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漫画界の“大事件” マンサンが54年の歴史に幕

漫画界の“大事件” マンサンが54年の歴史に幕
「漫画サンデー」の代表作「蒼太の包丁」
Photo By 提供写真

 先日、54年の歴史に幕を下ろした伝統の漫画誌「漫画サンデー」(発行・実業之日本社)。「マンサン」の愛称で親しまれた同誌の休刊の報道に、編集部には読者から休刊を惜しむ声が多く届いたという。漫画業界関係者にとっても同様で、ツイッターなどインターネット上では「ショック…残念です」といった反応から、現在の漫画界の状況を危惧した書き込みが多く見られた。漫画界にはそれだけ大きな「事件」であったわけだ。

 同誌は1959年の創刊以来、時代とともにさまざまな変遷を遂げながら数々の名作を生んできた。創刊当初はナンセンス漫画が中心で杉浦幸雄、富永一朗ら当時の巨匠が顔を並べるにぎやかな舞台だった。アニメにもなった人気作「ギャートルズ」(園山俊二)もマンサン生まれだ。

 その後、10創刊周年を機にストーリー漫画にシフトしたことで、大人向けエンターテインメント劇画の秀作が数多く登場する。「上を下へのジレッタ」「一輝まんだら」(いずれも手塚治虫)、「劇画ヒットラー」(水木しげる)、喪黒福造が活躍する「黒ィせぇるすまん」(藤子不二雄?)、「流れ星五十三次」(石ノ森章太郎)などを筆頭にスター漫画家の連載が掲載されるようになった。

 1980年代には、個性的な若手作家が多く登場した。「私立探偵フィリップ」(わたせせいぞう)、「百日紅」(杉浦日向子)、「物陰に足拍子」(内田春菊)といった傑作も多い。「まんだら屋の良太」(畑中純)はNHKの連ドラにもなった。

 そして、その中から同誌を代表するふたつの作品が生まれた。「まるごし刑事」(渡辺みちお/北芝健)と「静かなるドン」(新田たつお)だ。特に「静かなるドン」は爆発的ヒット作となり、昨年末に連載が終了するまでマンサンの顔として君臨した。コミックスは累計で4400万部を突破。昨日発売された106巻以降は4月末に107巻、6月末に最終巻の108巻が発売され完結する。

 近年も、漫画好きなら一度は読んでおきたい「湯けむりスナイパー」(松森正/ひじかた憂峰)、映画化され6月公開予定の「監禁探偵」(西崎泰正/我孫子武丸)や「トリガー」(武村勇治/板倉俊之)などが掲載され、バラエティーに富んだ魅力的な誌面であった。 詳細は耳寄り情報

[ 2013年2月27日 09:24 ]

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