著者マクスウェル・テイラー・ケネディ氏はロバート・ケネディ元司法長官の息子であり、ジョン・F・ケネディ元大統領の
甥にあたる。その著者が注目したのが、太平洋戦争で特攻機の突入を受けた米空母バンカーヒルの物語である。
著者は、「特攻」について次のように述べ、そのスタンスを明確に示している。
「彼らの最後の望みは、未来の日本人が特攻隊の精神を受け継いで
強い心を持ち、苦難に耐えてくれることだった。
私たちは、神風特攻隊という存在をただ理解できないと拒絶するのではなく
人々の心を強く引きつけ、尊ばれるような側面もあったのだということを
今こそ理解すべきではないだろうか」
1945年5月11日、沖縄沖の米艦隊を目指し、多数の特攻機が九州から飛び立った。
そして安則盛三中尉(旅順師範学校・21歳)と小川清少尉(早稲田大学・22歳)の搭乗機がバンカーヒルに突入、
この空母は甚大な被害を受け、650名以上が死傷した。本書は、その日の激闘を中心に、そこに至る経緯、
そしてその後を描いたノンフィクションである。
著者は、日米双方の視点でこの戦いを描くべく、何年にも及ぶ綿密な調査を行い、元特攻隊員を含む多数の日米両国の生存者と
その家族を精力的に取材。来日は3度にわたる。
本書は、若き特攻隊員の置かれた立場やその心境を丹念に追いつつ、何が軍部を特攻作戦に駆り立てたのか、隊員たちは、
いかにしてそれを受け入れ、実行できたのかを探ってゆく。そして、バンカーヒルの乗員たちの知られざる英雄的な行為
──水兵とパイロットが力を合わせ、命がけで救助を行い、最終的に艦を守り抜くまでの一部始終──を描き、
極限の戦いの中でそれぞれの国のために尽くした男たちの真実の姿を明らかにした。
これまで日本側資料では、特攻の実際の場面を「当事者」の視点で描くことが難しかったが、米国側の詳細な資料と
元乗員の生の証言を基にした本書は、米兵を震え上がらせた特攻の「実際」を、克明に、そして残酷に描き出している。
最初に突入したのは安則機。空母後方から降下し、爆弾を投下。爆弾は飛行甲板、側壁を突き抜けて爆発。次いで機体が突入、
甲板上の航空機をなぎ倒しながら、海へと落下。多数の艦載機が炎上し、バンカーヒルは大火災を起こす。
小川機も急降下し、爆弾を投下、自身も艦橋基部に突入。爆弾は飛行甲板を貫いて格納庫で爆発、さらに大規模な火災を
巻き起こした。機体そのものも艦橋を破壊、多くの死傷者を出した。
本書は「1945年5月11日の特攻」の単なる記録ではなく、あたかも一編の映画のように、迫真の人間ドラマとして生々しく
再現した物語である。
◆各界からの声 詳しくは下記ページで。
http://heartshuppan.blog59.fc2.com/blog-category-33.html
甥にあたる。その著者が注目したのが、太平洋戦争で特攻機の突入を受けた米空母バンカーヒルの物語である。
著者は、「特攻」について次のように述べ、そのスタンスを明確に示している。
「彼らの最後の望みは、未来の日本人が特攻隊の精神を受け継いで
強い心を持ち、苦難に耐えてくれることだった。
私たちは、神風特攻隊という存在をただ理解できないと拒絶するのではなく
人々の心を強く引きつけ、尊ばれるような側面もあったのだということを
今こそ理解すべきではないだろうか」
1945年5月11日、沖縄沖の米艦隊を目指し、多数の特攻機が九州から飛び立った。
そして安則盛三中尉(旅順師範学校・21歳)と小川清少尉(早稲田大学・22歳)の搭乗機がバンカーヒルに突入、
この空母は甚大な被害を受け、650名以上が死傷した。本書は、その日の激闘を中心に、そこに至る経緯、
そしてその後を描いたノンフィクションである。
著者は、日米双方の視点でこの戦いを描くべく、何年にも及ぶ綿密な調査を行い、元特攻隊員を含む多数の日米両国の生存者と
その家族を精力的に取材。来日は3度にわたる。
本書は、若き特攻隊員の置かれた立場やその心境を丹念に追いつつ、何が軍部を特攻作戦に駆り立てたのか、隊員たちは、
いかにしてそれを受け入れ、実行できたのかを探ってゆく。そして、バンカーヒルの乗員たちの知られざる英雄的な行為
──水兵とパイロットが力を合わせ、命がけで救助を行い、最終的に艦を守り抜くまでの一部始終──を描き、
極限の戦いの中でそれぞれの国のために尽くした男たちの真実の姿を明らかにした。
これまで日本側資料では、特攻の実際の場面を「当事者」の視点で描くことが難しかったが、米国側の詳細な資料と
元乗員の生の証言を基にした本書は、米兵を震え上がらせた特攻の「実際」を、克明に、そして残酷に描き出している。
最初に突入したのは安則機。空母後方から降下し、爆弾を投下。爆弾は飛行甲板、側壁を突き抜けて爆発。次いで機体が突入、
甲板上の航空機をなぎ倒しながら、海へと落下。多数の艦載機が炎上し、バンカーヒルは大火災を起こす。
小川機も急降下し、爆弾を投下、自身も艦橋基部に突入。爆弾は飛行甲板を貫いて格納庫で爆発、さらに大規模な火災を
巻き起こした。機体そのものも艦橋を破壊、多くの死傷者を出した。
本書は「1945年5月11日の特攻」の単なる記録ではなく、あたかも一編の映画のように、迫真の人間ドラマとして生々しく
再現した物語である。
◆各界からの声 詳しくは下記ページで。
http://heartshuppan.blog59.fc2.com/blog-category-33.html