失いそうなほど強烈な性感の波に襲われていると言うのに、万が一失神してしまったら意識が無い内に本当に犯されてしまうかもしれない。そんな考えが過ぎった時、それはまさに自分が考えていた通りのシナリオなのではないかと思い付いてしまった……今、イッている事を悟られさえしなければ、このまま身を任せて失神しているフリをするのが一番の方法なのだと。

 しかし、この後で悠里のあてはまんまと外れる事になってしまうのだ。やはり官能の炎に炙られ続け、失神寸前にまで追い込まれた思考では、悠吾の言葉の真意を汲み取る事が出来なかったのだから。






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